土曜日、今日もお天気すぐれず。ずっと雨だと洗濯物が…。
昼前に出掛けて、高田馬場経由、西武新宿線でちひろ美術館・東京へ
『ショーン・タンの世界展』を見る。これがとても良かった。漫画的なコマ割りの面白さと、一枚の絵から無限に拡がる想像力と、緻密な取材を下敷きにして現代の寓話を構成する力…。こんな引き出しの多いすごい人いたんだ、と不明を恥じたのです。会場は熱心に鑑賞する人、多数で賑わっていた。
台詞一切無しの移民の物語『アライバル』は、移住した先の街が、まるでオネアミスの翼のように一から世界観が構築されており、眼を見張る。コマ割りされた構成はユーモラスで可愛く、しかし、その物語は現実の移民の状況に立脚してシビアで…。なんかもう唸ってしまった。ショーン・タン自身も、重層的なバックボーンがある人なんですね。
松本善明が亡くなったばかり、ということも多少は影響していたのだろうか?とにかくちひろ美術館、とても混雑していて、熱気も高かった。
また西武新宿線に乗って高田馬場まで出て、歩いて西早稲田『甘露』へ
こんなに賑わってるガチの中国茶カフェ見たことない!若い人中心に、お客さんたくさん。
お茶も良いもの使ってるし、四川のかき氷「冰粉」は、愛玉的なぷるぷるデザートで白キクラゲとか干し葡萄とか山盛りで美味しいし
緑豆もやさしい甘味。点心も良かったな。この日は大変な賑わいでてんてこまい…という感じだったけれど、普段はそうでもないらしい。また、落ち着いてお話できるタイミングで行きたいですね
久しぶりに高田馬場から早稲田まで歩いたら、タピオカ他ドリンクスタンドが沢山あるのはともかく、麻辣湯とか、雲南料理とか、羊串とか、中国の風がやたら吹いてて面白かった。早稲田に留学生も多いだろうし。MINISOはヤケクソみたいな店内全品半額セールをやっていましたね…。折り畳み傘と、スマートスピーカーを買いました
西早稲田から地下鉄を乗り継いで乃木坂へ。
サントリー美術館『遊びの流儀 遊楽図の系譜』を見る。これが期待以上の面白さ。
近世の人々が街や屋敷で様々な遊び、歌舞音曲、ゲームや飲み食いに興じる、実に楽しげな様子を描いた「遊楽図」の数々が、ほんとに楽しそうで。髪を結い合うとか着飾るとか、こういうことも娯楽なんだな、みたいな気づきが沢山あり。
美麗なカルタや双六、十種香や貝合わせ、蹴鞠の鞠などの実物も山ほど展示されているのも良い。しかしとにかく、絵の中で群舞する人たちや、遊びに勤しむ人たちの楽しげな様子が良かったのですよね。遊楽図の解説に「元服前の若衆に注目」って書き過ぎ!なのが面白かったけど。
で、この、元服前の若衆…という文脈が、別の文脈を覗かせる絵がありまして、屋敷の物陰でやたら乳繰り合う人たちがいるんですが、男女なのか男男なのか女女なのかが分からないのが良い。皆さん、やたらと襟から手を入れたがりなんですが、あれ、着物を緩く着てないと滑り込ませても面白く無いよね…?
なので、特に遊びの場においては、みんなとても緩く着ていたんだな、という気づきがあったのが一点。もうひとつ、即物的には襟じゃなくて裾から手を入れるべきなのでは?とも思うけど、実際問題、みなさん襟から手を入れていたのか、絵画表現的な問題で記号として「襟から手」なのか、わたし、ちょっと気になる。
ずいぶんじっくり見ていたので、もう閉館時間。さて晩御飯をどうしよう。エリックサウスマサラダイナーにさきほどから2度ほど電話したのだが、忙しい時間なのか、なかなか出ない。ダメモトで行ってみよう、ということになりまして。で、着いたらイナダシュンスケさんもいたし、席は空いてるし、モダンインディアンコースもまだありますよ!という嬉しいお返事。
エリックサウスマサラダイナー『モダンインディアンコース 2019 夏のコース』であります。今回も驚きと喜びの連続。
トマトの酸味と辛味とココナッツの風味が口に含むたびに変化する、重層的なマイソールラッサムには帆立入りで、さらに深みが増して食欲を増進させる
次の皿は稚鮎のフリットとメロンとヨーグルト!謎の組み合わせなのに、ほろ苦さと甘みと酸味が渾然一体となる喜び。付け合わせの野菜もいちいち旨すぎる。
マトンドーピアザーのピッケリ、カレーもパスタもチーズも単体でそれぞれめっちゃ美味いのに、組み合わせると何倍にもなる瞬間がこのコースの醍醐味。
赤味が美しい豪州産熟成サガリ、複雑極まる味わいのグレイヴィと食べれば、辛く無いのに汗が溢れてきて、体が!活性化してる!を実感できます、旨い
そして、「茄子ご飯 海老うま煮 貝汁 旬菜一品 青梅漬」とあって何事…と思った一皿。バスマティライスとサンバルとラッサムはお腹に余裕があれば…とのことでしたが、当然始めから行きますよね?みたいに言われたので、勿論食べました!
海老頭出汁と貝出汁のカレーがめっちゃ旨いよー。わっしわっし食べて満腹に。
デザートも、フルーツ山盛り、濃厚なマンゴープリン(今までで一番美味しいマンゴープリンかも)、タピオカも旬だから!入っていて、遊んでてもクオリティは確かで…。
甘い温かいチャイと合わせて、ホッと。ハウスワインもこんなに質高かったっけ?と思ったなぁ。はち切れんばかりの満腹になりました。
とにかく、一皿一皿に何重にも幸せが詰まってて、しかも2ヶ月毎に心配になるくらいキレと文脈が増して進化して。それを、変わらず5000円で楽しめてしまうのが申し訳なくて、稲田さん大好き!と思いながら店を出たのです。ほんとに満腹過ぎる…