日毎に敵と懶惰に戦う

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森美術館『メタボ展』と柳宗悦と…

朝からチェリビダッケチャイコフスキー交響曲五番を聞きながら、掃除洗濯など家事を済ませる。10時過ぎに出掛けて近所の床屋で散髪、ここは競馬の話題が溢れている。京浜東北線で浜松町、乗り換えて六本木、森美術館の展覧会へ
メタボリズムの未来都市展:戦後日本・今甦る復興の夢とビジョン | 森美術館
とにかく頭から資料の充実しまくっている展覧会で、ゆっくり見ているといくらでも時間が過ぎてゆく。壮大な計画の数々を見ながら、日本にも明日に希望を持てた元気な時代があったのだなあ、というちょっと哀しい感想が浮かんできてしまうのだけれども、今は思いつかないでしょうね、という計画の数々。それにしても、実現化させるつもりは大まじめであったであろう丹下健三菊竹清訓黒川紀章のプランを見るにつけ、はじめっから実現化させるつもりなど無かったのではないか、という磯崎新が、今になっても一番元気なのはどういうことなのだろう。
メタボリズムを振り返り、いったいこれらは今現在にどういう影響を及ぼしてきたのか、これからこのコンセプトの活かしようがあるのか、建築や都市計画に少しでも関わっている人、あるいは興味のある人は絶対に見逃してはいけない展覧会だと思うけれど、1960年代の盛り上がりの集大成にして、ある意味火消しと言うかお茶濁しであるかもしれない大阪万博の仮構物を詳細に紹介するコーナーが終盤に来て。うん、展示の一番最初が、幻の紀元2600年万博からはじまることも象徴的だ。そしてアートへ、的なコーナー、なんだか尻すぼみ感がある。少し寂しさを漂わせる展覧会のようでもありました。
外に出れば、中銀カプセルタワーのあのカプセルが


シンポジウム、イベントの類がバカみたいに充実しているので、早めに申し込むがよいでしょう
パブリックプログラム申込み | メタボリズムの未来都市展:戦後日本・今甦る復興の夢とビジョン | 森美術館
六本木から地下鉄で銀座乗り換え、神田へ。東京カオマンガイ大盛りで幸せ気分の昼飯を済ませて、また銀座へ。松屋のこの展覧会
【終了】没後50年・日本民藝館開館75周年 -暮らしへの眼差し- 柳 宗悦展 - 展覧会&ギャラリー | 松屋銀座
要するに日本民藝館の出張展示ではあるのだけれど、あそこでは普段、こうやって体系的には見せてくれないですからね。日常の美しさに目を向け続けた柳宗悦と同じ目になって、美しきものを愛でる素敵な展覧会でありました。そしてなにより、会場出たところにあるコーナーが困る
http://www.matsuya.com/m_ginza/event/details/20110915_teshigoto.html
この展覧会とこの企画を組み合わせるのは販促、じゃない、反則ですよ…いろいろ買いたくなってしまったじゃありませんか。リニューアルしたデザインショップも眺めて、松屋をあとに。タリーズでしばらくお茶して、買い物して、地元に戻ったのでありました。
また出て、黄金町方面へ。大岡川のさくら桟橋にて、濱マイクの第一作、『我が人生最悪の時』の屋外上映会
Cinema de Nomad「拡張する映画館」『わが人生最悪の時』野外上映会 | SPECTACLE ON THE BAY
桟橋の対岸にスクリーンが設置され、白黒のぎらぎらざらざらした映画が映し出される。あの近所の風景が沢山出てきて、京急の電車が高架の上を通り過ぎる音が映画にシンクロする。映画としてみるなら、もうすこしはっきり観たなったなあ、とも思うけれど、あの街の雰囲気込みで、なかなかに稀有な体験でありました。
上映後はまた酒房ぴーに行き、アド街の『みなとみらい』の回を肴に、いろいろ話込んだのでありました