日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

東京お散歩

zaikabou2005-01-08

西麻布、霞町の大横丁坂から撮った森ビル。六本木の周縁部を歩いていると、このビルが空の景観をいかにアバンギャルドに変えてしまったか、良く分かる。日枝神社から見たプルデンシャルタワーも非常に強烈だった。そういうことをするのは大抵、森ビル。
ところで、旧霞町の範囲を調べていてみつけた2chのスレ→これ ぶははは 1の偽者が出てくるあたりから怒涛の展開。……実は有名なスレなんだね、No.13までは確認できた…

千駄ヶ谷から六本木に散歩

8時起床。渋谷に出て、山手線で新宿。日本オタク大賞に行こうかと思ったが、混みそうだし、あの狭い地下空間に何時間も閉じこもるのもな、と思いなおして、千駄ヶ谷に出て東京体育館のプールへ行く。今年の初泳ぎ。1時間ちょっと泳ぐ。
プールを出て、ぶらぶらと散歩。惣'sでおにぎり購入して昼飯、美味。しばらく行くと霞ヶ丘アパート。周辺の賑わいから抜け落ちたような、時間が止まったような昔ながらの団地で、いわゆる昔ながらのマーケット、名付けて「外苑マーケット」もある。団地につきものの給水塔もある。東京の都心部、山手線の内には、周辺の賑わいから抜け落ちたような味のある空間がまだまだ沢山ある。給水塔についてはここに写真が
http://carnation-web.com/yabe/en/qsui.html
このサイト、煙突がいっぱいで楽しい
http://carnation-web.com/yabe/index.html
路地に入って少し行くと、國學院高校の前に新川屋酒店という酒屋。「八海山のしぼりたて原酒入りました」の表示に惹かれて入ってみると、これが素敵な酒屋。はいってみると、万屋と呼んでもよさそうな品揃えなのだが、奥に日本酒と焼酎がいろいろ。特に八海山は全ラインナップ、大吟醸純米大吟醸「金剛心」まである。雪中梅もある。焼酎も色々と面白そうなのが無造作にあるし、試飲させてくれる酒も沢山…。これはいい酒屋だ、と、とりあえず八海山のしぼりたて原酒だけ購入。
外苑西通りに出て、青山通りを渡って、青山墓地の脇を抜けて、大山通りを越えて、大横丁坂を登る。右側に白くて、中庭のあるような不思議な建物。ギャラリーらしいので入ってみる。
http://www.le-bain.com/index.html
地下に下りると、業務用のおされ水廻り用品のショールームであった。見事なまでに、「おされだけど使いにくそうなシンク、蛇口、シャワー、浴槽」がぞろぞろ。最近、新しいホテルやおされ居酒屋で見るトイレは、こういう所から買ってるんだなあ。いや、特注だとばっかり思っていた。勉強になりました。でも絶対買わないけどな…。
中庭の外観
こんなのや
こんなの
こんなのに
こんなのも
すぐ近くには、安藤忠雄設計のマンションも。一体、幾らするんだろうね…

ついでに六本木ヒルズへ

何も買わずに(だって、みんな20万とか30万とかするんだよ…)出て、坂道を登りきるとすぐに六本木ヒルズ有隣堂にていろいろ立ち読み、東京人の路地特集と、『確率と統計のパラドックス―生と死のサイコロ』を購入。後者は、最近多い「統計で騙されない」系の軽い本でもなく、重い理論書でもなく、いろいろ考えながらも楽しく読めそうな、統計と確率の本。
森美術館のアーキラボ展をもう一度見物。建築模型とドローイングが大量で、順番に見ていっても、「へー」「ほー」と楽しめる。ただし、建築界における「流れ」のようなものは、説明不足でイマイチ理解できない。もっとも、理解できている人には説明するまでもないだろうし、理解してない人には説明してもしょうがないので、とりあえず色々見て色々考えてみてください、と言うことなのかも。だったらそれでもいいけど。
まあ一番面白かったのは、万博の映像や、アメリカのBESTというスーパーマーケットのアヴァンギャルドな建築に戸惑う人々の映像、なわけである。しかし、アメリカの人は、正しかろうと間違っていようと、実に堂々と自説を披瀝して恥じないものなのだな、と感心しきり。こないだの日記で、菊竹清訓がエキスポタワーの取り壊しに怒っていると書いたが、訂正します。エキスポタワーの壊し方に怒っている、でした。じゃあどんな壊し方が良いかは…言ってませんでしたので分かりませんけど。
そのまま日比谷線→東横線で帰宅。たらこの粕漬でお酒、それからカレーを食べる。

本物がジオラマに見える!

本屋で色々雑誌を立ち読みする中で、『GQ』のSONYWEGAの広告で目が止まる。本城直季という写真家の写真で、街の風景を同じ場所から同じ尺で撮影した写真を上下に並べている。で、一見、片方はジオラマに見えるのだが、じっくり観察すると実は両方本物、というもの。
なぜ実物の風景を撮影したのにジオラマに見えるのか?写真家本人のコメントとして「良く分からないけど…」なんて言っているけどまさかそんなはずはなく、一番重要な点が被写界深度の問題。被写界深度についてはここが詳しい。
http://www24.big.or.jp/~antares/photo_gallery/camera/camera3.html
ジオラマに見える写真は被写界深度が凄く浅く撮ってある。一定の対象物を撮影するときには、被写界深度が浅くなる条件は、搾りを開き、焦点距離を長く取る(望遠で撮る)ことなんだけど、この二つが同じ条件下では、対象物と撮影者の距離を近づけるほど被写体深度が浅くなる。だから、人間は被写界深度の浅い写真を見ると対象物がすごく近くにある=すごく小さいように感じることになり、風景写真が小さいなジオラマに見えてしまうのだろう。100の言葉より1の写真。違う人がデジタル手法で作ったものだけど、これ。
http://okamot.com/mt/archives/000659.html
ね、ジオラマに見えるでしょ。もう一つ(これは本城さんと同じ技法で撮影したものだそうです。はげさん、ご教授ありがとうございます)
http://okamot.com/photolog/archives/2004/11/23.php
本城直季さんの作品はかなり大迫力なので、GQを是非立ち読み(立ち読みかよ)してみるべし。具体的に、どのような機材と技術でこのような写真が撮れるのかは良く分からないけど。被写界深度以外にも何か秘訣があるのかもしれない。
この原理を逆に利用〜というか、こっちのが昔からあって、特撮に使われる技術なのだけど〜したのがいわゆるパンフォーカスで、被写体深度を無限遠まで深くすることで、ジオラマを本物に見せる技術。つぎのサイトのまんなかへん。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~suzuki-y/photo/phetc18.html
2001年宇宙の旅におけるパンフォーカス撮影が特に有名で、ジオラマが大宇宙空間に見える、大迫力映像が撮れたわけ。まあ、この部分はドラえもんから、というか、変ドラページ「なんだこりゃ」から得た知識なんだけど。
http://hendora.com/hendora/hendora08/hendora8.htm
まあともかく、本物の風景がジオラマに見えて大変面白い、ということで。