日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

定年後の趣味のような

満足して、パンフレットを買って(これも紙芝居のような凝ったつくりになっている)、タイムズスクエアのテラスに初めて出て、新宿御苑越しに風景がよく見えるのに感心。高島屋を出て新宿3丁目まで歩き、UFJ銀行地下のIL Bacaroへ。スタンディングバー(イタリアではバールと言うそうで)スペースがあって、イタリアの前菜とワインが楽しめて1000円でおつりが来る良いお店なのだが、今日は初めてランチを食べてみる。前菜の盛り合わせとカルボナーラ、グラスワイン一杯付けて1500円。美味しいし、ボリュームもあって満足感も高し。
丸の内線で四谷、南北線で麻布十番に出る。ここに来たのは、今読んでいる『東京の空間人類学 (ちくま学芸文庫)』の影響。台地の尾根を主軸道路にして両側に武家屋敷が形成され、谷に下る部分が敷地の一部で庭園になっていて、現在は境界を守ったまま、官公庁、学校、外国公館に転用されている、という話の中で、一例として三田綱町周辺が言及されていた。綱町には一度も来たことがなかったので、せっかくなので足を運んでみた。
なるほど、運河沿いの二の橋から坂道を登ると、道の両側にオーストラリア大使館、簡易保険事務センター、綱町三井倶楽部三田高校、ちょっと奥まってイタリア大使館などが並んでいる。そして、それぞれの敷地の間の狭い路地、坂道を下ると、それぞれの敷地がそのまま坂の下まで続いており、庭園になっている。一番下のほうは別用途に転用されたのだろう、マンションや戸建になっていて、有名な綱町パークマンションも三井倶楽部の庭園の先に立っている。思いのほか古かったけど。
陣内秀信のこの本は、なんでいままで読まなかったんだろう、というのが不思議なほどで、江戸時代の都市計画とと現在の土地利用について鮮やかに説明してあって、改めて感心しきり。最近の「古地図を持って東京散策」の大本はこの本にあるのだな、と再確認する。
この本の中で、東京の水辺空間について、「船頭となじみになって、隅田川から神田川、外堀、日本橋川、亀島川と進むのと面白い」などと、なかなかハードルの高い遊びが書いてある。実際にやるのはなかなか面倒だが、仮想体験なら『東京静脈』のDVDで今すぐできる。
それから、古川橋を通って五之橋へ、五の橋商店街を上って聖心女子の脇を上り(崖に張り付くように家が建っていて面白い)、坂を下って外苑西通りを越えて、自然教育園の脇を抜け(自然教育園に面したマンション、さぞかし居住環境がよろしかろうな、とは思うが、実際にベランダの先が鬱蒼とした森というのは、夜は結構怖いかもしれない)、恵比寿に到着。サッポロビールでやっているワイン屋や三越の酒売り場を眺めて、日比谷線で中目黒、東横線綱島、帰宅した。