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日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

またまた、自転車で巡る京都

ふと目が覚めると、外が明るくなりはじめており、バスの外の風景が妙に広々としている。どこだろう?とiPhoneGPSに尋ねてみれば、伊勢湾岸自動車道。そうか、ここを通るのか。埋立地に長大な橋をかけて建設された高速道路から、倉庫、工場、埋立地の空き地、そして海が見えている。そんな夜明けの風景を、ぼんやりと眺めていた。こんなところに超巨大なドボク構築物を作って、伊勢湾台風とか、東南海地震とか、大丈夫なのだろうか…
また席に戻ってしばらく寝ていると、車は京都駅に到着する。青春エコドリーム5000円。出張となんの関わりも無く、関西に来るのはずいぶん久しぶりのこと。大阪行きのバスからはかなりの人数が降りて、さて、朝の京都だまだ6時半だどうしよう。すぐに気の利いた朝ならではの観光地に行けるほど精通しているわけでもないので、まずは身支度。京都駅のトイレであいすまんことですと恐縮しながらひげ剃りなど済ませて、7時開店の、駅前、ヨドバシカメラ目の前のマクドナルドに滑り込むけれど、ああ、iPhoneを充電しようと思っていたのに、電源が無い…あるという情報があったのになあ。
ややけだるい気持ちで朝飯を済ませ、9時の自転車レンタル開始まではかなり時間があるので、まずは東本願寺へ。大きな普請の最中のお堂で、末席に手御法話をしばらく。出て、七条通りを西へ、大宮通りを南に下る。途中、JRの高架下付近で、素敵な感じの高架下建築が

箱がすっぽり収まっている感じが楽しい。さらに南に下れば東寺。実はいま、東寺の仏様は、こちらにかなり出張しているんですけれども
『空海と密教美術展』や『大鹿村騒動記』などの土曜日 - 日毎に敵と懶惰に戦う
実はわたくし、東寺は来たことがなく、この機会に居残り組にご挨拶をしようかな、と来てみたわけでして。しかして、金堂などの拝観は8時半から。それまでの時間、IKEAの出開帳を眺めて、どうにもコンテナにインテリアのコンセプトを納めるとIKEAは安っぽくていけない、特にメディアクリエイターの部屋ってなんだよ、ハイパーかよ、みたいなちょっと失笑物なアレだったりしましてからに。
大師堂におまいりすれば、暑くなり始めた日差しを避けて吹きわたる風は涼やかで、老いも若きも、何事か熱心に祈る姿を横目に見て、それにしても安置されている弘法大師念持仏『不動明王像』は国宝なんですけれども、以前に修復をした住職はすぐに入滅してしまったそうで、それ以来秘仏らしいんですけれどね。国宝に指定した役人とかのその後の命運やいかに。
時間になったので、講堂と金堂を拝観

講堂の立体曼茶羅は21軀のうち、国宝が15、重文が5、いずれでもなきものが1。仏様としての格と美術品としての重要度は反比例する感じで。空海密教美術展に出ているものは、このうち国宝8。なるほど、造形として優れたところから8軀出張っておるのだなあ、というのがよくわかりましたが、それにしても素晴らしき仏像の数々に酔いしれて、特に軍茶利明王像などは素晴らしかった。金堂も有難く拝みまして、9時前
歩いて京都駅方面、堀川通りでJRをくぐり、先日と同じところで自転車を借りる
レンタサイクル京都最大台数!京都駅徒歩2分|KCTP|レンタサイクル&サイクリングツアー 京都サイクリングツアープロジェクト
駅から近くて自転車の数が多くて、便利であります。前回、こちらで自転車を借りて廻った時の記録
自転車で行く京都(今日はお寺は無しよ!) - 日毎に敵と懶惰に戦う
iPhoneはいよいよ電源がジリ貧で、携帯用の充電器もさっぱり認識してくれないので、ヨドバシカメラのコイン式充電器にゆだねて、自転車を走らせてまずは京都国立博物館に向かう

http://www.kyohaku.go.jp/jp/tokubetsu/110716/index.html
夏休みで子供を意識した展示だけれど、並ぶ数々の作品は実に素晴らしい品ばかり。動物の種類別に書画骨董が陳列されて、解説の文章もノリノリ。ユーモラスな動物たちに酔いしれる。光琳の虎、若冲のひよこ、雪村の猿、北斎の狐狸、宗達の牛、呉春の狐、あるいは芦雪に応挙に鉄斎に、もうほんと素晴らしいなあ。で、じつは一番良いと思ったのが、誓願寺の春日鹿曼茶羅。バランスの素晴らしく良い掛け軸で、ああ、これは家に欲しい!と真剣に思った。カタログが破格の800円で、これもお買い得でありました。
ほくほくして一旦ヨドバシカメラに戻って充電したiPhoneを取り出し、また自転車を走らせて、烏丸通りから五条を過ぎて路地に迷いこみ、うねうねと祇園方面へ。人の出が多い中、やってまいりましたのは、花見小路にある『橙』

