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日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

箱根を越えて沼津まで

ゴールデンウィークであるけれど、4月は長崎に行ったり、京都で遊んできたり、お金がない。去年の直島とか、3年前の奈良〜高知とか、ああいう豪遊は無理でござる…。というわけで、なるべくお金のかからない旅に出ることにした。自転車で旅に出よう。結局、いつもの悪い癖で食費はかかるのだけれど、そこはそれ。
自転車で日帰りを考える場合、輪行出来ない私の自転車
自転車購入1ヶ月の感想 - 日毎に敵と懶惰に戦う
では、行って戻ることを考えないといけない。だから、せいぜい往復で100km〜150km。一日中乗りっ放しではなく、適度に寄り道しつつ…ということを考えると、一日の走行距離は120km程度がいいところだろう。そうすると、日帰りではこのあたりがせいぜい
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もっと遠くに行くには、泊りを考えるか、かつてのBlue-Period先生のように、いちいち自転車を置いて電車で戻ってくる…ということを考えないといけない。折角の連休なので、2泊3日くらいで出掛けてみようと思う。と、なれば、神奈川県の自転車乗りとしては、箱根の峠を越えないわけにはいかないじゃないですか…。はい、行先は決まり。箱根を越えて、伊豆半島方面に行ってみよう、ということで。
4月29日、曇り。昼ごろに少しパラつくものの、それ以降はずっと好天が続くという予報。もっと早く出掛けようと思いつつ、前日遅かったこともあって(遠足前夜ですからね!)8時過ぎに出発する。平戸桜木通りの引越坂を越えて国道1号線に出て、あとはひたすら、国道1号線を西へ西へすすんでいく。

連休初日とは言え、それほど車も混雑しておらず、快適にすすんで、茅ヶ崎のサティで休憩。ふたたび漕ぎだしたころ、ぽつり、ぽつりと降り出し、平塚あたりでかなりの降りになってきてしまった。少し屋根のあるところで休んだが、止む気配が無い。再び出たはいいが、いよいよ本降りに。ちょっと雨宿り、大磯のマクドナルドで。感情労働に徹する窓口氏からマックポークとコーヒーを手に入れて、祝日の朝のけだるい店内で一休み

晴れ間を待つうちに11時近くになる。ちょっと予定より遅いなあ。箱根に2時ごろには着きたいが、と思ったけれど、あとから考えてみると、この際、箱根ってどこを指すんですか、と仕分け人のようにこの時の自分を問い詰めたい心境です。お、雨もやんだ。さて出よう。旧吉田邸再建の寄付をお願いしますと書かれた垂れ幕の賑々しい大礒町役場のところで、太平洋岸自転車道の看板が

出てみればこんな感じ

西湘バイパスの陸側に作られた自転車道は、若干の砂があったりするものの整備が良くて走り易い。だけど、旧吉田邸のあたりで、川を前にしてすぐに途切れる。この先は大磯のプリンスホテルですね…。だからまた1号線に戻って、1号線をすすむのみ。なんというか、横浜から小田原にかけては、国道1号線でスピードは出るけれど、楽しみは行政区界とキロポストと行先表示板くらいよね…



とりあえずの今日の目標、沼津までは46kmかあ。平坦なら2時間くらいで着くところですが。あと、この箱根ってのは湯本のことか。それにしても、国道1号線沿いには神社が多い。かつては、道中の安全を祈願する人達で、どの神社も賑わったことだろうな。でまあ、あ、国府津だなあ、と思う間に酒匂川を渡り、いつのまにやら小田原市街。国道を走っていると、駅前を避けることが多いので、知らん間に市街をヌルっと通り過ぎていたりするのね…

宿場の街角にあった、休憩所。観光案内所で一休み。おばちゃんがお茶を淹れてくれた。遠足途中の小学生?も休憩中で、ちっちゃいこがエロエロエロ―とその場でおう吐していた。歩いて疲れたのだろうか。さて、ここから箱根ですか…。昼飯はどこで食べようか、箱根湯本で食べるか、登ってから食べるか。改めて振り返ると、登ってってどこのことですかと、仕分け人(ry


ゆるゆると登り基調で箱根湯本到着。観光客で混雑。一人で飯を食う雰囲気ではない。マックとか松屋とか吉野屋とかブラックゼンショーなか卯とか、ないっすかね。ないっすね。じゃあすぐに出発するっす


