日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

はじめての熊本

明日の月曜日、朝の8時に福岡で仕事なので、これは前日から移動しなくちゃいけないね、仕方ないねー、と朝の5時に家を出る。羽田からは、6時40分のスターフライヤー、大変空いておりまして、そして富士山も素晴らしい!


ちなみに、那覇に行く時は右側の座席から富士山が見えますが、福岡に行く時は左側の座席から富士山が見えますです。秘密結社鷹の爪団を見ているうちに福岡空港に定時より5分ほど遅れて到着しまして、8時50分の『ひのくに号』に間に合ったら俺熊本に行くんだ…と思っていたのが間に合ってしまいましたので!熊本に足を伸ばします。車内に置いてあった観光ガイドを穴があくほど眺めて、やはり熊本城はじっくり見るべきか…食べ物の名物、太平燕というものがあるのか…などと思案しているうちに、はい、はじめての熊本

熊本県には、以前、黒川温泉に一泊したことがあったんだけれど、熊本市にははじめて。これで、行ったことが無い県は宮崎と徳島で変わらず。行ったことが無い(通過はしたけど、駅から出て歩いたことが無い)県庁所在地の残りが、山口、鳥取、大津、福島、前橋となった。大津、福島、前橋は随分通過はしてるんだけどね。
とりあえず熊本市現代美術館に行こうと思っていたのだけれど、あんまりお腹が減ったので、あまり下調べもしていなかったけれど、大きなアーケード街、上通りに入って、太平燕の看板に誘われて上通りの『紅蘭亭』に入ってみれば。
熊本の中華料理店・紅蘭亭 - 上通パビリオン
店員のおねえさんが美人で、チャイナドレスのスリットがとても深めである!

食べ物のほうも、野菜と魚介たっぷりの太平燕(春雨スープ)、カリッとした酢豚、スープがじゅわっと出てくる小籠包美味しいし、揚げ雲呑が入ったサラダや小エビが入ったメンマなどいちいち抜かりが無く、良かったです、おねーさんのチャイナドレスも大変素晴らしいです!熊本、とっても良い街だわあ
さて、熊本市現代美術館へ。ビルの中に入っているのですね

熊本市現代美術館|CAMK
現代美術好きとしてはここは行っておかなければ…な場所だったのでありまして。企画展の葉詳明展は。通俗的なのは通俗的でまあいいんですが、なんかスピリチュアルというか、みつを、みたいなのがうーん、でしたけれども、色の柔らかさと美しさには、ハッとするようなものがありましたです。そしてなんといってもここのメインはそれ以外の、部分でありまして。
熊本市現代美術館|総合案内|フロアガイド|アートワーク
素敵な図書室で、ジェームズ・タレルな天井を眺めながら、マリーナ・アブラモヴィッチな寝台や隙間でゆっくりと本を読む。ああ、これはとても良い。しかもこの空間は入場料がいらないとは、素晴らしい。19:30〜の15分間、天井の色がゆっくり変わるそうで、その時にまた来てみたい。あと、トイレのこの張り紙が謎

足を伸ばして熊本城へ。この熊本城、何が凄いって、やっぱり石垣が凄い。加藤清正蔚山城、楠正成千早城。加藤清正と細川忠利によって築かれた、その急角度と武者返しの、天を突くような石垣を見て廻るのが一番迫力があるのでありますよ


下の写真は、それぞれ、手前が加藤清正、奥が細川忠利による『二様の石垣』近江から石工を連れて来て、石を加工して自在に石垣を組んだそうで
二様の石垣 - 【熊本城公式ホームページ】

うーん、凄い

で、日曜日なのになんだか空いているなー、と思いながら歩いていたんだけれど、この石垣を抜けて本丸のあたりに到達すると沢山の観光客。私は繁華街の方から、須戸口門を入って、石垣や重要文化財の櫓群を堪能しながら本丸に至ったんですが、どうも一般的な観光ルートでは、二の丸のほうでバスや車を降りて、頬当御門から入り、まっすぐに天守閣や本丸御殿を目指してしまうらしい。
城内ガイド - 【熊本城公式ホームページ】
勿体ない!

本丸天守閣なんて、所詮はあれですよ、外観復元天守ですよ。最近修復された本丸御殿も、そりゃ確かに、昭君之間などはよく再現したなあ、と思うけれど


それはそれで良いのだけれど、やはり、石垣をじっくり眺めてこその熊本城だと思いますなあ…って、はじめて来たのに偉そうですけど。西南戦争やその後でも残った櫓はいくつかあって、特にこの宇土櫓は中も入れるし、なかなかの見ものでありました


あとはもう、ひたすら、石垣すっげー、などと言いながら。とにかく二の丸のほうまで含めると広い広い。あっちこっちで櫓の復元なども行われており、じっくり見るとえらいこと時間がかかるのでありました





そうそう、永青文庫のコレクションがあるよ、というので熊本県立美術館にも行きましたが、刀とか甲冑は良かったかなあ、コレクションのいいところはみんな東京なんだろうな…などと思った次第でした。あと、美術館内の喫茶店、近所のホテルがやってるらしく、美術館内の喫茶店にしては高いというかコストパフォーマンスが悪い感じが
熊本城を出て、繁華街をぷらぷら。下通りのアーケードの、まあ広くて立派なっこと

