日毎に敵と懶惰に戦う

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東京国立博物館『レオナルド・ダ・ヴィンチ』

平日ならなんぼか空いているのではないか…と淡い期待を抱いて、上野に来たわけだが、公園口を降りたときからえらい人手だ。平日でも混んでいそうだなあ、と国立博物館レオナルド・ダ・ヴィンチ展にやってきた。とても混んでいると入場するのに何十分待ち、というレベルになるらしいから、待たずに入場できるらしいので、まだ空いているほうなのだろう。パスポートで入場。実に活躍するパスポートである。
まずは、第一会場(本館の中央、普段は使っていない空間)の『受胎告知』。金属探知機を通り、立ち止まらないでくださーい、と整理する人が叫び、警備員が両脇に立っている空間で、有難く拝む。しかし、最初にこれを見たのは失敗だったかも。よくよく予習してから見るならいいが、そうでなければ、最初にこれを見ても、『ふーん』と眺めて終わりかもしれん。立ち止まれないから、足早に立ち去るしかないしね…。いや、勿論、素晴らしいことには変わりはないのだけれど、このころの絵画を理解するにはいろいろ下地が必要なわけで…
続いて、平成館の映像シアターにて『東方三博士の礼拝』に関する映像を見て、ああ、レオナルド・ダ・ヴィンチってのは幾何学の人なのか、的な理解をさせられた後に、第二会場。これは…なんというのか、つまり、生の作品を沢山浴びるように楽しむ展覧会ではないのだな(そりゃ、レオナルドの現存する作品が沢山あるわけではないので、そりゃそうなのだが)。思索の軌跡を辿り、かたち、運動の理解の延長線上に人間の感情の理解もある、という流れを理解するための、大変よくできた解説であるとは思うのだけれど、生の作品としては、要するに『受胎告知』が見られるぞ、という展覧会なのだな。うむ。
それにしても、平日の昼間から混雑しすぎで、現代美術系の展覧会ばかり巡っていた身としては、ぐったりしてしまった。みんな、もっと、いろんなものを分散して見に行ったほうがいいと思うよ!