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日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

ついでに高崎観音(白衣大観音)も

洞窟観音から暫く山を登り、途中、閉鎖されたカッパピアという遊園地

の脇を抜けると、観音山の山頂へ。ここから、なかなか立派にお土産やが並んではいるものの閑古鳥が鳴いている参道を通って(大丈夫か知らん)いくと、白衣大観音が聳え立つ。高さ41.8m、登録有形文化財

中に入れるので、当然、なかに入るわけである。300円。結構急峻な階段を上がっていくと、所々に閻魔様やらなにやら種々雑多なレリーフ

一番上まで上がると、高崎の市街地が遠望できて眺め良し。

ちなみに、右のほうに見える一番立派な建物は高崎市役所であるが、一番立派な建物が行政施設であるような都市は…ゴニョゴニョ。地方都市に行くと、大抵、一番立派な建物って、庁舎か新聞社かNTTドコモだよね…。

閉鎖された遊園地のジェットコースターも見えた。ちと物哀し。ちなみに、観音様の裏側はこんなです。

おみやげに、参道でダルマを。結構ちゃんとした、12cmくらいあるダルマなのだが、たったの200円。いったい、どこで作っているのだろうか。帰りはバスの時間がうまくあったので、「ぐるりんバス」というのに乗って高崎駅へ。
昼飯に岩魚鮨を購入し、丁度いい普通列車が無かったので、草津5号の人となるが、一杯で座れない。で、座れないのは仕方ないのだが、西洋人と思しき女性と日本人男性が座っており、その子供が二人、座席を乗り越えたりしてどうにも行儀悪く暴れている。ポータブルのDVDプレイヤーでハウルの動く城を見ており、いやさ見るのは構わないんだが、大きな音を無遠慮に流しながら。で、その女性が見ている雑誌の特集記事、覗いてみたら「レストランでの上級マナー」。どっからつっこんでいいのか皆目見当がつかず。結論が出ないまま渋川駅で下車。

ハラミュージアムアークは…

渋川駅から伊香保温泉息のバスに乗り、途中、グリーン牧場というバス停で降りる。ハラミュージアムアークへ行くために。さて皆さん御殿山の原美術館をご存知だと思う。都心のお屋敷をそのまま使い、現代美術の活きのいい展示をいろいろやっており、デートスポットとしてもなかなかであるが、なにしろそのFLASHで見難いWEBページといい、全体的にスノビズムに溢れているわけである。そんでもって、ハラミュージアムアークは、その原美術館が高原に作った別館なわけであるからして、箱根のポーラ美術館も真っ青なところだと思ってやってきたわけだが…。
バス停を降りても、どこから入場するのかよくわからない。牧場の入り口がぽっかり口をあけているだけである。

で、この牧場、まあ観光牧場であるわけなのだが、何しろ寒いし、人はいないし、よく言えば軽快な、端的に言えば安っぽいカントリーミュージックのようなものが物寂しく流れていて、山に吸い込まれているわけである。暖かければもう少し雰囲気もいいのだろうが、なにしと寒いからね…。
で、その入場料が1000円。このチケットで美術館もご入場いただけます。ああ、そうか、ハラミュージアムアークは、牧場のおまけなんだね…。小さい子供を連れた家族連れに混じって入場券を購入し、中へ。中も人はいない。牧場なんだけど、寒いから馬とか牛も脇の方に柵に囲われて何頭かいるのかな?という程度。微妙。うち捨てられたように置かれた幌馬車が、まるで西部劇のゴーストタウンのようである…って、ちょっと酷いな、自分。山は綺麗だ、山は。遠くに見える山は。
さてその牧場をずんずん進んでいくと、牧場の奥に現れるのが美術館である。

無料。入場無料。

磯崎新先生のかっちょいい美術館。入場無料。

展示室では収蔵品展をやっていて、メープルソープとか、杉本博司とか、草間彌生とか、束芋とか、わかりやすいところでご機嫌を伺っていた。だけど、束芋の作品の部屋の前にはこんな掲示が…

まあ、いつものように、人が空から降ってきたり、人の首ちょんぎったり、ああ、束芋だな、という作品だったのであるが、そうだね、牧場に遊びにきたちっちゃい子には目の毒かもしれないもんねえ。
んでもって、展示室は3つあるのだが、そのうちの2つで収蔵品展をやっていて、残りの一つは小学生の絵画コンクールを開催中であった。いろいろと台無しである。そして、どっちにしてもだれもお客さんはいなかった。大丈夫か。冬ですからね。夏はきっと沢山人が来ていると信じたい。山はきれいだった。

牧場にて一応、牛乳を一杯所望し、伊香保温泉まで歩いてもたいした距離ではないようなので、歩く。そういえば駅弁をまだ食っていなかったので、道々、歩きながら、岩魚鮨を食べる。寒い。雪がちらついてきた。岩魚鮨は切れていなかった。切るための簡易ナイフを落とした。かぶりついた。美味しいには美味しいが冷たい。横を通る車が自分を奇異の目で見ているような気がする。添え物の漬物も冷たい。鮨の上にも雪は降る。何をしているんだ私は。漸う、食べ終わったころには、伊香保温泉に到着していた。

