日毎に敵と懶惰に戦う

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中島みゆき「夜会」の巻

7時起床、9時出社。午前中わあわあと仕事して、昼からお出かけ。武蔵小杉、立川と経由して、立川からあずさ号で甲府へ。客先で仕事、打ち合わせなど。
終わって、再び甲府からあずさに乗り、新宿。新宿駅の特急ホームに下り、しかし迷うと言うか方向感覚を失ってハタと困惑する。新宿駅でこんな目に逢おうとは一生の不覚。ともかくにも大江戸線に乗り換えて青山一丁目、少々ぶらぶらしてから青山劇場へ。
中島みゆきの「夜会」である。

コンサートとは一風違う、芝居仕立ての中で歌を披露する夜会であるが、今回は2年前の作品のほぼ再演である。で、会場がシアター・コクーンから青山劇場へと広くなり、チケットは15000円から20000円に上がった。中島みゆきも、なにしろヤマハの役員様であるから大変である。しかしファンは付いて行くのである。
うんうん、やっぱり、歌はいい。中島みゆきの歌はいい。中島みゆきは、特別歌唱力が優れているわけでもない。歌詞は全く持って素晴らしいが、突出しているわけではない。やはり素晴らしいのはその包み込むような情念であり、そしてなにより芸のココロである…なんて、月並みな中島みゆき評を書いてしまって、いやしかし良いものは良いのだよ。
脚本や構成について、いちいち突っ込むのは野暮である。それはつまり中島みゆきワールドなのであって、一般的水準でどうこう言ってもしようが無いのである。中島みゆきが情念の赴くままに歌を歌えるステージを作ることができるのは中島みゆきしかいないのだから、中島みゆきの夜会は唯一無二なのである。うむ、良い。
客席は、むかしむかし、プロジェクトX以前の退廃的な、中島みゆきがアジったら全員で国会か東京湾かどっちかに突っ込むんじゃなかろうか、という雰囲気…ロビーは紫煙で前が見えなくなるほどであった…は無くなっていて、それなりに健全であった。しかしそれでも、怪我をおして松葉杖で来る客、休憩中にロビーで卒倒する客、そのほか静かに殺気立っている客も一部におり、やはり中島みゆき中島みゆきであった。
終了後、晩飯を食うために、連れ立って渋谷駅近くの某居酒屋へ。突き出し、チーズ焼き、肉豆腐、鶏肉の山賊焼き、やきそば。どうしちゃったの、というほど味が濃い。厨房は舌が馬鹿になっているのではないか。てっきり、炭鉱労働者のように厨房に雪隠詰めになった人足が褌一丁で塩を舐めながら作ってるのかと思ったが、そういうわけでも無い様であった。いくら酒が進むように、と言っても、これはやりすぎですって。
渋谷駅で別れて、東横線で帰宅。