川は雨で少し増水している。雨上がりで木漏れ日がキラキラしている。そして道は登りはじめる。箱根湯本から、お楽しみの日本橋起点キロポストがなくなっている。かわりに、箱根湯本の手前の…なんだっけ、なんとか橋、箱根の旧道と別れるあたり。あのへんを起点にした、新しいキロポストが。これを頼りに、ギアを軽くしてクルクル…いや、クルクルはできないけどのったりくったり登り…。ああ、あんまり凄くないじゃん、大人しく漕いでいれば進みますね、宮ノ下までは頑張ろうと心に決めて、大平台も止まらず通り過ぎて、宮ノ下到着

いっぺん泊まってみたいよ箱根富士屋ホテル。ここから仙石原に向かうことも考えていたんだけれど、って目的はこれだったんですけれども
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こういうことになったので、まっすぐ元箱根を目指そう。これで半分くらいかなー、よーしパパ頑張っちゃうぞ!みたいに…

あー…

これからが本当の地獄だ…。というかね、距離表示は目の前にぶら下げたニンジンみたいに小出しにせずに、はじめからもっと先まで表示してくれんかね。宮ノ下あたりで一旦途切れた気持ちにはこの先は厳しいです…。小湧園あたりから登りはますます容赦無し。箱根駅伝を、もっとちゃんと見て予習しとくべきでしたね…。柏原はバケモンですよホント
途中から通勤用クロスバイクみたいなのに乗った人と抜きつ抜かれつになり、抜きつ抜かれつと言っても、片方が疲れて自転車を降りて押すと乗ってるほうが追い抜き、追い抜いたほうが疲れて自転車を降りると後ろから…みたいな低レベルな戦い。そして2人とも自転車を押している時間のほうがはるかに長いとゆー

もうすぐ芦之湯だ、国道1号線の最高標高地点だ!というあたりから、地形の影響か、向かい風が強くなって来て、しかも進むにつれてどんどん強くなる…。その人にも離されてしまった。視界が開けて、芦之湯に到着すると、目の前に最後のまっすぐで長い急坂が…そして風は嵐のようで、平坦な道だったとしても漕ぐのを躊躇するほどで、ちょっと油断したら飛ばされそうな、あうあうあうー

つっ、ついたー!先客がいますが。標高874m、国道1号線最高地点

ちなみに国道の最高地点は292号線の渋峠で、標高2172m。北海道の国道最高地点は273号線の三国峠で標高1139m、ここには前に行きました
ユースホステルのツアーで、タウシュベツ橋梁とサイクリングを楽しむ - 日毎に敵と懶惰に戦う
とにかく、自転車で辿り着いたぞ

結構写真に撮っている人がいたり。で、ここでもう3時だ。湯本を出た時は1時だったから、2時間も掛ってしまった。とにかく腹が減った。先を急ごう…なんだけれど、風はますます強く、体温がどんどん奪われて、寒い…。精進池のたもとにある資料館で一休み。池とか石仏の風景が荒涼としていますね

元箱根に下る途中でちょっと路側帯のようなものに乗り上げて、チェーンが外れ、手が真っ黒になったまま元箱根。関所跡とか並木道とか、あんまり眺めている余裕も無く、昼飯食べなくては…。不味くて高そうな蕎麦屋しかない…寿司やがやているラーメン屋があったのでここにしよう。入って早々、手を洗わせてくださいと言って延々洗っていたので、潔癖症か何かと思われたかもしれない。ラーメンはびっくりするほどスキー場味でございました。セットのしらす丼は、まあ、まあ
いい加減4時も回って、先を急がないと明るいうちに沼津に着かない。先を急ごう。って、箱根峠までまた登るのね…お、富士山



