日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

東博『東アジアの華』、出光『宗像大社』、森美『リー・ミンウェイ』、川崎『横尾忠則』

日曜日、今日は久しぶりに美術館巡りをしましょう。最近、ソウルとか台北の美術館博物館ばかり行っておったでな…。上野駅に出て、昨日からはじまった、東京国立博物館『東アジアの華 陶磁名品展』

日中韓国立博物館合同企画で、それぞれ所有の陶磁器を15点ずつ、合計45点を並べる企画。本館特別5室で、追加料金無し。展示品のチョイスから垣間見える主張のようなものが面白い。
東京国立博物館 - 展示 日本美術(本館) 2014年日中韓国立博物館合同企画特別展「東アジアの華 陶磁名品展」
中国国家博物館は前漢と唐三彩、青磁の起源を3級文物中心にサラッと並べて、まあ起源はうちですから…と余裕の構え。韓国国立中央博物館は三国時代をチラ見せしつつ、高麗青磁の優品をドンと並べて、起源はともかく質的な精華はうちです!と主張する。そして東京国立博物館は、縄文の火炎土器をトップに持ってきて、中韓からの流れは示しつつ、桃山時代の茶器、黒楽茶碗なんかを並べて、文化の独自性多様性を示す…みたいな感じ。
三者三様の静かな張り合いが見て取れて楽しい企画でした。三館合同企画は今後も続くらしいので楽しみです。
常設展もぶらぶら。午前中に行くと、特に外国人だらけですね。各コーナーの最初の解説は日英中韓対応だし、英中韓のかなり立派な無料のカラーガイドもあるし、英語のガイドツアーもあるけど、館内全体の案内とか、各作品のキャプションとか、もっと多言語対応されるといいな、と思いました。見た中では、南蛮漆器が見ものだった。螺鈿が豪華に施された、イエズス会とかフリーメイソンの印が入った漆器なんて、そうそう、お目にかかる機会が無いからなあ


あと、曽我蕭白のこんなサラッとしたのとか

これはちょっとこわい

宮川香山もあったな

外でネパールフェスをやっていたので、早めの昼飯

上野から山手線に乗って有楽町へ。出光美術館宗像大社国宝展』を見る

最新の展覧会 - 出光美術館(東京・丸の内) - 出光美術館
いやすごいねこれ…。沖ノ島出土の国宝どこまで続くんや状態、しかもどれもこれも状態は極美だし、伊勢神宮からもいろいろ借りてるし…。出光さんが荒廃した宗像大社の整備や、海の正倉院沖ノ島の調査に尽力したからこその展覧会であり、そうじゃなきゃ民間美術館で出来る内容じゃないよねこれ。
トーハクの国宝展、京博の開館記念展の国宝大盤振る舞いが何かと話題になるこの秋ですが、出光美術館も見逃してはなるまいぞ、と思うのでした。美術ファンというよりむしろ、考古ファン大絶頂という感じの展覧会ですね。1000年以上前の鏡とか玉とか指輪とか金工とか、なんでこんなに美しいんだろ。宗像大社の文書も興味深いものばかりだったのです。中世宗像大社の財政基盤が、難破船の積み荷を寄物として習得していい権利…ってのがすごい。
美術館を出て、有楽町駅から六本木駅へ。森美術館へ向かう。
リー・ミンウェイとその関係展:参加するアート―見る、話す、贈る、書く、食べる、そして世界とつながる | 森美術館
『リー・ミンウェイとその関係』は、関係性をテーマにして作品・活動を続けてきたリー・ミンウェイの展覧会ですから、参加型の作品ばかり。(以下、作品は一部を除き撮影可能ですが、これらの写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。)美術館に泊まったり

食事を食べたり

花を持ち帰って見知らぬ人に渡したり

手紙を書いたり

美術館の中のリビングルームがとても居心地が良く、通いたくなってしまうような空間だったのでした

ところでこの部屋、窓の外の明るさと室内の明るさの差が大きすぎて、写真にうまく取れない。外にコントラストを合わせるとこんなふうになる

そこで、『Pro HDR』というiPhoneアプリを使って合成してみたら、こういうふうになって面白かった

秋晴れの空が高くて気持ち良い屋上にも出て

展望台でやっていたドールカルチャー展も覗いたら、いかにもドール好き、という感じの人が多くて面白かったり


さて、六本木ヒルズをあとにして、中目黒、乗り換えて武蔵小杉。バスに乗って川崎市市民ミュージアムへ。外径4.2m、高さ7.6m、重量60トン、トーマス転炉がお出迎え。日本鋼管京浜製鉄所で使用、近代化産業遺産指定

こちらでは『横尾忠則 肖像図鑑』を

横尾忠則 肖像図鑑 HUMAN ICONS - 川崎市市民ミュージアム川崎市市民ミュージアム
横尾忠則が描いた肖像画220点あまりが展示された展覧会。作家とか文化人の肖像がズラーッと並んでいて、あ、これはあの人、あれはこの人、とか当てながら見ると楽しい。埴谷雄高もいたから満足。それにしてもここ、トムス・エンタテイメント展と、水野英子展と、下川凹天展を一緒にやってたりして、相変わらずすごいなー。常設展示もわりとよく出来てるんよ

映像ホールでは映画上映もやっていて、たとえば9月23日11:30〜は、亀井文夫『流血の記録 砂川』松本俊夫『安保条約』『西陣』という、もの凄いラインナップ。10月も、圧殺の森とか、にっぽん零年とか、小川紳介土本典昭原一男、濃厚すぎてどうしようって感じ。非常に質の良いミュージアムなんだけど、いかんせん、ちょっと交通が不便なのがもったいないよね。
その後は、また武蔵小杉に戻って横浜、京急井土ヶ谷、450円から470円への値上がり後初銭湯、気持ち良かった…

ぶらぶら歩いて、途中からバスに乗って、車橋もつ肉店でちょっと晩御飯にしたのでした

在華坊(@zaikabou)/2014年09月21日 - Twilog