日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

あれはピクトさんと言うのか

いまむらさんが紹介している本

この本ほしい。買う。買う。

http://d.hatena.ne.jp/manpukuya/20070421/pictsan

ピクトさんの本

ピクトさんの本

確かに、あの人、いつも体を張って頑張っているなあ、と前々から思っていた。去年、直島で見かけたヤツなんか

もう取り返しのつかないことになっているし…

府中市美術館『動物絵画の100年』

日曜日。8時起床。疲れたので家でぼんやりしていたが、やっておかないと拙い仕事があり、会社へ。終わって、お出かけすることにする。今日は府中。マイミクの方が、府中市美術館で開催中の『動物絵画の100年』は凄くお勧めです、と教えてくれたので、行こうと思うわけである。この方から教えてもらった場合、外れは無いのである。先日の阿佐ヶ谷住宅しかり。
府中駅に降り立ったのは2時半頃。バスも出ているようだが、歩いても15分くらいらしいので、甲州街道を越えてぶらぶらと。少し駅から離れると、住宅地の中に少し畑が混じるようなところであり。それにしても、府中市というのは私的に非常に空間把握が難しいところで、JRと私鉄が不定形に入り乱れているので脳内にビシッとイメージが描けない。そのうちなんとかしてやろう。
府中の森公園という大きな公園が見えてきて、府中市美術館はその中にある。



まだ新しい、立派な建物。箱物だけ立派に作ってしまいました!という感じでも無い。府中市は、府中ビエンナーレもやってるし、芸術文化方面には力を入れているのだろうかなあ。
http://www.art.city.fuchu.tokyo.jp/01_Kikakuten/H18/Doubutsu/doubutu.htm
さて、本日のお目当て『動物絵画の100年』。円山応挙、長沢蘆雪、伊藤若冲葛飾北斎、谷文晁、歌川国芳、森狙仙、司馬江漢…とビックネームが並び、作品数も多いのだが、今回の白眉は何といっても長沢蘆雪である。
まさに目を見張る作品のオンパレード。蛙の相撲図の、簡単ながら味わい深い、見ていて思わず笑みがこぼれる線の見事さ。鷲の力強さと飄々とした熊。墨の濃淡の具合が素晴らしい。犬と戯れる子供たちの、一笑図のおかしみ。亀図の左側2面に描かれた牛との間、空間構成のなんと見事なことよ。もうね、神業ですよ、これは。空白が躍動を生み出している。蛙図屏風も、横に広い面の左隅に、薄い墨で蛙が2匹、ちょこんと描かれているだけなのに、その蛙が、自由な空間へと今にも跳び上がって行きそう。牛と蛙を見れただけでも、遠路来た甲斐があったよ。
そのほか。伊藤若冲の鶴図は相変わらず見事な線。司馬江漢の湖辺遊禽図は、色調が何となく、バルビゾン派を思わせるなあ。風景じゃないのに。谷文晁の絵ってのは、垢抜けないというか、泥臭いですねえ。森狙仙とその一派は、なんだろうか、要するに、猿の毛を描く専門の職人集団なのだろうか。それ以外が案外神経が行き届いていない感じがする。
駱駝の絵が2幅あって、いずれも雌雄2頭で描かれている。これは、日本に初めて来た駱駝が夫婦で来たこと、に由来するらしい。一時期、夫婦仲良く出かけることを「駱駝」と言ったらしい…というのは、落語から得た無駄知識。
今回、他にぐっと来たのが、菅井梅関。順路の初めのほうで見た、いわゆる『想像の象』的な象図も、画面いっぱいに広がる象皮の迫力はなかなかのものだったけれど、最後のほうで見た鵞鳥図の、水の下から、水の上の鵞鳥を見上げているという着想なのだろうか?ゆらゆらと不定形な線で描かれる鵞鳥のオリジナリティに度肝を抜かれた。これを見ると、象図も、また新しい視点で眺めることが出来る。
仙突義梵の虎図と犬図は、のび太が書いたかのような凄い虎と犬で、特に犬がひどい。洒脱っちゃ洒脱だけど、洒脱で済ませちゃっていいのかこれ。出光美術館にコレクションが充実しているらしい。それから、東東洋の虎図と柳に黒白図。いずれもしっかりした作画で全体にユーモラスな感じがするものなんだけれど、なんかユーモラス、の一言で収まらない、闇の深い間抜さを感じる。自分で何を言ってるのかよくわからんけれど…。とは言うものの、一番頭オカシイ、狂ってるのは葛飾北斎だと思う。虎も鯉も尋常一様で無い。
この展覧会、おなか一杯で実に素晴らしいのだけれど、なんと今日でおしまいなのである。しかも、1ヶ月少々の会期で、巡回もしないとのこと!勿体無いなあ。とにかく、教えてくれたマイミクさんに感謝したい。ありがとうございます。
常設展と、地元出身の牛島憲之の作品も。牛島憲之の作品は、工場やタンクや麦藁などを描いたシンプルな線の絵が、色使いがとても好ましかった。

