日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

今日の一応出張日記

6時起床。まだまだ暗い。ホテルの朝食が500円と安いので、食っていこうかと思ったが、止して、大分明るくなるころに出かける。
本町から地下鉄で大阪港へ。出勤前にちょっと寄り道、港大橋がよく見えそうなところはどこかしらん、と彷徨う。住友倉庫の立派な倉庫の向こうに、公園のように整備された一帯があり、そこから港大橋がよく見えた。

ついでに、キリンさん

満足したので、大阪港の駅まで出て、商店街の喫茶店に入ってモーニング。名古屋ほどではないが、やはり大阪も喫茶店文化の豊かな土地。大阪の普通の雰囲気が知りたければ、朝の遅めの時間に住宅街の喫茶店に行って御覧なさい。地元のお年寄り同士のイイ感じの会話が聴けることでしょう。大概の喫茶店は、立派な店構えで美味しいコーヒーと気の利いたモーニングを供してくれる。ここでは、ヤキサンドというのを食べた。
電車乗り継いでATCまで。港湾のはたらくくるまに萌えたりしつつ

今日も展示会のお仕事。説明員とか。交代で休憩を取った際、WTCのビルまでさぬきうどんを食いに行き、まあうどんはそれなりに美味しかったんだけれど、古書市をやっていた。場所柄たいして期待もせずに覗いたら、アニハカランヤ、お手ごろで面白そうなところが沢山並んでいて、ああ時間が無いわ、と思いつつ、物色。
特に面白かったのが、昭和23年、中学校用の『職業指導』という教科書で、いろいろな仕事…と言っても、13歳のハローワークのように作家とかあるわけではなく、「石炭を掘る人々」「電気を起こす人々」「製鉄所で働く人々」「農家の力」「肥料の合成」「復興の仕事」「社会の耳目」などとあり、合間には「民芸館を訪ねて」なんて一説があったり、職業につくことと生活の関連について切々と訴えていたり、労働運動や健康、労働保護、教養などについて詳しく書いてあったり、とても心躍る一冊。働くとは何なのか?ということを、これから世に出る中学生に極めて真摯に説いている。巻末には各種職業、会社の給料が細かく載っていたりして、どこまでも面白い本。これ、教科書なんですよ、ちゃんとした。これで300円。いろいろとネタに使えそう。
それから、池崎書店という泉佐野の古書店が落語関係の面白そうなところを値頃で出していて、雑誌大阪人のバックナンバーとあわせて、大量に買い込んでしまった。荷物おもーい。
お仕事終了後、片付けて、ホテルへ。今日の泊まりは、『T'POINT』というデザインが先鋭的なホテル。
http://www.tpoint.co.jp/
ひとつひとつ、すべて違う内装になっていて、中には、実験的宿泊と銘打たれた、訳わからんジャングルジムのような部屋もある。そこに泊まりたかったのだが、予約できなかったのであきらめて、比較的普通の部屋に宿泊。広くてきれいな部屋で、洗濯機と乾燥機が付いていたり、冷蔵庫には無料の水とビールがあったり、各種アメニティーは充実していたり、パソコンは付属していたり、CDやDVDを無料レンタルしてくれたり、普通のホテルとしても大変結構である。
夕飯は出かけて、長掘橋から南の一帯は美味そうな店がよくもまあこれほど、というくらい並んでいるのだけれど、ま、明日の夜は大阪の心の店『遊亀淀屋橋』だし、軽く済まそう、と。『はてな』という名前の店にネタで入ってみようとするのをぐっとこらえて、しかし結局、客が誰も居ない餃子屋に入る。
細長い店内に物凄く無駄かつ意味不明な座席の配置。片側の壁に向かうカウンター席だけで、座席の後ろには無駄に広いスペースが広がっている。奥のほうでは、家族経営と思しき4人。座席の端に座って熱心に内職のようなことをしているのはお爺さんか?なんだか不思議に退廃的な雰囲気で、中国や韓国で、田舎から出てきた人がやっと店を持ったので、それを追って親戚一同街に出てきてしまいました、という風情。食い物のほうは、プレミアム・モルツは間違いようの無い味だったし、小さな餃子もなかなか、豚キムチはキムチがさすがに美味しく、具沢山のスープというのは本当に具沢山で味が良かったのでまあいいのですが。なにしろ客が居ないので、前で誰かが立ち止まるたびに娘さん?アルバイト?が扉を開けて「良かったらどうですか?美味しいですよ?」などと声を掛け、行ってしまうと、女将さんが店の奥で『美味しいですよって声の掛け方は…』などとお小言している、という光景を、しばらく眺めていた。
ホテルに戻り、ゆっくり風呂に入って、さて、DVDでも借りて見ましょうか。明日はどこへ行こう。