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日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

ちょっとのつもりが…観音崎佐島94kmの旅


より大きな地図で 観音崎佐島94km を表示
もともと、遠出するつもりは無かったのだ。神奈川県民ホールギャラリーとBankART NYK Studio と、横浜美術館の展覧会に行こうかな、と思っていた。朝から良い天気で暖かいが午後には崩れるらしいと聞いて、ではちょっと、海でも見てこようと思い立った。そして、横須賀市美術館の白髪一雄が最終日だから行ってみようか…と思ったあたりで方向性は決まっていた。
鎌倉(せいぜい、18km)と同じようなつもりだったけれど、よくよく考えれば、観音崎までは32kmあるのだから。これは『ちょっと』じゃないのですよ。
いつも通り、国道16号線を南下、前を往くロードバイクの人を着かず離れずで追いかける(勿論、危ないので真後ろにくっついたりはしません…)。前を行く人の目指すところは概ね一緒のようで、横須賀の市街を通り抜けて、観音崎の手前のヴェルニーの水あたりまで背中が見えていた。だから、どうもちょっと、頑張り過ぎたらしい。
せいぜい32〜3km/h、出しても35km/h程度で走行しているロードバイクの後ろにいるとですね。こっちは高々30km/hくらいしか出さないので、ま、徐々に離されますよね。でも大抵、信号で追いつくのですね。50km/h制限の国道は、制限速度程度で走ると信号に引っかからずに走れるように設計されているのかもしれない。けれど、35km/h程度だとよくよく信号にかかるわけで。だから、その後ろを走っていても、大抵信号で追いつく。どこかの信号で、前を行く人は通過、自分はストップ…みたいなタイミングで離されて、あとはもう背中が見えなくなるのが、いつものパターン。この日はずっと背中が見えていたので、ちょっと頑張りすぎた、と。
水を飲んで休憩し、観音崎付近のたいしたことのない坂道を、ちょっとしんどいな、と思いながら横須賀美術館に辿り着けば、ここまで32.5km、平均速度は25.0km/h。
買い換えたサイクルコンピュータは、停車時を除いて、走っている時間だけで平均速度を測ってくれる。それにしても、ちょっとスピード出し過ぎです。かなり足にきている。この自転車にしてから、30kmを超えて走るのは今日が初めて。長距離を無理なく走れて、疲れが残らないスピード感覚を早く掴みたい。


10時にオープンする横須賀市美術館は、10時20分にはまだガラガラ。目の前の海がキラキラ輝いて、大きな船が通り抜けていく。さて、汗も引かぬうちに、この日が最終日の白髪一雄展。具体美術の重鎮、白髪一雄の絵画は、なんだか見ていると胸のつかえがスッと落ちるようで、とても晴れ晴れとした気持ちになる。その制作風景は案外アバウトで、天井からつるされたロープにつかまりながら足で…あるいは板で絵具を押し広げていくのだけれど、予期せぬ足跡がついても気にしません、ずるっとすべっても気にしません、という感じ。ただ、後年の絵画は、それまでは分類の都合上つけていたタイトルにイメージの翼を制約されたように見えて、うーん、イマイチになるなあ、と思うのだった。


常設展示については、相変わらず、特に言うべきことはない。


冬なのに、まるで冬じゃ無いような、そんな、ぽかぽかとして、のんびりとして、穏やかで、身の置き場がないほどで。師走のくそ忙しいはずの時期に、こんなにのんびりしていて良いのだろうか。独り身の気楽さよ。


美術館をあとにあとにして、海辺を走る。観音崎から浦賀へ。もちろん、はじめから、浦賀に向かうつもりがあったわけではない。観音崎から素直に転進して、私の街ヨコハマに戻れば、1時過ぎには帰れるはずだ。でも、いったん自転車で出掛けると、もう少し、もう少し走りたくなる。走っているだけで楽しい乗り物って、なんなんだろう、いったい。一生懸命自分で漕がないといけないのに。

久里浜の街に入り、腹が減ったので、炭水化物と野菜を補給しようと、リンガーハットへ。店に入った瞬間、ああ、これはちょっと失敗したかな、という予感がし、そういうのは大抵当たる。客の待たせ方とか、頼んでから運ばれてくるまでの遅さとか、チェーン店として非常に気になるのだけれど、しかし、もう、そういうことをいちいち気にして腹を立てるのは止しましょう。日本はもうそういう国なのだから。久里浜からは少し内陸に入り、地図を頼りに西へ、西へ。若干の登りのあと、道はほぼ下る一方になり、楽チンに三浦半島西岸に辿りつく。国道134号線を北上し、少し脇に入れば、佐島の漁港。三浦半島は、自転車に乗る身には心地よすぎる距離感が良い。車やバイクでは少し狭すぎるし、混みすぎるのではないか。自転車で移動していると、程よい距離感で景色がバラエティに変化していく。



日曜の午後の漁港はけだるい雰囲気が漂っている。三崎のような賑やかさは無く、かといって閑散と寂れているというわけでもなく。それなりに飲食店やお土産やもありつつ

漁港らしい漁港らしさもあり

ちょっと自転車を走らせるだけで、こんなところがあるのだなあ、と、なにやら感心する。野毛にも佐島漁港直送と書かれた居酒屋がある。相模湾の良い魚がとれるのだろう。さんまのみりん干しが1匹100円で売っており、今晩のおかずに購入した。帰宅してあぶったら、みりん干しだけれど脂がのっており、とても美味かった。
マリーナもあるけれど

ここはやっぱり漁港なのだった

海の色が、やっぱり冬ではないみたいで



そろそろ、天気は下り気味で、ちょっと寒くなってきた。帰ろう

国道134号線に戻り、北上。葉山へ。御用邸前から森戸海岸のほうを回り、そして鎌倉へ

太陽の季節 ここに始まる 石原慎太郎』 そろそろ終わってもいいのではないか。このあたりの幹線道路で、列車を組んで走っていくロードバイクと、抜くに抜けずにのろのろと追走する自動車、を見る。さらに、車道で並走している子供も見る。後者は明らかに法令違反で、前者は別に法令違反ではないのだけれど、その、どういう意識を持っておられるのだろうか。何故わざわざ、自動車に煽られる程度のスピードで走るのに、隊列を組まなければいけないのか。
鎌倉で豊島屋に立ち寄り、ハトを沢山眺めて癒された後、勝手知ったる道を走る。北鎌倉から日野、上大岡、そして関内へ。ちょっと中華街に寄り、酒屋を覗いて、さらに横浜スタジアムの前に酒屋も覗いて、『獺祭 純米大吟醸48 寒造早槽』を購入。有馬記念の終わった野毛の街に人があふれているのを横目で見ながら、帰宅した。筋肉痛がする。ちょっと頑張りすぎた。次回は、もう少し、ペースをよくよく考えて走ろう…。結局、横浜の街中の美術館はぜんぜん行かなかった。
風呂に入り、汗がしょっぱい…と思いつつ湯船に。風呂上りに晩飯を食いつつ日本酒を。私はもちろん、いろんな酒が好きなのだけれど、美味い酒を飲んだ時の幸福感については、日本酒は比類ない。つまり、とても美味かったのです、今日の獺祭は。


tm/4:25'32 av/21.3 dst/94.21


goldheadさん風に記載してみた。確かにこの自転車、明らかに、前のミヤタのSJクロスよりも良く走る。軽くて快適。ただ、中国製のフレームの耐久性については、もうすこし乗り続けてみないとわからない…とは思う。