日毎に敵と懶惰に戦う

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家プロジェクト

地中美術館のチケットセンターで預けていた荷物を取り出し、シャトルバスで「つつじ荘」というところまで。ここで町営バスに乗り換えて、本村集落の農協前で下りる。狭い路地に立派な家が立ち並ぶ、雰囲気がある町並み。

ここでは、民家に作品を展示する「家プロジェクト」を行っている。…とは言え、腹が減った。「本村ラウンジ&アーカイブ」でチケットを購入してから、ごはんを食べるために「あいすなお」という店へ。

これまた、民家を改修したお店らしい。玄米御飯に、味噌汁、お煮しめに、漬物。やさしい味で大変美味しい。雰囲気が良くてよいお店…だが、近所のおばちゃん同士が漫才師もかくや、という風情で、「玄米コーヒー、免疫が8倍、8倍」とか言っていて、建物にも食い物にも集中できなかったのが嬉しいのか哀しいのか。
お店を出て、まずは安藤忠雄設計、ジェームズ・タレル作品の「南寺」へ。

手探りでまっくらな空間に案内され、座ると、本当に暗くて何も見えない。目を開けても目を閉じても同じ。不思議。10分くらいすると、ぼんやりと、前方に明かりが見えてくるが、それにしてもほのかな明かりで、これを頼りに前に歩いていく。暗闇と明かりを体験する作品。目がチカチカするよ。彼女がタレルの作品を2つ見て、何がしかの興味を持ってくれたようなので、この夏は新潟の「光の館」に是非連れて行かねば。
次に、宮島達男の作品がある「角屋」へ。

ほの暗い民家の中で、水の中に浮かぶ…実際は水の底にあるのだが…LEDが幻想的な作品。丁度小雨が振り出して、明るすぎない微妙な光の具合が良かったかもしれない。LEDの数字が描かれた掛け軸はちょっと笑っちゃう馬鹿馬鹿しさ。上から3段目が「893」って数字なんだけど、これはワザとなのか。
最後に、杉本博司の「護王神社」へ。

社殿は自由に見学できる。脇にある寄進者の石柱に、「社殿一式 福武總一郎」とあった。地下の石室を覗くこうとすると、係りのおじさんがじっと顔を見て、頷いて「ん」と言って、懐中電灯を渡してくれた。この人も作品の一部か。
「きんざ」は今回は予約できなかった。地中美術館の「オープンスカイ」のアトラクションも曜日が合わずに断念したが、良いのだよ、再訪のための理由は残しておかなくてはね。