夜間のお仕事が明けて、そのまま出社し、業務と打ち合わせ。懸念事項が片付いてホッと。というわけで昼には仕事を終えて、さてどうしよう。ちょっと気になっていた銭湯に行ってみましょう。銀座線を稲荷町で降りて、昼飯を軽く済ませて
駅至近の寿湯に行く。ここの銭湯は昼の12時からオープン。外観は古風な唐破風なのに、中に入ると高い天井を活かしたリノベがなされており、ロフト式で二階建て、広くて綺麗な脱衣場になっている。各種アメニティも無料で提供されている。
洗い場も広くてボディーソープとシャンプーリンス完備、浴槽も数種あり、これで460円は素晴らしいと喜ぶのはまだ早いのだ。外に出れば露天風呂の広さにびっくり。15人か20人はゆうに入れる広さで、水風呂もある。
別料金200円でサウナに塩サウナ、洞窟水風呂まである至れり 尽くせり。タオルは50円で三種類のタオルがレンタルできるという仕組み。この時間から、近所のお年寄り、休みの人、仕事あがりやこれから仕事の人などで賑わっているのでした。
毎月発行している「寿湯だより」の最新号には、訪日観光客の急増、宿泊施設不足、民泊推進、Airbnbの仕組みの説明と法的問題、稲荷町近辺も物件が多 いこと、その値段と不動産活用の可能性、そんななかでの銭湯としての今後の抱負などがわかりやすく綴られており、この銭湯出来る、と思ったのです。
Twitterで教えていただいたところによれば、スカイツリー近くの『薬師湯』と兄弟で、どちらもいろんな取り組みをしているとのこと、面白いですなあ…
銭湯を出てぶらぶら歩き
東京藝術大学美術館へ
藝大コレクション展 美の収穫祭 特集展示 平櫛田中ゆかりの作品を中心に
『美の収穫祭』は、美術館の地下だけの展覧会。ですが、高橋由一の鮭からはじまり、光琳に是真に雅邦に芳崖に、玉堂松園清方とぞろぞろ…。原田直次郎の靴屋の親爺がえらく良いし、平櫛田中の恐ろし鬼やらまるで生き人形やら、あるいは平櫛田中ゆかりの品々もたくさん。ぎゅっと濃密で、満足度の高いコレクション展であったのです。
さらに歩いて根津に降りて、千代田線でぼんやり眠っているうちに乃木坂。さて、日展であります。
公益社団法人 日展(日本美術展覧会)- 改組 新 第2回日展
今回も、ニキ・ド・サンファル展以外はすべて日展であります。
これは運動になるぞ、と入ったんですが、この改組新第2回日展をざっと30分間見て、申し上げたいことはひとつである。
日展を見たことがない人、一度は見に来るべきです。日展を見たことがある人、二度はいいです。
感想は2年前と一緒なので前回をご参照ください
前回との差異など、その他の雑感を述べるとですね。まず、やはりみんなすごい上手い、これは間違いない。そして1階の重鎮より、2階のほうが若干面白い。特に日本画、2階の最終盤の作品は結構、おっ、ってのがあったし、わりと良かった。対して、洋画は最後まであかんかった。たぶん、業界構造的なもんだと思う。洋画で見込みがあったら入選云々まで日展に出してないだろ、的な。
洋画については、聖教新聞のアレが無くて残念でしたね…。お元気なんでしょうか、坂本幸重さん…
工芸はわりと好きというか、公募展では随一だと思う。ほかの公募展だと、工芸分野って特定の始祖や選者の色が出すぎてつまんなくなっちゃう傾向にあるんだけど、日展の工芸はそういうのが無くて、純粋に技芸を 競いあってる感じなのが良い。学長イルカも見られるしね!
彫刻は、相変わらずシュールな裸婦の森。だけど、2年前よりちょっと裸婦が減ったと思う。でもやっぱりシュールな裸婦の森。9割がた裸婦。
ときどき、裸婦じゃないのもいます
そして、書、これはですね、何故、日展に書があるのかやっぱりわからない…。そして歩いて疲れた、印象としては以上でございました。日展楽しいね。
あ、そうそう、洋画のコーナー見ていて気になったんですが、洋画の題材はやたらと、服を着てるにしろ着てないにしろご婦人像が多くて、抽象など思いもよらぬ、なんですが、その中で潜水服のヘルメットを描いている人が2人いて、師弟か何かか?と思ったんですが
ざあっ、と見て行くとですね、潜水服はともかく、漁具のあまりの多さに気が付く。
このほかにもザクザク出てきて、なんだこれ。日展の洋画、漁具を描く流派があるのかな、と思うほど。あと、漁船を描く流派とか、農機具を描く流派とか、工場を描く流派とかありそうだなー、って思いました。
とにかく、日展楽しいです。興味が無くても毛嫌いせずに一度は見てみよう。時が止まった感があるので、二度目はかなり間隔明けていいけど。
16時まわるとトワイライトチケットで300円で見られるし、18時まで2時間あればじゅうぶん全体傾向の観察はできるのでオススメです。人も少なくなるし。他所様の鬱陶しい師弟関係コントとか見ずに済むし(そういうのがお好きな方は昼間行こう)
ただ、自分の「偏向」に対する反省として、日展は何度か観に行った。さすがに毎年見に行く必要はないと思うが、ハイアートプロパーだと自認している人も、日展くらいは見ておいたほうがいい。
— 土屋誠一 (@seiichitsuchiya) 2013, 7月 3
美術館を出て、乃木坂から明治神宮経由で横浜へ。桜木町に帰着し、ちょっと買い物して帰宅。晩飯にネギとしめじのシリコンスチーマー蒸しとか作って晩飯にする。
録画しておいた市川崑の『野火』見ていたのだけれど、初っ端から狂っていて、見ているだけで、もう、なんというか、辛い…
魂をざっくり、えぐれらる感じになりつつ晩飯を食って
おやすみなさい…