緑のラインは標高1000mくらいか。あそこで植生が変わっているのか?ちょっとはっきりしすぎていて怪しい…

そして箱根峠、標高846m。ここから静岡県

おお、キロポストも復活

静岡県のほうが、道が綺麗に整備されてるよね…。あとはもう、ひたすら、三島に向かって快適な下り



実に爽快。あっちゅうまに三島。いちおう、三嶋大社には、道中安全を祈願して御参り

そうそう、三嶋大社には去年の2月にも来ている。柿田川の湧水もその帰りに行った。あと、ヴァンジ彫刻庭園美術館にも、以前に行ったことがある
三島の大層なうなぎ - 日毎に敵と懶惰に戦う
ついでに柿田川湧水公園にも - 日毎に敵と懶惰に戦う
ヴァンジ彫刻庭園美術館 - 日毎に敵と懶惰に戦う
全部三島なんだけれど、それぞれ、まったく別の場所を訪れているような気になる。それはつまり、三島がいろんな顔を持っているともいえるけれど、一体的な観光イメージの醸成に失敗していると言えるかもしれず、しかし別にそんなもの、一体的に醸成する必要もないではないか、と脳内の藁人形と格闘しているうちに、だんだん夕方になってきたぞ、もう沼津泊まりとはっきり決めて、宿をとらなければいけない。
楽天トラベルで調べてみたけれど、つまらなそうなビジネスホテルが数件あるのみ。出張中なら仕方がないけれど、今回みたいな旅の場合、ビジネスホテルは味気ない。高級ホテルにするか、商人宿、駅前旅館の類にするか、いずれかとしたい。後者の宿って、なかなかネットでは見つけにくいのよね…。ちょっと調べていたらじゃらんにいかにもそれらしい宿が紹介されていて、しかし、予約は3日前で〆切りか。直接電話してみて、じゃらんで見たのですが…と言ったら、同じ料金で大丈夫ですって。ありがたい、素泊まり3500円なり。
三嶋大社からは県道を進み、ちょっとドンキホーテで買い物。売り物の自転車が強風に煽られて酷いことになっていた

しかしこの、地方都市のロードサイドのドンキホーテってのは、凄いね、いろんな意味で。ばっかみたいに広いし、客の7割がジャージをお召しです、的な。細い路地をiPhoneの地図頼りに進み、本日のお宿へ。到着したのはいいけれど、看板に明かりは入っていない。大丈夫か。そして、呼んでも誰も出てこない。わくわくしちゃうね。3分くらい叫び続けたら、めんどくせえな、って感じで親父が出てきて、ぶっきらぼうに部屋に案内してくれた。

6畳一間でバス・トイレ無し、殺風景なお部屋。これこれ、これですよ。こうでなくっちゃあ。合格です。お風呂が沸いているのでどうぞ、って言われたけれど、早々に荷物を片付けてお出かけ。まずは飯の前に汗を流そう。ちょっと調べておいた、吉田温泉と言う銭湯へ

静岡県内にはかつて300軒以上あった銭湯も、いまは19軒のみだと。県で、ですよ。何時の時点の『いま』かわかんないので、さらに減っているかも。この吉田温泉は、明治12年創業の老舗だとのこと

大人360円、40分以内に出てください、ってのが凄いね。昔は混雑していたのかな。営業時間は20時まで、入った時点で19時過ぎ、結局、出るまでお客は私一人だった。女湯も、途中で一人来ただけだった。それにしてもこの銭湯、レトロ具合が半端ない




ちょっともう、どう表現したらいいのかよくわからない味わいが横溢している

真ん中に丸い浴槽が一つのシンプルな造りで、お湯は結構熱めだった。全体的にうす暗く、そして静か。入っていると、不思議な気分になってくる。もう文化財にしちゃっていいんじゃないか、この銭湯。文化財にする前に廃業しそうだけど。
風呂から上がったら親父が掃除をはじめて、脱衣場で携帯をいじっていたら、奥さんに『もう閉めるんですけど』って、かなりぶっきらぼうに追い出された。すすす、すいませーん。混雑していなくても、40分ルールは健在らしいです(笑)。いやでも、ここはよい銭湯でした。そのまま、漁港のほうまで


魚市場にほど近い、かもめ丸という店で晩飯

かもめ丸

食べログかもめ丸

カウンターに座って

まずは生ビール。突き出しにしらすが出てきた。そして生ビールがうまい。美味いっ!って感じ。何頼もうかな、とりあえず、刺身の盛り合わせ1365円を。出てきて、おお…

9種類の立派なお刺身が山盛り。甘海老は大きくて甘くて、桜海老も生シラスも美味くて、そのほかもとても美味い…。うふふふふ。こうなるとタガが外れてまいりますよっ!さらに生ビールを御代りして、まぐろの肝とエラの串を頼もう。2杯めの生ビールも開いて、日本酒は地元のものを、沼津港って言うのかな。あ、駿河湾の地魚、深海魚のおすしもいただきましょうか。

ふふふ、おすしもうまい…。尾店は9時閉店ということで、もうラストオーダー。でも、もっと夜遅くまでやっていたら、さらに食べ過ぎてしまうので良かったかもしれない。ほろ酔い加減で、幸せな気分で宿に戻りました。あとは何も無いので寝るだけですね。おやおや、部屋に妙にレトロなものが。まだ使えるんだろうか

そんなことをぼんやり考えているうちに…疲れも出てきて…おやすみなさい…


本日の走行距離106km、平均時速15km/h

箱根を越えて沼津へ - biking trip | EveryTrail