蘇州東山の陸巷古村で結婚式に出る(3日目)
蘇州から少し入った太湖のほとり、東山の陸巷古村のお宿でおはようございます。
今日から数日間、誘ってくださった方に着いていく感じで、いろいろ書きにくい内容も多いので、ぼやかした感じになる部分もあるんですが、そのあたりよろしくお願いいたします。お宿の朝飯におかゆを食べて、さて、お出かけ
お出掛けと言ってもすぐ目の前でありまして。実は本日は、誘ってくださった方のご縁で、こちらの人の結婚式に出ることになっているんですね。で、どういう結婚式だかもよくわからないんだけれど、とにかく服装はカジュアルで良いと。ご祝儀も会費みたいなもんだからと。
まあとにかく、そういうものかな、ということで、中国式の祝儀袋もあるそうなんだけれど、折角だから日本の大入袋にそれなりに包んで持ってきたのでした。
とりあえず、村の中を散策しましょう。
この陸巷古村、蘇州からバスを乗り継いで1時間以上、タクシーだと200元くらいで来られる場所なんだけれど、明清時代から残る古村で、元は大きな屋敷がいくつかあったところを分割して人が住んでいる。
観光開発はされていて、観光案内版には一応、日本語も書いてあるんですが、非常に風情がありまして。たぶん、日本人はほとんど来ないな
元の大きなお屋敷だった…という場所が路地になっているので、変化にとんだ風景が次から次に訪れて、非常に楽しい散策になるわけで
いや、ここ、日本から蘇州に行ったついでに行く観光地として、非常によろしいのでは、と思ったのです。宿も何軒があるし
あちこち写真に撮ってしまう…屋根、すり減った石畳
そしてよい壁
街角ではお姉さんがはちみつも売っていた。大容量でえらく安い。ハチミツはそのまま日本に持って帰っても大丈夫なんだろうか
で、さて、そんな村の中でも、結構、古い建物を壊して新しい家が建てられていまして
今日の新郎は、ご実家の近くに新居を建てて、本日のパーティーもそこでやりますよ、というわけ。さすがにご新居の写真をあげるのもあれなのでそれは遠慮しときますが、新しいおうちにめでたい感じで飾り付けがいろいろされていた。お料理は親戚総出で造るのかな?仮設台所が、工事中の他所の家に
そして、北京ダックについては、出張ダック屋さんが来ているらしい
この日のパーティーは結婚式の最終日で、それまで数日間、新郎が新婦を迎えに行ったり、内内で儀式的な宴席があったり、いろいろあって、最終日はとにかく人が集まるだけ集まって、大宴会になる、という仕組み。今日はその日だったんですね。村の入口から、新郎新婦がみなさん引き連れて新居に向かいまして
新居に上がって、ふるまわれるのが、とても甘くておいしいスープ。ナツメとか餅とか、めでたいものが入っている
これは置いてあったお酒。結婚式のお祝い用の白酒かな
で、宴会のほうは、新居だけでは手狭なので、工事中の他所のおうちを借りてそこも宴会場にしてますというので、そちらへ。おお、まさに工事途中だ
テーブルにつくとですね、料理が並んでいるわけですが
まずはビールいただきましょう
もちろん、冷えてはいませんよ。ビールはあるんだけれど栓抜きは無い。別のテーブルでビール飲んでる人に、栓抜きある?とジェスチャーで聞いたら、歯で開けるんだよ、とジェスチャーで教えられた。それはさすがに(笑)、というわけで、テーブルの脚でスポンと。何回かやったら慣れました。
で、とにかくですね、はじめからたくさん載っているのに、次から次へと運ばれてくるんである。これはタウナギの煮ものに、蟹。タウナギが身がやわらかくて旨味があって、蟹も子供をまぶしたように蒸してあって、これまた大変美味い。
じゅんさいをこういうふうにする料理ははじめて見たなー、これも旨いぞ
そして、例の北京ダック…というか、身も全部たべるから、もはやダックだけれど、とにかく美味い、ダック。魚は当然、丸ごと一匹出てくる。これで終わりではない、さらにどんどん、皿が重ねられていく…。豚足も出てきたよお、でかいよお
この調子で、もうほんと、食べきれないほど出すという中国式宴席のもてなしの神髄を見せられた感がある。もう腹いっぱいです…
昼の宴席はお開きになり、また夜もあるから、と聞いて戦慄しつつ、少しでも腹ごなしをせねば…。裏の山に登ってみることにしましょう。なんか、赤い旗がたくさんはためいていて、八路軍の根拠地かなんかでしょうか
ま、そういう冗談はやめておいて。このあたりは枇杷と蜜柑の産地で、登っていく間にもビワの身がたくさんなっている
そして、茶の畑も拡がっている。この辺りは碧螺春という緑茶の特産地であるのですね。お茶の木はすでに茶摘を終えてあらかたの葉を落とした木と、収穫中の木が混在してました
そんなのを眺めながら、山に登り
振り返って見える村の向こうに拡がるのが太湖。その向こうが向こう岸…ではなく、島が見えるだけで、その先に何倍も広く太湖が拡がっている。太湖は広いのです、琵琶湖の3.4倍の広さがある。
この場所自体も半島なので、頂上まで登ると、向こうにもまた、村が拡がっていて、その先に湖が見えるのだった
振り返れば、そろそろ夕方の色が見えてきたかな
山の上には、お墓のたくさん。やはり、村を見下ろす山の上に墓を作るのだね
そうして下っていく途中で、不思議だなー、と。大きな杉の木?が同じような大きさで2本並んで見える
1本だけ見えていた時は、すごい、一本杉だ!と思ったんだけれど、いくらなんでも形も整いすぎて2本。ちょっと訝しんだんだけれど、翌日、車で村をあとにするときに判明。あの気はスピーカーをカモフラージュするためのものだったんですね。
そしてさらに下っていくと、また赤い旗が見えてくるわけですが、よく見ると一部はただの赤い袋だ
この赤旗、メーデーのお祝いで掲げられているそうだけれど、村の近くはちゃんと旗、遠くになると赤い袋で水増しというのは、なんだか八路軍の計略かなにかみたいでワクワクしますね!
ま、そんなこんなで。村までまた下ると、夜の宴席がはじまるわけですが…。今度は新郎のご実家で、新郎新婦を囲んで、静かな感じで。こちらはそれこそ、清朝時代の家にそのまま住んでいる感じで、すごい
その中に、ユニットバスが置いてあったりする。おうちの中には、毛同志が、いますね
夜は、昼の余りが出てくる感じです
白酒にいこうかとも思ったんだけれど、新郎が乾杯乾杯と繰り返す感じで、あかん、これ白酒飲ませたら大事な時につぶれてしまう…ということで、ビールで。まあ、アルコール度数2.5%だから、水代わりですよね!
そして、ちょっといただいた枇杷のお酒が、とても美味しかったのだ
そうして、このまま食堂とかやったらいいのでは、でも古い風情が良いのだからあまり綺麗にしちゃダメだけど水回りはちゃんとしよう、みたいな話をしつつ、夜は更けていくのでした
おやすみなさい