割烹 橙

食べログ割烹 橙

花見小路にありながら、昼は一見でまったく問題なく、一人で予約なしでもカウンターで美味しいものがいただけるお店。以前にも伺ったことがありましてな
京都へと - 日毎に敵と懶惰に戦う
今回は一人で入ってみれば、先客は無し。大変雰囲気が良いのだが、テレビをどんと置いてあったりして、あまり気取らない風なのも良い。カウンターに座り、今年で75になる大将、山村文男さんが調理場に立ち、お客はカウンターのわたし一人。先付けからはじまって、早松茸と鱧の土瓶蒸しやら、ニシンやら柳ガレイやら、最後に出汁巻きと松茸ご飯

大将やお姉さんとぽつぽつとヨシナシゴトを話しながら1時間ほど、お腹いっぱいになって3000円。大変、豊かで贅沢な時間が過ごせました。ああ、素敵だった…また来よう。八坂神社の前に出て東大路通りを北上、一澤信三郎帆布に寄り、ちょとお土産を購入。望みのものがすぐに見つかって良かった。仁王門通りに右折し、京都市美術館にまいります

http://vermeer-message.com/
フェルメールからのラブレター展』は、修復を終えたばかりで世界初公開となる『手紙を読む青衣の女』そして『手紙を書く女』『手紙を書く女と召使い』の3点のフェルメール作品を含む、40点ほどのオランダ絵画で構成された展覧会。ほぼすべて室内画からなる構成で、室内画におけるモチーフの寓意や道徳的含意が、多くの名品によって語られて、とても興味深い。確かに全体の点数はそれほど多くないのだが、テーマを絞って深掘りした点が良かったな、と。そして休憩コーナーを挟んで、フェルメール3点。修復された『手紙を読む青衣の女』は、びっくりするぐらい、明るい色調になっていて、え?こんなに大胆に“修復”しちゃっていいの?と思うほど。いや、うん、結構なものを、眼福でございました。そして最後に、売店の充実ぶりにもびっくり。商魂たくましい…。あと、会場の係りのおねえさんにドジっ子風味の眼鏡っ子が多く、これは採用した人の趣味かもしれません…
さて、美術館を出て。琵琶湖疎水を横目に、これまた、ちゃんと行ったことの無かった南禅寺へ。


なんでこれまで、これを見に来なかったんだろうねえ。ああ、素敵…

案内のテープ流しちゃう残念感はありますが、小堀遠州の庭はもちろんすばらしいのですよ


寺を出て、京都では好きなお宿、ウェスティン都ホテルを横目にながめながら西へ。だんだん、暑くなってきた…。セブンイレブン京都平安神宮前店でガツンとみかんを買ってブレイク。店名を正確に書いたのはレシートがいま出てきたから、たまたま、であって、他意はありません…。さて15時45分、どうしようかな、と思ったあたりで今夜の予定が明確になり、それならもう少し足を伸ばそうか、と。いや、自転車を借りたのに、あんまり距離を走ってないのが我慢ならなくてですね。
仁王門通りから御池通りに入り、景色を眺めながら西へ西へ。二条の駅を通りこして、嵐電の線路が見えてくる。つかずはなれずで進んで帷子ノ辻三条通りを西にさらに進めば、16時半には渡月橋に辿りついたのでした

嵯峨野をゆっくりと徘徊し、仏野まで足を伸ばし

また戻ってくれば、山陰本線を特急『はしだて』がゆく

渡月橋を渡り、桂川沿いの自転車道を走ることしばし。やはりここまで来たからには御参りしないわけにはいきません、酒飲みとしては。はい、松尾様



あと、お酒の神様と言えば大神神社もそうですかな。去年行ったね
天理、山の辺の道、そして奈良へ - 日毎に敵と懶惰に戦う
これからも美味しいお酒が呑めますように、むにゃむにゃむにゃ…と念入りに御参りして、さらに南下するとこちらも式内社神大の月読神社