東京競馬場

美術館を出て、公園を抜け、府中駅方面に向かう。地図を見たら、東京競馬場が歩いていけるらしい。競輪場は何度か行ったが、競馬場には生涯一度も言ったことの無い私である。行ってみよう、と歩いて…着いたのは16時過ぎだった。無料で入れるの?では入場してみましょう。
もうメインレースは終わっているはずなのだが、パドックには大勢の人が

そして、拍手が起きたり、妙な盛り上がりよう。全体的にテンションが高い。さすが、東京競馬場は賑やかだなあ。騎手の人が並んでるし。そういうサービスがあるのか。


周りのお客さんを見回しても、健全な社会生活を送っていそうな人が多い。あの世紀末場末感漂う、競輪場とは雲泥の差だ…。パドックをあとにして、紙ごみ散る屋内を通り抜けてスタンドのほうへ。

おお、大迫力。それにしても、メインレースも終わっているはずなのに、人が多すぎないか?

で、暫く眺めていて、ようやく謎が解ける

ジョッキーマスターズという、引退した名騎手ばかりを集めた興行だったのですね。しかも記念すべき第1回。これは後から知ったことなのだが、馬は練習用の馬で、馬券も売らないレースだったんだそうな。道理で、会場にこれだけの人数が詰め掛けているはずだ。そして、昔から名前を聞いたことのある人ばかりだったはずだ。そうか、さっきのジョッキー勢ぞろいも

特別サービスだったのかあ。いや、何しろ競馬場に来るのも初めてだから、よくわからんけれど。なんか、年季の入った競馬ファンに殴られそうである。

誘導する馬にも騎手が乗っていたり、スターターも騎手だったり、解説は杉本清だったり、ファンファーレもG1のものだったり、全体、お祭り騒ぎの様相で、会場のテンションも尋常ではなく上がっている。盛大な歓声とともにスタートし、レース自体は、河内洋という人が勝ったようだ。

なんだか特別な場に偶然居合わせることが出来て、広々した競馬場も味わって…しかも、フジビュースタンドというのが昨日オープンしたばかりだったらしい…

満足し、府中本町駅から混雑した南武線に揺られて帰宅したのだった。

風呂怖い

前々から、浴槽からざばあっと上がった際に、心拍がやや不整になる傾向があり、すぐにその場で座り込むようにしていたのだが…。
今日、やはり同じように不整になり、やばいやばい、と浴槽の縁に腰掛けて…



なぜか知らないが浴槽の中でもがいている自分。あれ、どうしたんだろう?ああそうか、浴槽に浸かっている時に寝ちゃったのかあ、それにしてもタオルを握り締めているのは何故?と思いながら上がり、待て暫し。

そうだ、私は浴槽の縁に座っていたのだから…おそらく、そのまま意識を失い、仰向けに浴槽に嵌っていたのだ。浴槽の中でもがいていたのはその性なのだ。暫くその場でへたり込んでから風呂から出たが、思いのほか、結構な時間が経過していた。

風呂怖い。気を付けよう。