日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

横須賀美術館 開館記念展『生きる』

6時起床。やや、昨日の酒が…。今日は大変に良い天気。こんなに良い天気で家にいるのも勿体無いので、11時過ぎに家を出て、横浜乗換えで馬堀海岸駅。バスに乗り換えて、4月28日にオープンしたばかりの横須賀美術館に行ってきた。
観音崎のすぐ近く、道路に面した高台に建つこの美術館は、横浜出身(在住?かな)の山本理顕の設計によるもの。以前の展覧会
http://d.hatena.ne.jp/zaikabou/20060212#1139738110
でその模型を見て、おお、早く出来ないか知らん、と楽しみにしていたのだった。

芝生の脇の坂道を登り、振り返ると、そこには観音崎の海が広がっているのだった

外側のガラスと、内側のホワイトキューブの2重構造になっている建物。やわらかい曲線に包まれる内部の白い空間に、ところどころに丸い穴が穿たれて、そこから光が差し込んでいたり、海が見えたりする。



外側から見るとこんな感じ


螺旋階段を登っていくと、その隙間を見つつ

展望台に出る。この展望台が、広々した開放的な空間から海を見ることができて、とても素晴らしいスペースになっているのだった



リゾート施設みたいですな

で、さて、開館記念展のほう。黒澤明の映画みたいな題名の展覧会だけれど、ヤノベケンジジャイアント・トラやんがお出迎えして掴みはOK、なのかしらん。石内都の、傷ついた身体の写真。石田尚志は旧作だけれど『部屋/形態』の流れるような映像が本当に素晴らしい。ヤノベケンジのトラやんの世界、あっちこっちの展覧会で都合4〜5回見た記憶があるのだが、見るたびに少しずつ内容が変わっているような気もする。あれ、お子様にも評判が良いですね。全体的にこの人の作品、使いまわし感が非常に高いのだけれど。あと、木村太陽が相変わらず全体的に馬鹿馬鹿しい。木村太陽の作品は本会場の外にもあるので、お見逃しなきように。
個人蔵や作家蔵の作品が多く、おそらく、画廊の協力を得て借りてきたのだろうなあ、と思う。
収蔵品展のほうも見てみた。近代以降の日本の作家の作品を、割合、名前を網羅するようなイメージで見境無く買い集めているのかなあ、という印象。名前はそうだけど…みたいな、あまり面白くないものを買っているようにも思うが。ただ、そんななかに、珍品なればこそ、みたいは変な面白いものもあり、例えば古賀春江の『夏山』とか岸田劉生の『野童女』なんか面白い…と書こうとしたら、それぞれ、他所から借りてきたものだった。うーん。
別館として谷内六郎館もあって、こちらでは週刊新潮の表紙原画を飾ってあった。美術館は家族連れが結構多くて賑わっており、レストランは行列が出来ていた。次回以降、企画展に期待いたしましょう。