日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

春画展、神田まつや、鮒ずし、藤田嗣治、明治屋、あおひーさん、野毛麺房亭

連休3日目、あさごはん

冷蔵庫に赤星のある幸せ…って、朝から眺めるようなもんでもありませんが

8時には出掛けて、目白へ。タクシーを捕まえて永青文庫に着いたのは、オープン20分前、それでも40人くらいの行列が出来ており、開館の9時30分には150人ほどが並んでいただろうか、春画展であります

SHUNGA 春画展
長年の各方面の努力が実ってようやく開催された春画展、内容はもう、文句なし。肉筆から浮世絵から豆絵から、腕利きの絵師と金に糸目をつけぬ超絶刷りで仕上がった、豪華絢爛、しかし実にばかばかしくも楽しい、素晴らしい春画の世界の堪能させてもらいました。開催してくれた人にお礼を言いたい…
それにしても、春画、BLに百合に二次創作にパロに触手に擬人化にケモナーに、ほんともうなんでもありだなと…。男女を描くだけでは満足できなくなって、みたいな、ややこしい変態紳士淑女の皆さんの存在が前提の作品とかもですね、いろいろありまして、ほんと楽しかった。

物販コーナーは、品切れ、近日入荷のものが多数。販売できないかもしれないのであまり作らなかったのでは、という話に、なるほど、と。手拭い欲しかったけど入荷待ちだったからまた来よう。
ポケットの中が大事な部分なTシャツとか、表は無地で裏が…な風呂敷や座布団や、仕掛けのあるものが多くて、しかしみんなそもそものモノが良くて本気のお値段がしている。普通に1万2万するし、なんか162万円の布団カバーとかあるし…。その中で、厚い4,000円の図録が超お買い得に感じました。
そしてこの図録、帰宅して読んだら素晴らしい出来だった。オールカラー図版の印刷が美麗、解説も充実。そして特筆すべきは装丁。1,230ページでちょう分厚いのに、和綴じ風で、置いてしっかり開いた状態で眺められる。春画の中に、春画の本を開いてひとりお楽しみの絵も多いんですが、同じように使う…読むことができますw
永青文庫で「春画展」がはじまった!(京都巡回あり) - Togetterまとめ

永青文庫を出て、階段を下って江戸川に出て、江戸川橋駅までぷらぷら。ドトールでしばらく休憩の後、小川町へ。何年ぶりだろう?の神田まつや。

11時開店の店で、11時半時点で10人以上並んでいて、さらに行列は伸びる。だけど、ここはおばちゃんが超優秀で相席上等で回転もいいのでさっと入れますからね。そして、ここの蕎麦がやっぱり、一番好きだ。老舗だけど気取ったところが微塵も無いし、居心地は良いし、親子丼も美味かったし、大好きです。目の前で棒にしんとかそば味噌で飲んでる人、羨ましかったけど、昼から飲んじゃうと大変だからやめときます。
その後、秋葉原に出て、『ちゃばら』に滋賀県コーナーが出来たというので
CHABARA(ちゃばら) AKI-OKA MARCHE:ジェイアール東日本都市開発
東京・秋葉原「ちゃばら」に、滋賀県コーナーがオープン!! | 共同通信PRワイヤー
行ってみましたら、鮒ずしが小パックから売ってまして!これは素敵!しっかり購入、ふふふふ、有楽町の交通会館の滋賀県のアンテナショップよりはるかに充実しているので、これからはここで買えるんだ…。うれしい…
お店を出てから、御徒町の吉池に行き、新潟の米を物色。コシヒカリの新米はまだちょっと先かな。コシイブキの新米2kg750円を購入。その他、味噌とわかめを購入。そのまま歩いて上野へ。
上野の森美術館で、メカニックデザイナー大河原邦男展を見る。とにかく、硬派な展覧会だなぁ、と。スケッチがズラーっとひたすら並んでいるので、混雑すると、なかなか息苦しい感じになってました。会場外に並んではいなかったけど、中はみっちり。のび太の宇宙開拓史も、メカニックデザイン大河原邦男とは知らなかったよ。とにかく、日本のロボットアニメーションの原型はここにあり、という感じであった
銀座線と東西線を乗り継いで竹橋

ひっそりとしている東京国立近代美術館、19日からはじまっている、『特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。』を見る
MOMAT コレクション | 東京国立近代美術館
これまでもけっこう言及している通り(橋本麻里さんにも紹介いただきましたが)
東京国立近代美術館で戦争記録画12点展示、そして藤田嗣治全点展示へ - 日毎に敵と懶惰に戦う


