日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

自転車で、三浦半島一周


より大きな地図で 三浦半島130km を表示
三浦半島の一周は、一度はしたいと思っていた。思っていたけれど、距離は100kmは超えるだろうし、半島南部の道が激しいアップダウンばかりだとしたら、時間には余裕を見ないといけない。タイミングを図って躊躇していた時に、先達さんが現れた。
三浦半島+ラブプラス - Blue-Periodさんの日記
写真も文章もすんげー良いのだけれど、個人的に一番のお役立ち情報は、走破ルートのGPSの高度情報であり
三浦半島+ラブプラス - Road biking trip | EveryTrail
あんまり山坂無さそうじゃない、上大岡のビル以外。というわけで10月11日、天気は快晴、秋晴れ、運動会日和。気温も快適、湿度も低い。風もあまりない。朝も早く起きられたし、明日も休みだ。これ以上無いってくらいのベストコンディション。7時35分、自宅を出発する。私にはBlue-Periodさんのような詩情溢れる文章は書けないので、淡々と事実を記載していくしかない。
自転車は相変わらず、クラッシュ以来のガタが着々と進行しているし、自転車屋で小言を言われながら絞めてもらったブレーキも緩み始めているような気がする。気がするけれど足は軽いし自転車も概ね軽い。嬉しくなって目の前のロードを追いかけていたら、とりあえず16号線で横須賀を目指すつもりが、鎌倉街道弘明寺まで来てしまっていた。不覚。戻るのも億劫なので、コンビニで朝飯を摂取、上大岡の先で横浜環状2号線に入り、16号に復帰。金沢を通って横須賀市に入るところで1時間

ここまでの走行距離18km。このあたりは勝手知ったる道。横須賀に何度も向かった道。トンネルを続けてくぐる。くぐる前にヒヤッとした風が吹いてくるのが気持ちいい。横須賀の街へ。横須賀に来ると山口百恵を口ずさむ。年が知れる。馬堀海岸に出る。

ロードの人もたくさんいる。ロードに乗っている人たちを見ると、きっちりヘルメットかぶって派手なウェアを着ている、気合いの入った人ほど、交通マナーをきちんと守っているな、という印象を受ける。それにしても良い天気…そして空気が澄んでいる。ここからでも、横浜方面がよく見える


嬉しくなってによによしながら進み、ヴェルニーの水で水分補給
ヴェルニーの水【横須賀市上下水道局】
ここの水、硬水で美味しいんですよ。ちょっと珍しいよね。ほいで、建物は素敵なんだけどコレクションが面白くない横須賀美術館(しつこい)が見えて

観音崎


これより先、管理上を受けたのをします。赤は消えてしまうのに。

まだ9時を少し過ぎたくらいなのに、バーベキューをいている家族連れがたくさんいる。ここに泊まったのか、そもそもテント張って泊まれるのか、朝から来ているのか。

なんというか、カップルよりも、子供を連れた家族連れを見たときのほうが、胸が若干痛むようになった。年齢のせいだろうか。自分にはそのような家族団らん的幸せは手に入らないような気がする。


観音崎の岬を回り込む遊歩道を出て道に出る。観音崎の外側は、海の色がきれいになったような

鴨居という静かな漁港を過ぎて、浦賀湾へ。ちょうど、渡し船が出たところだった


この船、浦賀湾の対岸に渡るだけの小さな渡し船。自転車も乗せてくれる
http://www.cocoyoko.net/history/h100000006.html
船に乗らずに湾を回り込み




横須賀の火力発電所が見えて

久里浜から海岸沿いを行けば


野比海岸。ここまでで、すでに出発から3時間。ちょっとのんびりし過ぎたか。まあいいや、そのために、朝早くから出てきたのだし


海沿いの134号線をさらに進み、三浦市

釣りの小舟がたくさん出過ぎていて、あんなに密集していて、魚は釣れるのだろうか

三浦海岸からは134号線をショートカットすれば城ケ島まで早いけれど、今日は三浦半島一周が目的なので、海沿いの県道215号上宮田金田三崎港線に入る。それにしても、このあたり、本当にロードの人が多い。この人は、自分の自転車を撮るのが趣味なのだろうか

観音崎以来、ほとんど坂道らしい坂道がなかったのだけれど、この215号線には、急な登りが2箇所あった。だけど、坂の上から見る畑と海も、良い


三崎を目前にした、風車のある公園には、揃いのウェアに身を包んだロード軍団がいた。背中にSHONANの文字が見えた。ワンボックスの荷台に腰かけてなにやら談笑していた。どのへんまで周回するのだろうか。

そして、すぐに城ケ島。橋は、自転車ならお金を取られない


ちょっと気温が上がってきたけれど、それにしたって夏に比べれば快適で走りやすいし、本当に良い日だ。そしてなにより、駐車場に入るために行列してぐったりしている人たちを横目にスイスイ通り過ぎるのは、大変に気分が良い。うひひ

