日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

『みんぱく』を中心に、ある日の大阪日記

起床して朝の4時半。今日の夜、関西でちょっと仕事があるので、そのついでに大阪とか奈良とか行ってこようかなあ、というお話。行きは飛行機で乗り込むことにする。日ノ出町から電車に乗り、横浜始発の羽田空港行き特急電車に乗れば、空港には6時前に到着する。第1ターミナルで荷物検査を終えて、短い時間でとりあえずラウンジへ、朝ごはんをいただきます…


なんか、緑のジェット機が駐機しておるな。6時25分の伊丹行きに搭乗。羽田発の始発は6時25分で、これ以外に石垣行き、沖縄行き、関西空港行きがありますね。石垣行き乗りたいなあ。ただ、実は、この日最初の便はこの本当は時間ではなくて、0時10分発のスカイマークの沖縄行きってのがあるんだね!すごいなあ、深夜便。到着したらどうするんだろう、みんな空港で仮眠するのかな…。宿泊費も浮かせたいお金の無い人が利用するのか、目いっぱい仕事してバカンスに移動したいヤンエグ(古い!)な人が利用するのか。


飛行機はわりと空いていて、夏らしいお天気の中をフライト。綺麗な雲、時々見える地上。これは沼津の、淡島のあたりか。後ろに座っているおガキ様が大変に糞生意気で、自分も昔はああだったのかなあ、親はよくまあ、腹が立ってぶんなぐらなかったもんだなあ、と感心する。親ってのは偉いもんですね。ほぼ定刻で伊丹に到着。うーん、早すぎるね。これから行く予定のみんぱくまでの移動時間は30分、開園は10時、今の時間は7時半。早い飛行機は安いので、これにしたけれど。空港の展望ロビーからしばらく飛行機を眺めて、8時過ぎのモノレールで万博中央公園に移動する

駅から出たところの眺め、高速道路とモノレールが折り重なり、その向こうの森に見え隠れする太陽の塔。近未来と言うか、なんというか。これ、40年前にあらわれた風景なわけですからねえ…。

しんたまご、新潟米。さてさて、『みんぱく』に通じる公園のゲートが開く時間が9時30分。それまでの30分以上を少しつぶさないといけない。以前は万博の跡地には『エキスポランド』という遊園地があったんだけれど、例の事故があったり、そもそも経営も…みたいな状況で、しばらく前に閉鎖されている。そこが農業テーマ―パーク的な何かになっているんですね。で、牧場もあるんだけれど

『万博ブタ牧場』って。どんなネーミングだよ。語感は面白いけど。『色情めす市場』みたいで。みたいでも何もないけど。とりあえず頭に『おもしろ』とつければ面白いことになったり、大阪人の言語感覚はわかりません。いや、大阪の、とかそういう問題じゃないですね。大阪の人すみません。そんな看板やらガラ空きの農産物特売所やらをながめていれば9時30分になって、万博跡地の公園ゲートがオープンします。入ればすぐに、どどーん。

ででーん

ぶもーん

ばふーん

いやー、何度見ても、岡本太郎は天才だわ…。そりゃ、丹下健三が嫌がるよ、これは。ほいでまあ、菊竹清訓先生のエキスポタワーにも思いを馳せつつ、丹下健三先生のお祭り広場を抜けて

辿りつくのは、黒川紀章先生の国立民族学博物館、通称みんぱく


ほんとにまあ、スター建築家勢ぞろいですね…。本日は、初代館長でありその精神の体現者でもあった梅棹忠夫先生を偲んで、久しぶりに来てみた次第。私、本当にここの博物館が大好きでしてね…
大学共同利用機関法人 人間文化研究機構|国立民族学博物館



ほとんど偏執狂的に世界中から集められた文物が並べられた博物館を伴った研究施設。地域別に分けれらたその資料をわくわくと眺めているだけで、時の経つのを忘れるようですよ



そして、最近リニューアルされた『音楽』のコーナー、ここにやられてしまった



世界中から、これまた凄い執念で集められた楽器たちが、機能別に分類されて陳列される。もちろん陳列されているだけでなく、ところどころにおかれたモニターからその演奏の様子が流れ、節の取り方について実演付きの解説映像が流れる。無数に設置されたタッチパネル式の画面で、沢山の演奏の様子を聞くことができる。アフリカやら東南アジアやらの打楽器、八重山の盆踊り、宗教儀式やハレの儀式、あるいは軍楽でのチャルメラポルトガルの地方ごとのギターの違い、そして河内音頭、流行歌とギター…


あのね、ほんとすごいよこれ。このコーナーを見るだけのために、東京からいますぐ飛んでいく価値があるよこれは。小沢昭一の放浪芸の蒐集的なことを、かなりなりふり構わず大規模にやっている感じだ。いやもちろん、拾いきれるもんじゃないだろうし、どこかに集中して力をかけているのかもしれないけれど、これだけの基盤を作ったらどうとでもなるでしょう、と。凄いなあ。感服しました。あ、そのあとの『言語』のコーナー、これも凄いね