大変楽しみにしていた展示で、やはり戦争画14点は必見、全部見るとまた新しい印象もある。見たことなかった作品もある。…んですが、2室から10室の半分まで、正直、えぇ…(困惑)、というくらい、ゆーったりと展示してましてなあ。個人的な印象としては、戦争画を展示する理屈を立てるために、随分、リソースを使ったなぁ…と。しかしとにかく、戦争画14点は必見であります。あと、撮影が全面不可になってました。
コレクション展としては、藤田嗣治以外は、ハイライト、10室の半分、あとは11室12室に。藤田とは対照的な高圧縮の展示。速水御舟のかわいい家、靉光の作品、山下菊二のあけぼの村物語の元スケッチ、高嶺格のGod Bless Americaなどが印象的でありました。2階にも戦争画1点があったな。
竹橋からまた電車に乗り、京橋で降りる。おお、そういえば、明治屋の京橋ストア、リニューアルオープン何時だったかな?と思ったら、16日だったと。じゃあ、と行ったわけですが

なんだこれは、と。たいへんなガッカリ度合いなんですが…。そのへんのちょっと高級スーパーと輸入食材屋を足して3で割ったくらいな感じで、凡庸過ぎてなんの印象にも残らない店になっている。大丈夫なのか明治屋
高級スーパーや輸入食材屋が増える中で、個性が埋没する傾向にあった明治屋、その本拠地で、リニューアルにあたってどんなコンセプトを打ち出してくるかと思ったら、たんに劣化しただけのものが出てきた。明治屋、やる気無いのでしょうか。明治屋ブランド信奉する年寄りだけ相手で持つとは思えんぞ…。
伊東屋のリニューアルへの思いは以前に書いたことがありますが
銀座、伊東屋のリニューアルに思う。愛好家が好んでいたのは日々の営みの上澄みであった - 日毎に敵と懶惰に戦う
あれは、がっかりはしつつも、確かにそうかもなあ、という思いもあったし、伊東屋がやろうとしていることも理解出来し、気概も感じられた。明確にコンセプトを打ち出してくる意思があった。しかし今回の明治屋は別。次元が違う。本当にただのガッカリ。
銀座方面に歩いて、在特会のデモが通るらしく、反レイシズムの人達が待ち構えていて、警察官も多数な銀座一丁目を過ぎて

ちょっとデパートも覗いてから、ギャラリーアートポイントで、あおひーさんの個展「道草模様」を。

あおひー展 「道草模様」 | 弐代目・青い日記帳
あおひーさんの作品だ!とわかるのに、毎回、印象が更新されている、のは凄い。今回は筆触のような画面や、意思を強く感じさせる発色や、より絵画的に発展している、鮮やかな作品でした。
新橋まで歩き、電車で関内、100均やドンキで生活用品をお買い物して帰宅し、部屋掃除や洗濯や片付けなど。また出て、

流浪ぴーに行ったら満員、先週もお酒が無いで入れなかったので、また明日にしようかな…と、どこか別の店…。野毛はさすがに連休中日、どこもここも混んでいる。んー、話ばかり聞くが入ったことの無かったここにしますか

麺房亭であります。実ははじめて。太田和彦さん絶賛のお店。メニューを眺めるに、ここはあれですね、諭吉どーん、みたいな感じでガンガンいったほうが良さげな店ですね…あと、コースでお願いしたほうがいいみたい。今日は控え目に行きましょう。あと、このカウンター、照明が強すぎるのか、ちょっと暑い…。まずはブラウマイスターに、生ハム3年熟成

おお、これは美味いなあ…脂身の旨味がもう、素敵…。お酒に会津娘の純米を頼んで、やさしい酸味

それからさらに、醗酵燻製のひと皿。

ししゃも、ふぐ、さば、鮭の白子、チーズ。どれも旨かったけど、しかしいちばん美味かったのはチーズを焼いたのであったという…。濃厚でたまらん。お酒は群馬泉の山廃で。うん、ご馳走様です。簡単に5000円行っちゃうので、なかなか来るわけにはいかん店ですが…あとゴルゴンゾーラのパスタが美味いらしいね。
で、ですね。このお店、まあ旨いけどね…みたいな好き嫌いがちょっとあるようで。てっきり、店主の合う合わないとか、値段設定とか、その辺が理由なのかなあ、と思ってたけど、そうじゃないのだな。どうも観察するところ、ところどころに垣間見える、仕事の、“クロウト”じゃなくて“シロウトハダシ”感というか、そのへんかなぁ、と。なんとなく。
とにかく美味しいものを食べて幸せな気分で、福富町とか伊勢佐木町とかしばらくぶらぶらして、帰宅したのでありました
在華坊(@zaikabou)/2015年09月21日 - Twilog