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日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

CCO クリエイティブセンター大阪『クロニクル、クロニクル!』

夜のお仕事を終えて豊洲のなか卯へ。引っ切り無しに客が来るのでびゅーびゅー冷たい風が吹き込み寒く、「ありのままで」が琴インストゥルメンタルバージョンで流れ、IT土方とリアル土方が各々黙々と不思議なほど安い朝定食のどんぶり飯を掻き込んでおり、殺伐として末法感があった。

バスの乗り羽田空港へ。豊洲から羽田まで、バスで20分しかかからないのだ

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ラウンジでコーヒー飲んで新聞読んで休憩して

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からの、搭乗…JALの9:30の伊丹行。機内では座った途端に寝て、着陸の衝撃で目を覚ます。モノレールで移動して、仕事、昼飯、打ち合わせ、移動して打ち合わせ、17時前におしまい。さて、これからが本来の目的でありますよ…

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四つ橋線北加賀屋駅は、降りた途端に何か只者ならぬ雰囲気を湛えている

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工場地帯を通り抜けてたどり着いたのは、近代化産業遺産、名村造船所跡である、CC、大阪クリエイティブセンター

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アートイベントやライブなど、様々なイベントをやっていることを聞き知っており、だいぶ前から来たい来たいと思いつつ、しかし遠そうだな…。と思っていたのだけれど。肥後橋から地下鉄で15分、そこからも歩いてちょっとなので、実は思いのほか近かったのだな

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そして本日のお目当ては、『クロニクル、クロニクル!』であります。

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名村造船所跡の建物、1階から4階まですべて使った展覧会は、まさに『工場の出口』でリュミエール兄弟『工場の出口』の映像に迎えられて2階へ

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とにかく展示スペースが広い。全部合わせたら床面積で1,500平米…いや、もっとあるのでは。その4フロアに20人近いアーティストの作品が展開されるのだけれど、空間を無駄にしている感じが無い。余白を含めて、余す事なく見事に使い切っている。

そしてそこで展開されるのは、繰り返しと複製という通底したテーマ。斎藤義重の作品を再現するための設計図、そのコピーに直筆の指示が書かれているという代物と、荻原一青が何度も消失、水失しながら執念で繰り返し描いた城郭鳥瞰図、そのコピー、さらにそのコピーをスキャンした書籍…冒頭から価値と意味が折りたたまれたものが迫ってくる

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マネキンには個性と年代記があり、倉庫の中で”自然さ”を作りこむことも拒否する、川村元紀の空間にも、危うい面白さがある

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いかにも工場な階段を上るとさらに空間が展開されていて…

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技法の再現と反復としての 彫刻、切り取られ繰り返され新たな意味を獲得するスナップ、重ねられ逆転する生と死…広い空間をさ迷い歩くと、どこにも意味が溢れていて、個々に面白さがありつつ、テーマに沿ったキュレーションが全体としてキッチリなされている。

個別の作品では、街角を切り取ったスナップを並べ、ランダムに映写することで、見慣れていた風景が断片から再構築されて新たな意味を獲得する、鈴木崇の映像は新鮮な驚きがあった。構図がしっかり組み立てられた写真作品も面白いんだけど、ランダム映像が生み出す偶然の瞬間の”あっ!”という感じ、個々のスナップの完成度の高さならでは

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さらに4階に上がれば、そこはかつてのドラフティングルーム

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原寸大の船の図面を描くための場所。原寸大の図面空間!

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床には、かつて引かれた図面の跡がたくさん残っている…

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ここでも、かつての思い出を反復するような作品が展示されていて、物語は終わる。しかし終わらない。

この展覧会、1年後に再び、同じ場所で行われることに。それは繰り返しになるかもしれないし、まったく違うものになるかもしれないし、その姿がまだ誰にもわからない。

日暮れ後の倉庫のような空間の居心地の良さと、しっかり作りこまれた空間の緊張感とを味わいながら、キュレーターの長谷川新さんの丁寧で熱の籠ったギャラリートークを聞き、とても贅沢な時間を過ごせたのです。行って良かった。ギャラリートークは頻繁にやるようなので、Twitterで長谷川さん(rob_artさん)の情報をフォローしとくと良いでしょう

展覧会は13時~19時、火曜日と水曜日が休みなので注意しましょう。そのかわり月曜日はやってます。帰り際に受付のところをチラ見したら、台所で晩御飯を作っていて、楽しそうなのだった…。

名村造船所跡、作品を見る以外にも、どこを見ても素敵風景が広がっていて、良いところでありました。また別の機会にも来よう

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すっかり堪能して、もう飛行機の最終便にも間に合わなくなりそうなので、地下鉄で新大阪に出て、ちょっと用事を済ませ

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のぞみの指定席でぐっすり眠って帰宅したのだった

在華坊(@zaikabou)/2016年02月01日 - Twilog