以前、日展を見た感想文を書いたことがありましたが
第45回『日展』感想文 - 日毎に敵と懶惰に戦う
その後も時々、公募展を見に行くようにはしていまして、今回は『国展』を見に行くことにした。ちなみに、チケットは1000円ですが、チケットショップに行くと大抵100円以下で買えます。
公募展と言えばやっぱり国展! 日本最大級公募展 絵画 版画 彫刻 工芸 写真
国展は、文展(後の帝展、そして日展)から自由な創作の場を求めて、京都の小野竹喬、土田麦僊、村上華岳、野長瀬晩花、榊原紫峰、入江波光らが起こした『国画創作協会』に端を発する。その後、いろいろ曲折ありつつも、戦前には現在の、絵画・版画・彫刻・工芸・写真の5分野からなる公募展として成立。海外の優れた作品を特別陳列して紹介する…という機能も果たしつつ、今回で88回目を迎える、大規模な公募展なわけであります。
日展が新国立美術館の8スペース中、7スペースを使用していたのに対して、国展も6スペースとかなり拮抗した規模になっている。で、さて。まずは絵画部門から見始めたわけですが
あ、なんか、普通に面白いよ、国展…。技術的には日展のほうが上なのかもしれないけど、なんでこの人はわざわざこの題材でこんな絵を描き続けているのか、どんなモチベーションなのか…というような疑問は少なくともわいてこない。今回の東日本大震災や原発事故を題材にした作品もかなりあるし、絵画部門でもちょっと変わったのもあるし
歴史ある公募展にしてはわりと自由な感じなのかな、と。特に、国展への出品経験問わず、という、若手作家による選抜企画展示がかなり良いスペースになっており、コマーシャルギャラリーで開催されているグループ展、と言われても違和感ない感じ。
そして彫刻。1スペースが彫刻で埋め尽くされているのは日展と同じなんだけど
裸婦があまりいない!…いや、変な驚き方だけど、日展の彫刻部門は、とにかく裸婦が延々と続く謎空間だったので、普通のことがものっそい新鮮に思える…。そして素材もさまざまで、かなり面白かった
写真のスペースは撮影ご遠慮ください…だったので写真はありませんが、ここは、わりと穏当…というか、これと言って特長なし、というか。風景を幾何学的に切り取ったり、ある一定の傾向性が見られるかなー、みたいには思った。
版画については
題材や表現する対象、というよりも、表現方法や版画技法などに注力した作品が多いかなーと。作品を解説している作家の方の話を漏れ聞いていると、遊び心、という言葉が別々の2人の人から聞こえてきて、なにかそこらへんいポイントがあるのかもしれない。
工芸、これはこれでまた驚いたんですが
日展が、工芸美術の分野が一番自由度が高かったのに対して、国展の場合、これは工芸というより民藝ですよね、というオーソドックスさ。日本民藝館にいるような錯覚。浜田庄司の影響が強いのかなあ。絵画や彫刻がいろいろあるのに対して、写真、版画、工芸については、おそらく起源となるような作家の影響なのか、一定の傾向性がうかがえる作品が多いように思います。
とにかくいろいろみて思ったのは、日展だけ見て公募展を語るべからず、日展はなんでああなってしまったのか、というようなことなのでした。普通に面白いので、この割引券を印刷して持参するなり
国画会情報板 第88回国展 本展用WEB割チケット
チケットショップで安く買うなりして、行ってみてもいいかもしれません。12日までです。
たてもの園、ロブスター、コメ展
5月3日、いい天気、暑くなりそうだなあ。湘南新宿ラインで新宿に出て、東小金井へ。武蔵野の住宅街のなかをずいぶん歩いて、小金井公園の江戸東京たてもの園まで。
ちょっとこっちに来る用事があったので短時間、駆け足で。またゆっくり来たいなあ。そしてやっぱり、前川國男邸は素敵や…
たてもの園前からバスに乗って関前に。人生初レッドロブスター。まさか、食べる機会がやってくるとは…
談笑数時間、お開きとなりまして、武蔵境の駅まで歩いて中央線。新宿でちょっと降りてぶらっとして、チケットショップなどより、六本木。国立新美術館で国展を見たはなしは別に詳しく書きましたのでそちらを。あと、ミッドタウンでコメ展を見る
企画展「コメ展」
会場全体、遊び心がたっぷりの、大人から子供まで楽しめて、かつ学べる展覧会であったですよ
ところどころ、笑っちゃうようなものもありつつ
最後のコーナーにはお酒のラベルがずらっと
お米に字を書けるコーナーがあったので、自分も描かせていただきました…
はい、酒。六本木を出て、田町乗り換え、帰宅して晩飯にしたのでした
在華坊(@zaikabou)/2014年05月03日 - Twilog