大変歴史は古いんですが、壱岐にある月読神社が遷座したものだそうですなあ
壱岐にて - 日毎に敵と懶惰に戦う
さあ、そろそろ、京都駅に戻ろう。桂川を西大橋まで下り、五条通りを東へ。西本願寺脇を通り、またまたヨドバシカメラiPhoneを充電させに預けてから、自転車を返却する。日曜日はぷらっとこだまで帰ろうかな、とJR東海ツアーズに行ったものの、日曜日はほぼ売り切れ。うーん、いいや、普通ののぞみで帰ろう。
で、充電したiPhoneを取り出さねばな、そして祇園まではどうやって行こうかな、と思いつつ、バスの案内看板を見ていてですね…。いや、案内係の人、あなたは全然悪くないのです。その場で『どこに行きますか?』とにっこり聞かれて、ああ、四条河原町あたりまで…と答えて、それなら今来たあのバスです、おおありがとうございます、乗ってバスが走り出して、ああっ!iPhone!一つのことしか考えられないんでしょうか、私は…。
最初のバス停高倉塩小路でバスを降り、ああ、このへんは安宿が沢山あるんだなあ、とちょっと発見もあったりしつつ、ヨドバシカメラiPhone取り出し、ついでにユニクロでズボンを購入。そのまま、ええい面倒だ、タクシーで祇園方面に向かったのは結果的に正解であった、お店いっぱいで入れなくなる危険性があったのだからふふふふ、しばらくぶりでありました。ビール飲んでるうちにもうお一人合流し、美味しいものを食べながら、10時過ぎまで盛り上がったのでありました。実に楽しかった!店を出て、お別れして、さて、私は銭湯の『錦湯』に向かうんだけれど、銭湯どこー

どうも、ここで不思議なことが起きたらしく。寺町通りから錦小路に確かに入り、順調に西に向かっていたはずなんだけれど、いくら歩いても辿りつかない。そして気が付いてみたら、何故か、河原町三条あたりにいたんだ。何故だ。途中で進行方向を変えたつもりはないのに。目隠しをして、その場でぐるぐる、スイカ割りのように廻されたとしか思えない…
まあとにかく、なんとかかんとか道を戻り、銭湯にたどり着いた時には、明らかに四条河原町の駅で別れてから1時間以上が経過していたのでした…ほんとにいったい、どういうことなの…

レトロな銭湯にざんぶとつかり、一日の汗を流せば実に気持ち良い。そしてまた、歩いて本日のお宿へ
9h ninehours 公式サイト

まっ白いカプセルホテルとしてオープン当初結構話題になった『nine hours』、通常は9時間以上の滞在4900円なんだけれど、楽天トラベルで9のつく日セール!で1800円だったのですね。で、この機会に泊まってみようかと。入口入ると受付があり、このフロアは、主に男性用の談話スペースになっている。奥にエレベーター

2つあるエレベーターは男性用と女性用に分かれており、そしてフロアも、完全に男性と女性で別れているのですね。2階が女性用ラウンジ、3階が女性用ロッカー・洗面所・シャワー、4〜5階が女性用カプセル、6〜8階が男性用カプセル、9階が男性用ロッカー・洗面所・シャワー。カプセルの数に比して、女性用の共用スペースが広めに取られているのかな?
とりあえずエレベーターで9階に上がり、受付で渡されたカプセルごとの鍵はロッカー用の鍵

中に寝まきとタオル・バスタオル、アメニティが入っている。歯ブラシがあるけど、ひげ剃りは無し

洗面所があり

荷物を整理したりするスペースが少しあって、その奥にシャワー室

シャワー室は6つあり、鍵がかかる扉の中が、着替え用のスペースと、シャワーブースに分かれている

さらに奥に進むと、浴槽につながっているのだ

実に機能的に作られているもんだなあ、と感心した。そしてカプセル

床に執拗に書かれたカプセル番号、なんというか、根室記念館的な…そしてお部屋

このカプセルの寝心地が実に素晴らしく、疲れもあったでしょうが、ぐっすりと安眠することができたのでした。楽天トラベルで通常でも2800円なので、これはオススメしたいですね。そういうわけで、いろいろあった1日、おやすみなさい…明日は大阪だ…