世界中から集められた星の王子様の絵本があったり、世界の言語を語順ごとに分類したものを見られたり、そして昔からある面白いコンテンツが、日本中の方言で語られる桃太郎。沖縄本島はまだわかる。しかし、奄美と八重山は本気でまったくわからん…。
そんなみんぱくのお楽しみの一つが『ビデオテーク』で、世界中で撮影した民族資料映像が見られる。世界各地の酒の作り方とか、大変面白いです。で、ここも進化していた。2006年に集中して音楽系の資料が撮影されているんですね。音楽展示のリニューアルに合わせて、なんでしょう。それらが面白くてねえ…。インドにおける最近の結婚式の儀式と、そこでの音楽の使われ方とか、めちゃくちゃ面白かった。
このビデオテークのコーナーじゃないんですが、東南アジアの仏教系の資料を集めたコーナーで流れていた、タイの寺院でのお教というか、声明というか。あのリズム、日本の節談説教のそれとそっくりなんだよね。民衆に語りかける、布教活動であるんだけれど、演芸にも通じつるような説法ですね。うーん、おもしろいなー。この翌日に行った天理教の本部で、信者の人が歌っていた『みかぐらうた』も、この流れで大変興味を惹かれました(おみやげに、テープを購入してしまいました)
いやまったくすばらしい、多いに堪能して、2時間半以上滞在したのかなあ、そろそろ移動しよう。万博公園の中を抜ける。イサム・ノグチによる池の水が干上がっていて、ますます近未来的な風景に…

なんかスケール感の無い写真で恐縮だけど、とってもでかいのよ、これ…。はい次は、万博の時の鉄鋼館を利用した『EXPO'70 パビリオン』
http://park.expo70.or.jp/facil/facil_11.html

当時の資料がいろいろ並んでいて、大変興味深かったですねえ



ガスパビリオンかわいいよ…

『レーニンの国へ ようこそ!』

ここもすっかり堪能して、万博記念公園の駅に戻り、御堂筋線に乗り継いでなんばに着いたころには、もう2時。お昼は『大一楼』で

大一楼

食べログ大一楼

繁華街のど真ん中にあるんだけれど、2階にあって、静かな雰囲気のお店。凄く品が良くて味が良いです。大阪の品の良さ、上品さのポテンシャルってのは、なんか、こういうところに随所に感じられたりします。ほいで、いちおうコナモンも。タコ焼きというと、この店
たこ焼道楽 わなか 千日前 本店

食べログたこ焼道楽 わなか 千日前 本店

なんか、えらいことぶいぶい言わせてるんですね、この店。支店をいっぱい作っていて、東京にも支店があるとは。この店は、大学に入りたての頃、なんば花月のついでに連れてこられて、ああ美味いなあ、と思った店。爾来12年ほど、タコ焼きというとここですねえ。昔から有名店ではあったろうけれど、そんなにぶいぶい言わせてなかったよねえ?
さて腹もくちくなりました。なんばあたりの繁華街もちょっとぶらぶらしつつ、歩きます。毎度凄いと思うけれど、スーパー玉出はすごいね…

南堀江にあるD&Department
D&DEPARTMENT OSAKA - 店舗情報 - D&DEPARTMENT

東京の店舗と違う品揃えなのかなあ、と思ったら、リサイクル品含めて、特に違いはなくて残念。ですが、カフェはいい感じの雰囲気だったので、ちょっと一休み

さらに歩いて…町のまんなかにぽっかり現れる汐崎橋の駅は魅力的ですよね

風景の中にずぼんとあれわれる大阪ドームも…


大正駅へ。沖縄タウンはどのへんなんでしょうか。環状線に乗って寺田町。すっかり汗をかいてしまったので、銭湯に行くことにします。銭湯は、このサイトで調べたよ
関西の激渋銭湯
寺田町の駅を降りて、ちょっと歩いたところで商店街に入る

細い商店街をずんずん…みんなシャッターが閉まっているけれど、みんな閉店しちゃったわけではなく、火曜日定休の店が多いのね…ずんずん…歩くと、右手の路地の奥に見える銭湯、おー、素敵な構え

なぜか、シャチホコ自由の女神が…うーん…

中も大層ごりっぱ

この『源ヶ橋温泉』、関西のほうだと、温泉じゃなくても『温泉』ということが多いようですね、この銭湯の建物は登録有形文化財だそうです。wikipediaにも項目がありますな
源ヶ橋温泉 - Wikipedia
すっかり汗を流し、水風呂にも入って、生き返る―。銭湯ってステキ。銭湯大好き。着替えてあがり、さて晩飯だ。何にしようか迷ったけれど、たまたま、寺田町の駅前にあったうなぎ屋が美味そうだったから入ってみた
舟屋

食べログ舟屋

うーん、美味しかったけど、値段も含めて、あんまり『大阪のうなぎ』って感じじゃなかったな…。ほいでそのあとは、鶴橋に移動。今夜は夜のお仕事なので、ネットカフェに行き、しばらく仮眠することにしましょう。充実した一日だった…