城ケ島の街へと下りる。10年来品ぞろえが変わっていないようなお土産屋が軒を連ねる細い路地を通りぬける

まあ高いには高いが適正価格なのかどうかイマイチ判断のつきかねる飲食店も軒を並べており、盛んに客引きをしている。どれ、ここらで飯でも…と思って財布の中身を見たら、なぜか500円しか入っていなかった。はっはっは。これはひどい。これでは観光地で飯を食うなど無理ではありませんか。だから海を眺める。私の愛車。所謂一つのエビデンス写真

城ケ島の地層は面白い。




前回来たのは…そうだ、中学生の時だ。地学の教育実習に来ていた人に連れられて遠足で来たのだった。あの人は、学問の真髄の片鱗的なものを中学生に味あわせようとして、悉く失敗していた人だった。いまは元気なのだろうか。さあ、島を出て、三崎の街にいこう


街の中心部に横浜銀行を発見し、お金をおろしてホッとしたのも束の間、ちょうどお昼時、しかも天気の良い三連休の中日の三崎の街は、どこの店もまぐろまぐろまぐろまぐろが食いたいの、という顔をした亡者がもうじゃもうじゃとおりまして、まあ私もその一人なんですけれども、とにかくありとあらゆる店の前に行列が出来、美味いから行列しているのか行列のできる店だから行列しているのかたまたま今日だけ行列しているのか、判断も判別もどうしようもない。ひとりで並ぶ気になれない。だから、空いているラーメン屋で、まぐろラーメンなるものを食べた。

カブトで出汁を取ったスープで、まぐろのつみれ団子が入っている。結構美味かった。それにしても、天気が良すぎて、若干暑くなってきた。さらにコンビニでアイスモナカを補給する。店の前で佇んでいると、マナーの悪いロードバイクの人が、車に乗っている老夫婦にガンつけていた。ああいうのは轢かれたほうがいいのではないか。いや、轢いた車の人が可哀想なので、単独事故を起こした方が、というべきか。大分疲れも取れたので、まだまだ人でごった返す三崎の漁港を出よう。この時点で13時30分、家を出てから6時間、走行距離は67km。大概、のんびりしたものである

鎌倉24km、と非常に現実味のある距離が表示されて元気が出てくる。国道134号線との交点である引橋交差点まではだらだらと上って、おそらくここが今日の最高地点

鎌倉方面に左折して、三崎口の駅前などすぎて


目の前のロードの人達が、30km/h弱で巡航してくれていたので、これ幸いとペースメーカーにしているうちにどんどん進む。さっきの引橋の交差点からだらだらと下って以来、これと行った坂道もない。渋滞する車を横目にスイスイ走るのは大変気分が良い。うひひ。秋谷という漁港を過ぎて、これは秋谷(あきや)、創価学会の前会長は秋谷(あきたに)、あの人高校の先輩なんだけど、創価学会はあの人更迭したのはやっぱり失敗だったよね、信者じゃない自分にはメシウマだけど…などと考えているうちに、おお、これは有名なプリン屋の本店



そして葉山


葉山では犬もボードに乗る

御用邸を過ぎて、森戸海岸通りに入り、神奈川県立近代美術館葉山館

の、ロケーションはすばらしいけれど味はイマイチ、そのわりに高いレストラン

は、3時前だけれどまだまだ行列が出来ていた。
車が渋滞すると自転車、どころか歩行者もすり抜けできないような細い道で若干フラストレーションを溜めて、葉山マリーナ


ポピュラーな海


この先は知っている道

材木座海岸

こんな日に鎌倉に来てはいけない。人が多くてイライラするだけだから

車でくるなんて、さらに…

鎌倉を過ぎると、家はもうすぐ。あとはひたすら、鎌倉街道を進む。道が拡張されて渋滞が解消された公田を過ぎて、日野、上大岡、弘明寺。ここまで来ると歩いても帰れるという安心感

商店街入り口脇の酒屋で日本酒を眺め、いやいや、買うのは自重…と店を出ようとすると、この店、新潟麦酒を置いていたんだね…。今後はこの店で買うことにしよう。そして自転車がファッション・ヘルスの街に差し掛かったあたりで、このサイコンをつけてからの累計距離が1000kmを越えて

夕暮れが近づいた、私の街

帰宅。疲れていたので晩飯を作る気力はなく、掃除と洗濯だけ元気のあるうちにすませて、ゆっくり風呂につかり、レトルトのカレーを食べた。


本日の走行距離、112.57km。のんびり9時間の旅。とにかく天気が最高だった。ほいで、この自転車と私の体力だと、120kmは行けるけど、150kmはちょっと厳しいかもしれない、という気がする。