日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

大和ミュージアムへ

6時半ごろに目が覚めて、うがい手水に身を清め、朝飯。無料サービスの朝飯って、コンフォートホテルとか東横インとか結構しょーもないものが多いんだけど、ここはちゃんとしたパンにおにぎりのほか、暖かいおかずも何種類か用意されていて、ヨーグルトもあるし、フルーツジュースがあって、なにより牛乳が結構旨かった。立派なもんです。
銀山町から市電に乗って広島駅、8時7分の三原行きに乗って、呉線を南下する。瀬戸内海の景色が間近に見え、島影や行きかう船、沿線の工場のクレーンなど、やはり瀬戸内海は楽しい。戦前戦中なら鎧戸を閉めないといけないところですね。
呉駅に着、改札出ると制服を着た軍人さんか海軍兵学校の学生さんが…じゃないな、海上保安大学校の皆さんかな、とにかく、軍港に来たのだなあ、と否が応にも盛り上がる。

駅前から南に数分で大和ミュージアムに着く。入り口入ると、「男たちの大和」と絶賛タイアップ中で、予告編を流したり写真展をやったりしているのを横目に、まず目に飛び込んでくるのが戦艦大和の1/10の模型である。おー、さすがの迫力。

海に向かって広い窓を取った、高い天井の空間に、戦艦大和が鎮座ましましている。ここが展示のハイライトですね。
展示物は、まずは海軍史と、海軍工廠と共に発展した呉の歴史の解説コーナー。呉で作られた大和以外の軍艦、潜水艦についても詳しい。佐久間艇長の最期の手記も解説。やっぱり鬼気迫るものがある。日露戦争についての解説ビデオは、しっかり軍艦マーチを流して盛り上げていて、あの広島の平和記念資料館が目を吊り上げて怒りそうな…。広島の平和記念資料館の基調って、「広島に海軍の基地ができたばっかりにこんな酷い目に…」という論調に終始してますからね。まあ、原爆落とされたんだからそれも当然だけれど。呉市は空襲で酷い目にあったものの、戦後も石川島播磨重工とか日新製鋼とか海上保安庁とか、いわば戦争遺産の産業で食っている街だから。

大和に関しての展示は、建造当時の計画の変遷、実際の図面、大和の戦跡(実に情けない戦績であるわけだが…)等など、であるわけだけれど、展示のスタンスは「大和の建造のための技術が、いかに今の技術立国日本を支えているか」がメインになっていた。

次の展示室では、特攻用の潜水艦や零戦の模型。ここから建物の中をぐるーっと上方に上っていき、大和の模型を横から

やがて下に見るようになる。

最上階にはもう二つ展示室があるのだが…うーむ。一つは科学技術館のできそこないみたいな「子供向け体験展示」で、予算が力尽きたのが、模型も安っぽいし、ぶっちゃけ、しょぼい。んで、もう一つは「未来へ」と題して、松本零士全面プロデュース。ま、何も言いますまい。
ミュージアムショップで日本酒「男たちの大和」を購入しようかと思ったが待て待て、と自分を引き止めて。外には、引き上げた陸奥の舵とか主砲が飾ってあった。