熊本は政令指定都市にもなって大都会である。まあそもそも、戦前は九州の中心は熊本だったわけでありまして、それは薩摩への抑えって意味も含めてなんですが、かつては国の出先機関なんてみんな熊本にあったし、今でも日本郵政九州支店とか自衛隊なんかは熊本にあるんですね
福岡VS熊本 雄都対決
市内を走る市電たち




函館、岡山、広島、鹿児島…やっぱり、市電の走る街はいいですなあ…。そして今、熊本と言えばこれ。どこに行ってもくまモンが溢れておる…

この店は手作りのろうそくのみせなんだけれど、なんかくまモンのぬいぐるみも売っていて、かわいかった
キャンドルハウス | キャンドルハウス ― キャンドル商品の紹介やお店からのお知らせなど
http://candle-h.com/blog/item/%e3%81%8f%e3%81%be%e3%83%a2%e3%83%b3%e3%81%ac%e3%81%84%e3%81%90%e3%82%8b%e3%81%bf/
とにかく、お土産の店とか行くと、くまモンだらけでありましてね…
ゆるキャラに支配される熊本と脳 - デイリーポータルZ:@nifty
古くから栄えた市街地のあたりには見事な原爆タイプも多かったな

熊本は商業中心地と行政中心地などが城の東側にどーん、とあり、文化施設も城の周辺に点在していて、日本最大級と言われるバスターミナルもこちらの市街地。そこから熊本駅までは2kmほどある。その間で一旦、市街地は途切れていて、間は市電などで行き来するわけでありまして。新幹線が全通したわけですが、駅前は、再開発中、という風情でのっぺりしているわけでして

しかしそこから橋を一つわたり

二本木という地区に行くと。いや、自分はラーメン屋を勧められてそちらに行ったんですが、一歩足を踏み入れると、ああ、これは、と前知識無しでもよくわかる。橋を渡った先の立地がまずそうであるし、歩き回ってみれば、美容院、三味線、居酒屋、スナック、飯屋、沢山の旅館とホテル、タクシー会社、病院、不自然な空き地、変わった様式の建物、ドヤ風味のアパート、クリーニング、ぼんやり歩く老人、唐突に現れる大きな建物(テレビ局にパチンコ)、金光教、そしてソープランド

かつて花街だったころの名残、花街が無くなってしまったことによって現れるもの、その痕跡が実に色濃く、さぞ、賑わった花街だったんだろうなあ、ということをうかがい知るのでありました。二本木は、九州一栄えた花街であるらしいのです。
花街ノスタルジア 熊本県・熊本・人吉・八代
あ、黒亭のらーめん、美味しゅうございました

さて、熊本も堪能したので、そろそろ福岡に戻ろう。新幹線に乗ろうと思ったけれど、4480円もかかるのか…と止めておいて、JRで大牟田まで出て、西鉄で天神に出ることに。2時間弱かかるけれど、こちらは1910円。熊本駅でSLを見送ってから

鹿児島本線大牟田へ。森の中を多く走る、なかなか長閑なコース。小一時間で大牟田に到着し、ここで西鉄特急に乗り換え。わりにただぴっろくて手持無沙汰な感じもする駅で、こういうところ、好きですね


特急の前面かぶりつき!の座席を確保しましたが

すぐに日暮れの時間となり、ブラインドを下ろされてしまいました。ははは。天神までは、夕暮れまでの旅。

柳川あたりは麦畑が拡がり、そろそろ収穫の時期。縦横に水路が走り、有明海に注ぐ。ああ、柳川もまた来てみたい。以前に一度だけ来た時は疲れていて宿に直行し、翌日もすぐ駅に向かったので、市内観光らしいことを何もしていないのです。いやしたのはなにだけ、というか
柳川御花 - 日毎に敵と懶惰に戦う
九州の遅い日も、ようよう暮れる

20時前に天神に到着、まずはさっぱり汗を流そうと、春吉にある銭湯、都湯へ

こじんまりした銭湯ですがとにかく、広い風呂で汗を流してさっぱり。で、あがろうとすると入ってきたおじさん。マドロス帽にセーラー服(正しい意味で)。尻がはみ出るほどのショートパンツ。ああ、これは、由緒正しいゲイファッション。そうか、春吉は二丁目、野毛的なところと聞いていたけれど、確かにそうなのだなあ。今日はお店が休みだから散髪したついでに来たよ、などと、番台と会話を交わしていたのでした。
で、ま、風呂上り。いくつか目当ての店はあったのだけれど、日曜日でみんな休み。ぶらぶら歩いているうちに宿まで到着してしまい、こちらが本日の宿、登録有形文化財にもなっている、祇園の鹿島本館



古いし、古いからという重厚感なども特にないお宿であるけれど、掃除は行き届いているし、なかなか居心地の良いお宿。3000円で泊まれて有難いことであります。外国人の観光客がとても多いようだ。晩飯は近所の壹壹という店で、人の恋路を遠巻きに眺めながら、美味しい串焼きなどをいただいたのでありました。
在華坊(@zaikabou)/2012年05月27日 - Twilog