日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

おともdeマイルで

5時起床。腰は、うむ、だいぶ快方に向かっている。これで無理しなければ大丈夫だろう。横浜からバスで羽田空港へ。出発ロビーで待ち合わせ、荷物を預けて朝飯。第一ターミナル1階の、リニューアルしたばかりのお好み食堂でたぬきうどんを食うが、新人さんばっかりなのだろう、レジと配膳と厨房と、混乱していて手際の悪いこと甚だしい。
8時丁度発のJL1707便に乗り込み、トランペットの欲しい子供のように窓にへばりつく。実にいい天気で、江ノ島、厚木基地

富士山が良く見えて、その後、広島空港に着陸しようとするJAL

など、いろいろと面白いものが見れた。相変わらず、娯楽の旅行に限って良く晴れる。しかし、10時過ぎに着陸した福岡空港は小雨、しかも気温4度と、非常に肌寒く、あっちこっち行く気も萎えさせる。
福岡は出張では何度か訪れているし、何度か宿泊もしているのだが、なにしろ出張なのでどこも見ていない。だから、遊びに来たのは初めてということになる。まず、キャナルシティに行ってみようと、地下鉄で祇園まで出て、てくてく歩く。

おもちゃのまちのようなキャナルシティを徘徊し、お茶を飲み、ここで昼飯を済ませてしまいましょう、と、何故か、セガがやっているラーメンスタジアムへ。なにか、神経がおかしくなっていたとしか思えない選択だが、いまさら後悔しても仕方なし。一歩足を踏み入れるとフードテーマパークそのものの空間にいろいろ渾然一体となった匂いが充満し、どの店も行列している。よりにもよって東京の「いちや」という店に入り、そのインスタント然とした麺に驚愕する。こういうこともある。

一路、唐津へ

ラーメンでどっと疲れたので、もう唐津に移動しましょうそうしましょうと、博多駅までタクシー。博多駅構内を徘徊して(昔は、私の旅行の楽しみといえば、初めての駅を徘徊することであったなあ…)満足し、12時51分の地下鉄空港線に乗車。唐津まで一直線。筑肥線の沿線風景、線路の脇に迫る海、唐津湾を堪能して、あっという間に唐津着。
ところで、自分の中での距離感覚は、完全に鉄道が基準になっている。どこを訪れても、自分が距離感、位置を把握するための座標は常に駅に置かれており、駅をパスして空港とどこかを往復したりすると、そこを訪れた、という気にまったくなれない。
旅先での移動もそうで、それが鈍行であったとしても特急であったとしても、鉄道で移動することで、初めていろいろな地点の間の関係性を自分の中で「掴んだ」状態になれる。だから、車での旅行なんて考えられない。鉄道か、バスか、歩くか。まあ、近距離ならタクシーもいいけれど。これをやらないと、その地に旅行したきになれないのだ。これは私固有の特殊な現象なのか、ある程度は普遍的なことなのかしら。
閑話休題唐津駅前も、小雨がそぼ降っていた。街のなかを歩こうかと思ったが、雨と荷物と腰の状態と相談するとそういう気にもなれず、とりあえず、駅前にある観光施設だけ訪れてみる。
唐津市ふるさと会館アルピノ。ようするに、観光案内所とおみやげ屋と喫茶店が一緒になったような、地方によくある施設なのだが、一画に唐津競艇の場外船券売り場があり、そこだけ鉄火場、というか、非常に退廃的な空気が漂っていた。あーなるほど、こっち方面から金が出て作られた施設なのだろう、と予想はついたが(間違っていたらごめん)、ちょっと、どうかと思った。
それから、商店街のアーケードを通り、歳末売り出しの抽選に何十人も行列を作っている様を物珍しく眺め(早く並んだほうが当たりが出やすいのだろうか)、タクシーを拾って本日のお宿、水野旅館へ。

伊勢海老!


この旅館、唐津城のすぐ脇にあり、海に面している。ので、全室部屋から海が見えるまことに結構な旅館である。

全般、玄関も廊下も誠に風情があって、お屋敷然としていて、非常に素敵な宿。また、料理が有名であるらしく、三笠宮とか秋篠宮も訪れているたしいのだが、皇族と言うのは案外気軽に、というか、不用意に、写真を撮らせたりサインを残したりするものなのだなあ。



生簀の脇を抜けた先にある風呂に入って(全体、何人か生簀に落ちているの思う)、しばらく寛いでいると、お待ちかね、饗宴の時間である。
いや、もう、あなた、これが…。タイの刺身に自家製カラスミ、伊勢海老の活き造り

イカの活き造り、あわびの刺身にハゼのお雑煮。伊勢海老を焼いたのにサザエのつぼ焼き、鯛の骨煮に海老の入った茶碗蒸し、さっきのイカの活き造りのゲソが天ぷらになって、それから伊勢海老の赤だしでごはん。いや、もう、なんというか、誠に、殿様気分と言うか、素晴らしい。ああ、死んでもいい。特に伊勢海老が…。
というわけで、すっかり満腹になり、8時に寝てしまった。