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日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

由布院へ

7時半ごろ目覚める。朝ごはんからしてすごいことになっている。100人近く泊まる旅館で、これだけの料理を人数分作るのはエライことだなあ。
朝から温泉街をぶらぶらし、入湯手形の3枚目を使って朝湯を貰う。のんびりしすぎて体が溶けそうだ。黒川温泉は、ひなびた温泉地なのだが、若いカップルが非常に多いのであった。多いのであった。仲良く手をつないで歩いていたりするのだった。うう。
10時57分のバスで、今度は湯布院へ向かう。山並みを縫うように進むバスで、湯布院へは12時半前に到着。いったん、旅館に荷物を預けて、さて、湯布院の町を散策しよう。昼飯はそば。

『玉の湯』『亀の井別荘』という、湯布院の誇る名旅館を入り口だけ覗いたりしながら、金鱗湖という湖の畔をお散歩し、いよいよメインストリートに進むわけだが…
なんじゃこりゃ。一言でいうなれば、軽井沢の出来損ない、いやしかし、このように言うと軽井沢が出来損なっていないのか、という話になるわけで、それはつまり原宿の出来損ない?んー、なんだろう。原宿と軽井沢と小樽のエッセンスの悪いところだけ煮詰めたような。全国の観光地に忍び寄る黒い影1000円均一ショップも3件くらいあるし、なんとも表現しようの無い腐れたお店が沢山あるわけである。

これは…と顔を見合わせ、苦笑いしながら、メインストリートを駅に近いほうに進んでいくと、ある程度のところから雰囲気が良くなる。どうやら、駅から遠い立地の悪いところは、湯布院が有名になってから変なのが来ちゃったなあ、というゾーンなのだろう。立地の良いところは割合まともだ。

ぶらぶらとそぞろ歩き、美術館に隣接しているカフェでお茶。コーヒーではなくてお茶。おはぎを食べつつ、知覧茶を飲む。3杯目までおかわり。阿部寛似の男性が物凄く真剣にお茶を入れていた。
さて、本日のお宿は『のぎく』というところ。

庭を中心にして離れが取り囲み…と言うと、大変な高級感を醸し出しているように聞こえるのだが、そうではない。割と新しい旅館なのだが、レトロフューチャーとでもいうのだろうか。田舎の家に泊まりに来た、というようなコンセプトなのかしらん? 古道具屋の軒先から十把一絡二束三文で買い叩いてきたような古道具が統一感無く部屋やロビーに並んでいる感じがなんとも不思議だ。
しかし、決して不快なのではなく、気の置けない落ち着いた雰囲気になっており、若い女性が『キャーステキ!キャッキャウフフ』みたいのとはちょっと違うけれども、風呂も掃除が行き届いているし気持ちいいし、料理も量が多くてやや素朴ではあるけれども豊後牛も出てそれはそれは美味しいし、夜は篝火の焚かれた庭の雰囲気などなかなかのものであるし、穴場的に良い旅館だと思うのであった。
夜は露天風呂を独り占めし、月明かりで風呂に入っているのはこれまた至福、なのであった。