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日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

佐賀から柳川へ

唐津駅発11時33分の唐津線に乗り、佐賀へ向かう。ボックス席でうつらうつら。佐賀着が12時42分、昼飯を食うために、駅近くの、農協がやっている「季楽」という佐賀牛のレストランまで歩く。時間が時間なので結構込んでいたが、「鉄板焼きならすぐご案内できますが」とのことで、そちらにしましたが…。なぜすぐご案内できるかわかった。高いのですね、鉄板焼きだと。薄焼きステーキ定食というのを頼み、しかし、佐賀牛はさすがに美味し。
隣で一人で食っている50がらみのおじさん、次から次へと分厚い肉をばくばくと食べ、「んー、美味しいですねえ、佐賀牛は」なんて言っている。あれはいくらになるのだろうか。2万くらいにはなるんじゃなかろうか。しばらくして、「ところで吉野ヶ里に行きたいのですが、タクシーを呼んでいただけますか」なんて言っていて、世の中にはお金を持った人がいるのだなあ。
デザートとうっすいコーヒーを飲んで、再び駅へ。駅の高架下にあるバスセンターへ向かう。佐賀のバスセンターと言えばネオむぎ茶であるが、非常に小奇麗なところであった。
事件後、改装したのだろうか。ここから、柳川行きの路線バスに乗って柳川に向かうが…しかし、初めて訪れた県庁所在地で、肉食ってネオむぎ茶を思い出しただけ、というのも酷い話ではある。
バスは国道208号線の渋滞に巻き込まれ、1時間強で西鉄柳川着。ここから川くだりでも、と思っていたのだが、草臥れたので取り敢えず宿へと向かう。

柳川御花

今日の泊まりは柳川御花。立花家の別邸だったところで、松島を模した国指定名勝の庭園が部屋からも良く見える。

そして、明治43年に建てられた西洋館も見学。(宿泊すると、チケットをくれる)

当時の輸入調度品がたくさん残る、大変すてき空間であった。



その後、庭を眺めて、近所の温泉保養施設「南風」というところまで、温泉に入りに行く。地元のおじさんの話している方言がさっぱり理解できぬ。わからないなりに聞いていると、縁談の話と、葬式の話と、どこそこのだれだれは立派な家を建てて偉い、という話であった。他へ行ったときもそうだが、地方に行って聞く代表的な地元の人の話は、概ね、この二つに集約されるような気がする。きちんと嫁を貰って立派な家を建てて、立派な葬式を出す。つまり、そういうこと。
宿に戻ると、お待ち兼ねの夕食タイム。ここの御花は料亭もやっていて、本来であれば個室でごはんが食べられるのだが、3月に起きた福岡県西方沖地震の修復工事中で、広間での食事と相成った。西洋館もかなり被害を受けたらしく、そちらのほうも、大きな足場を組んで工事中であった。
この、夕食がまた…。今日は有明海の珍味が中心と言うことで、昨日のストレート、直球ど真ん中の魚介類に比べて、変化球の美味さである。
ムツゴロウの甘露煮は、まあ、珍しいもののそう美味いものではなかったが、シャコが美味い。

しかし、シャコを最初に食べた人は偉いなあ。よくこんなもの、食べる気になったもんだ。どう見ても蟲です。本当にありがとうございました。皮をはがしてむしゃぶりつく。本当は、6月頃が一番美味いらしい。
それから、玄界灘のお刺身(イカ・鯛・海老)、有明海の珍味いろいろ(三味線貝とか、イソギンチャクの味噌煮とか)、煮物(芋が美味い)、柳川鍋、舌平目のから揚げ。このから揚げがですね、もう本当に、なんと言ったらいいか、大変に結構だったのですよ。
そして鳥鍋(スープが美味い)の後に、出てくるのが柳川名物のうなぎの蒸篭蒸し。

食事が終わって部屋に戻るときに、クリスマスだからなのか、スプマンテ(Asti)のハーフを1本と、みかんジュースをくれた。今日も腹いっぱいになって、なにもする気力なく、眠る。

馬鹿馬鹿しさに涙する

起きたら8時。12時間、昏々と眠り続けたらしい。実に爽やかな寝覚め。腰は…まだちょっと痛い。部屋であっさりした朝食を済ませ(しかし、これもまた美味い…)、9時過ぎに出発する。宿の外にすぐ砂浜が広がっており、風景が美しい…

唐津城の石垣の脇を抜けて、太鼓橋を渡ると、宝当神社にわたる桟橋、「宝当桟橋」がある。宝当神社という名前は前からあったのだが、それにあやかって訪れる人が増え、島でも町おこしの一環に、ということでPRをはじめて、ついには島に宝くじ売り場までできたそうな。ネタになりそうなので、早速突貫してみようではありませんか。昨晩、宿の人に「明日は宝当神社に行こうと思って…」と言ったら「ああ、まあ、話の種に…」と微笑していたので、地元でも、なんというか、まあ、そういう認識であるらしい。

定期船は一日6便。これ以外に、海上タクシーがピストン輸送しているらしい。ジャンボ宝くじのシーズンには乗り残しも出ると言うが、ジャンボが終わったこの時期は、まあ落ち着いたものであった。

唐津城を望む桟橋から出た船(200円也)は、わずか10分弱で、宝当神社のある高島へ。観光客と地元の人が4:6くらいの感じだったが、時期によっては観光客だらけになるのだろう。鄙びた島に降り立つと、まず、迫ってくるのがこれ。

なにやら、縁起物を売る店であるらしい。とりあえず華麗にスルーして、神社におまいりする。

小さな神社である。社に入ると、中には全国から届いた「宝くじ当たりました!」のお手紙がべたべたと貼られていた。なにかに似ている、とおもったが、ああそうだ、京都の清水寺にある、地主神社に似ている。このネタテイスト。大変素敵である。

島は、本当に、人が歩くための路地しかないような静かな島。この神社のお陰で町おこしができて結構なことであるが、快く思っていない人もいるんだろうなあ。さて、先ほどの「宝当乃館」に戻り、中に入ると、いや、これも、なんというか、大変素敵なセンスが横溢していて、まことにもっておめでたい。


中に宝くじを入れておく「宝当袋」、ニュー宝当袋「輝き2000」、スーパー宝当袋「玉光3000」、はちまきを超えたすごいヤツ!「かちまき」、当たりをおさえてください「ぶんちん高島だ〜」、携帯用吸殻入れ「宝当にくびったけ」、お子様に大人気駄菓子詰め合わせ「だがしま」、「当たりがいがある貝」、「お願いかなう貝」、神棚風宝くじ入れ「宝当乃館だな〜」、うちわ「えんぎよき風」、コツコツと手作りです「高島あたりがね」…。
なんというか、人間、生きるって大変だな、と思うわけである。そういう私も、神社でお札を一枚、それから、初夢宝くじを10枚、購入してしまったわけですが…。
ぐったりして表にでると、こんなものが。

……さあ、帰ろう。