日毎に敵と懶惰に戦う

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中国の書の展覧会決定版、東京国立博物館『顔真卿』と、フクナガのイチゴパフェ

土曜日。明日、人をお招きするので家の片付け。こういう機会が無いの片付けのモチベーションが沸かないので来ていただけるのはありがたいことです。

家を出たのは14時半ごろ。東京駅に出て三菱一号館美術館に行ったら入場待ちで並んでおり、これは金曜の夜にでも来るか…と回避。KITTEの千疋屋でパフェを食べようと思ったら大行列。それなら…と急遽地下鉄に飛び乗り四谷三丁目へ

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フルーツパーラーフクナガで、季節のパフェ、いちごのパフェを食べる。とちおとめのほどよい酸味とあまおうの鮮やかな甘み、そして甘味と酸味の素晴らしいバランスのシャーベット、やっぱりフクナガのパフェは至高だ。食べならが笑顔が溢れてしまう幸せの食べ物…

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パフェおかわりしてしまった。チョコレートバナナ。みんなフルーツパフェを食べるからあまり食べないだろうけど、実はフクナガの隠れた名物と思ってますね。深い甘味のバナナ、著名専門店にまったく引けを取らないチョコレートアイス、そこにバニラアイスと固めホイップの生クリームが、絶妙すぎるバランスで絡み合って、これまた幸せの味…

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お店に置いてあった本、その名もズバリ「パフェ」 

 フルーツパフェの名店16店に徹底取材した75品、盛り付けの詳細なステップから、シャーベットの作り方まで、そんなに公表しちゃっていいの?という詳細な情報が満載。美麗な写真多数入り。めくるだけで幸せになれる本だな、これ。そして、閉店したばかりの、あの中野屋のパフェも詳しく紹介されていたのだった…

すっかり幸せな気分で、地下鉄乗り継いで上野広小路アメ横で中華食材店など覗いてから、上野へ。東京国立博物館顔真卿』展を見る

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陳列された作品と、詰め掛けている客層と、両方から、中国の人々の、書、文字、というものに対する凄まじい情熱にあてられてしまうような展覧会だった。2時間半あったのに後半は駆け足に。

とにかく会場内、中国から来た人が多いのだ。途中の注意書きも中国語デフォ。写真撮影禁止の注意もこと細かく(中国だと、撮影禁止が有名無実になっている美術館博物館多いですからね…)

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それもそのはず。今回来ている顔真卿『祭姪文稿』は、あの7年前の『清明上河図』の再来。

北京の故宮から、これが日本に来るなんて冗談だろ?と言われるようなものだったんだけど、今回は、台北故宮から、あれが日本に来るなんて冗談だろ?という代物なのですね。本国でも滅多に展示されない宝物。中国大陸からも、これ目当てで大勢来ているのです。

2013年の『和様の書』は素晴らしい展覧会で日本の書の展覧会の決定版だったけれど 

今回の『顔真卿』は中国の書の展覧会の決定版と言ってよい。顔真卿展を名乗りながら、王羲之から虞世南欧陽詢褚遂良を経て顔真卿、そして後代に至る、いまある書の形を作った系譜の作品、それも極品がてんこ盛りに展示されている。じっくり見てると何時間もかかる。

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台北からは、懐素『自叙帖』も来ていて、これも素晴らしい草書。そして石碑や拓本や臨書や模刻やその反復など、中国人の箍の外れた書への情熱が感じられる作品群と、それを収集してきた日本人の情熱を感じる。書道博物館とか、三井記念美術館とか、なんでそんなに持ってるのか。

かと思うと日本も対抗するかのように、三筆三蹟の国宝が惜しげも無く並んでいて…。とにかく色合いは地味だけれど、豪華絢爛すぎる展覧会。

会場内がそれほど混んでいなくても、顔真卿『祭姪文稿』は時間によっては1時間以上待たなければいけなくなっている。自分は夜間開館で行ったから5分待ちくらいですぐに見られたけれど、それでもかなり急かされながらの鑑賞だった。会期序盤でこれで、だんだん日が立って、しかも春節休暇本番になったらどうなってしまうのか。早めに来たほうが良い。

それにしても、王羲之への酷愛が過ぎて『蘭亭序』を副葬する唐の太宗も大概だけど、顔真卿『祭姪文稿』の讃を後ろにペタペタ貼り付けるコレクターに対し、頭に貼り付けてしまったのはだれか…やっぱり乾隆帝か、おまえか!という感じで。乾隆帝のコレクター魂の凄まじさよ

で、ペタペタ押された印や讃はいいね!や公式RTだよね、なんて話していたんだけれど、そうすると乾隆帝のは引用RTなのではないか。そしてなぜか、引用した乾隆帝の呟きが、後世には強制的にいいねやRTの対象になる感じ…(ネット的な意味での)キュレーター乾隆帝

今回の『顔真卿』展、各作品のキャプションもよく書かれていて勉強になるし面白いけど、それでも、石碑、拓本、模刻、法帖、臨書、搨模(双鉤填墨)といった、中国の書の基本事項の概念と価値感を予習してから行くと理解が深まると思う。西洋絵画における、工房作や帰属作の受容とどこか通じるところがあるような気がするな。

図録も買って、出てみればもう21時。晩飯は、来るときに見かけたお店へ

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御徒町に昨年11月open『国壱麺』で蘭州牛肉麺。北京を中心に30店経営する店の日本初出店で、悪くないが深みの欠けるスープ、手打ちだがややだらしない麺、しかし全体としては一定のまとまりがある感じ、大陸のチェーン店やあまりやる気のない店に入った時の感覚に良く似ており、本場感があって良かった。

こういうお店もある程度の商売尽くで進出してくるあたり、ほんとに蘭州牛肉麺がブームになっているのだな、と感じる。この店の特筆すべき点は24時間営業、そして朝の時間帯は500円で蘭州牛肉麺を提供している点で、この部分が非常に正しい、蘭州牛肉麺は朝食べるものという本寸法が守られている。

しかしこうして比べてみると、ますます、ザムザムの泉だけクオリティが異常なのよな… 

また行かねば。腹もとりあえずくちくなって、寒さに震えながら帰宅

在華坊(@zaikabou)/2019年01月26日 - Twilog