伊香保温泉だ

コンビニで船尾瀬なる地酒を買い、温泉街へ。しばらく歩いて、階段街に到着。

さすがに土曜日であるので、それなりに人が出ていた。まずは宿屋へ荷物を置く。階段の中腹にある、金田屋旅館という古い旅館。

人の良さそうなあんちゃんが迎えてくれて、3階の客室に通された。狭いけれどもそれなりに居心地の良い部屋で、ああ、古い温泉旅館だなあ、という風情で、なかなか結構。

荷物を置いて、すぐに露天風呂に入りに行く。階段を上り、さらに暫く進むと、源泉が出ているあたりにある露天風呂、400円也。屋内の脱衣場などなにもなく、浴槽の脇に脱衣スペースとロッカーがあるのだが、とにかく寒い。寒いはずだよ標高810m。ぶるぶる震えながら浴槽につかり、しかしさすがに温泉は茶褐色のお湯が気持ちよく、ぬるめのお湯と熱めのお湯に交互に浸かりながら、よそのお客さんの話に耳を傾けたりすること暫し。やっぱりいいですねえ、温泉は。

上がるころにはすっかり夕暮れ、戻る道すがらに手拭も凍る。石段街をぶらつけば、賑わう射的屋に古いお土産や。宿に戻って一休みすれば運ばれる夕餉。それなりに豪華で猪鍋と茶碗蒸しなどなかなか結構で、ビールに、さっき買った日本酒も進む。
ところで、飯を食いつつテレビを見ていたのだが、歌番組に浜崎あゆみが出ていた。最初、誰か他人の歌を歌っていて、「ああ、この人は歌い方の引き出しが少ない人なのだな…」などと見ていたのだが。その後、桑田佳祐の『東京』を歌いだして、これがまあ、目を見張る酷さ。お経かと思った。うっそー、みたいな凄いレベル。
腹が膨れれば目の皮が弛み、布団が敷かれて一寝入り、目覚めてみれば11時過ぎ。旅館の風呂を一浴びし、下駄をからげて表に出れば、看板前の飲み屋には、浴衣姿がちらほらと。宿に戻ってつまみ片手にお酒の残り、そうするうちにまた睡魔、灯りを消しておやすみなさい。

なぜかしら群馬へ

もともと、東北に行こうか、あるいは新潟の松之山温泉に行こうと思っていたのだが、なにしろこの豪雪。雪に埋もれて誰かの名を呼び続けたい気分も無きにしも非ずだが、ここは自重して、ワタクシ的に途中下車以外ほぼ未踏の地である群馬を周遊したいと思ったわけである。
朝は割合にのんびりと、9時前に出かけて、渋谷に出る。渋谷駅で、さてどうやって高崎まで出ようか迷った末、特急草津に乗ろうと思ったのだが、案外乗り継ぎがタイトで焦る。山手線で新宿、埼京線で赤羽に出て、1分乗り換えの滑り込みセーフ。実は新宿発車は埼京線よりも湘南新宿ラインが3分早かったのだが、赤羽着は1分遅いので、湘南新宿ラインに乗っていたらアウトだった。やっぱり、そうなんだねえ。
3連休初日で混雑する赤羽発10時11分の草津3号になんとか空席をみつけ、代わり映えのしない風景の中をゆったり高崎へ。高崎でまず途中下車、高崎観音近くの洞窟観音が面白いよ、との話を群馬出身のid::mm-nakamuraya君から聞いたので、早速向かおうとするが…。観音様は高崎一の観光資源のはずなのに、バスが1日7本しかない。なるほど、車を運転しない成人は人にあらずの土地柄なのだな…。ショウガナイノデ、タクシーで洞窟観音へ。

高崎名物、洞窟観音

タクシーで10分ほど行くと、観音様のある山の中腹、洞窟観音に到着。珍日本紀行にも取り上げられた、まあ、珍スポットである。一代で財を成した篤志家、山田徳蔵翁が、すべて手彫りで彫らせたそうな。

800円也を支払って一歩入ると、コンクリの暗い洞窟の両側に、観音様がポツリポツリと点在している。


土曜日の昼頃だが、私以外に訪れる人とて無し。写真を撮るために立ち止まると静寂に包まれ、端的に行って、ちと怖い。そして、なぜか一箇所だけ、観音像が無くてブロックで固められた場所が…

えーん、怖いよー。そして、その洞窟を暫く進むと、手彫りの跡も荒々しい大空間に出る。なるほど、これはなかなかの大迫力。



一人で行くのはちょっと躊躇われる施設ではあるが、一見の価値はありか。いかなる情熱をして一人の人間をこれを作らしめたか、なかなか興味深い。
併設して、山徳記念館なるところがあり、なぜか田河水泡関係とか、針すなお関係とか、よくわからないライナップで雑多なものが展示されていた。こちらは…まあ、どうでもいいです。なぜか中曽根先生の揮毫による碑だけ面白かった。