日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

MIHOミュージアム『中国・山東省の仏像−飛鳥仏の面影』

石山駅からはMIHOミュージアムに向かう。MIHO MUSEUM宗教法人の『神慈秀明会』が作った美術館。なにしろ山奥にあるので、石山駅から路線バスで50分もかかる。平日は、13時10分のバスが終バス。というわけで、この終バスに乗って向かいましょう。
しばらくバスの中でこっくりこっくりしていると、何時の間にか、バスの乗客は私一人になっていた。そして、どんどん山奥に向かってくバス。なんだかだんだん、心細く、不安になっていく。山奥の宗教法人の施設に独りで向かう…。
と、突然、視界が開けて、こんなものが見えた日にゃあ

うわあ、なんだこの装飾過多な。どうもこれは、宗教法人関係ない、建設中の高速道路だったらしいが…(後日確認したところ、新名神の近江大鳥橋とのことだった)
さらにバスは山道を登り、宗教法人の本部を通り過ぎて暫く走って到着。静かだ。レセプションで入場券1000円を購入。食堂は団体さんで大変に賑わっている。喉が渇いたな、と、冷水のサーバーがあったので、これ幸いと手を伸ばしかけて…
宗教と水…
あいややや、考えすぎ考えすぎ。紙コップに注いでごくり。ん、んまい。妙に美味い
宗教と妙に美味い水…
いやいやいや。考えすぎ考えすぎ。
このレセプションから美術館までは、トンネルと吊橋を経て少し距離がある。電気自動車

もあるけれど、歩きましょう。よく整備された坂道を歩いていくと、トンネルの入り口が見えてくる

このトンネルの内壁、なんかピカピカしているんだけれど、チタンで出来ているらしい。チタン!チタン高いよチタン。

チタンのトンネルを進むと、やがて出口が見えてきて…(ノリとしては未知との遭遇だな…)

正しく宗教的体験

吊橋を見上げて

美術館へ。ここまでで大概満足

I.M.ペイによる美術館の中に入ると、大きな窓の向こうに森が広がる

その森の中に佇んでいるのは、宗教法人の本部なのだろうか…

さて、この美術館は、なんだかよくわからないけれどとにかく豊富なコレクションを誇る美術館であり、まあ税金とか色々とか難しいことを考えるのはとりあえず止して、展示品を楽しむことにする。今回の企画展『中国・山東省の仏像』は、山東省からの貸出品による、北魏北斉を中心とした仏像の展覧会。この展覧会の実現については、非常に複雑な経緯があり、詳しくは以下を読んでいただきたいのだが
http://blog.goo.ne.jp/jchz/e/9f7257b5b4333b15093d6472b3b54f71
まあ、要するに買った仏像が盗品と判明し、それを中国に譲渡するかわりに、中国からいろいろ貸して貰えることになりました、ということですね。なかなか日本では見られない、貴重な品々が展示されている。
短い期間の間で、中国の伝統的な信仰、インド方面の信仰、いろいろな影響を受けながら変化していった仏像の、質の良い実物をたっぷり見ながら比較考察することができる。展覧会の解説パンフレットも、非常に詳しくて判りやすい出来。これは素敵。いいもの見た。これ以上無いほどの笑顔で微笑んでいる仏像が良い。
これ以外の展示も見てみたが、エジプト方面の凄いお宝満載で、なんか、びっくりする、というかほんとかよー、みたいな突っ込みを入れてしまったのは内緒だ。ふええ。
 
おおいに満足して、美術館を出る。


帰りは、こんどは大混雑するバスに乗り、石山駅へ。