日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

BankART『日仏現代美術交流展』

朝起きて、だらだらするうちに10時くらい。朝飯に握り飯、昨日買ったケーキ、コーヒーに紅茶、だらだらと飲み食いする。アオキなんちゃらのケーキ、味が濃くて美味し。
13時ごろに出かけて、横浜へ。BankART1929とBankART Studio NYKで開催中の『La Chaîne 日仏現代美術交流展』を見に行く。クリスチャン・ボルタンスキーの発案による展覧会で、フランスと日本から数人ずつの作家が参加。横浜フランス月間参加イベントとのこと。
馬車道駅直上の『BankART1929』そこの『1929ホール』では、ボルタンスキーのインスタレーション。暗闇に浮かび上がるスクリーンに次々と変化する顔…そう、あの、ボルタンスキーの作品でよくお目にかかる白黒の顔顔が映し出され、時報を読み上げる人工的で無機質な音声が途切れなく続き、響く。時の流れと記憶。ボルタンスキーだなあ。地下の作品も、ボルタンスキーの誕生日のニュース映像をつなぎあわせて編集したものだった。
てくてくと歩いて、海沿いの、BankART Studio NYKのほうへ。ちょうど、田中功起が作ったイカダ…BankARTに残されていた、いろいろな作品の残骸を組み合わせたイカダを、海に浮かべようとしているところだった。若い女性のお客さんがたくさんいたけれど、田中功起も若い女性のファンが沢山おるのだろうか。クレーンで吊り上げたイカダを浮かべると、ほとんどガラクタが浮いているようにしか見えませぬ。

無事に浮かんだイカダは、ボートに曳航されて、静々と動き出す。ところで、誰が田中功起さんなんでしょう…


イカダはそのまま、ずんずん進んで、見えなくなってしまいました。さよーならー

さて、建物の中の展示を。さわひらきの映像作品、風景の中をCGで合成された幻想的な遊園地が通り過ぎる。若干かび臭い倉庫の暗い空間で、大画面に映し出されるさわひらきの映像を見る、シチュエーションがますます幻想的で、なかなかよろしい。さらに奥に進むと、さらに幻影的、退廃的な映像に…なっていく日曜の昼からなかなか陰鬱で結構。田中功起は、もう一つ、砂嵐が延々と映し出される作品も。

そして2階へ。ガブリエラ・フリードディスクドティールという人の作品は、ゾンビの人が徘徊したりするゴチック・ホラー度満点の映像作品で、いや、面白いのだけれど、なんなんだろうか、これは。ボルタンスキーの映像作品も、ゾンビの人が延々咳き込んでいるし。そのほか、伊藤存とか、みなみな映像作品ばかりの、なんだかとても不思議な雰囲気の展覧会なのだった。ここはcafeでもあるので、映像を見ながら、ビールをちょっと一杯。