日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

光の館に泊まる

十日町から15時45分のバスに乗って、ナカゴグリーンパークに向かう。というか、こっち方面に向かうバスは、1日に4本しか無いのであります。乗り逃がしたらタクシーじゃ。元町というバス停で下りて、坂道をひたすらに歩いて登ること20分弱。光の館だ。

最初の大地の芸術祭、2000年の時に作られた、ジェームズ・タレルの作品。陰影礼賛にインスパイアされたこの建物は…、って、詳しくはwikipediaを見て欲しいのですが
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%AC%E3%83%AB
とにかく、泊まれるアートとして名を馳せているわけであります。直島のベネッセアートハウス、松之山の夢の家に続いて、光の館。とうとう泊まる機会を得たわけであります。まあ、今回は1人で、ですが…
係りの人に案内していただくと、今回の同泊の方もややあってやってくる。少人数だと、3組まで同泊になる仕組み。建物についての詳しい説明、各種設備の使い方説明などをしてもらい(夜は誰もいなくなるのだ)、前払いで精算をしてから、同泊の方とご挨拶。今回の同泊の方は、若いご夫婦でした。うわー、なんか、いろいろと、申し訳ないなあ、これは…(いや、何がって、ねえ…)と思ったのだけれど。兵庫の在住で、バイクで佐渡を廻ってきたというご夫妻、大変に気さくで良い雰囲気の方々で、滞在中、いろいろとお世話になったりしながら、楽しく過ごすことが出来た。本当にありがとうございます。
宿泊する部屋割りを決めたりしつつ、とりあえず、汗を流すために風呂を使って

さて、18時39分から、日没の『Light program』がはじまる。この建物の屋根は可動式になっており、動かすと、一番大きな部屋の天井がぽっかりと空いて、空をそのまま眺めることが出来るようになっている。

そして、天井に仕掛けられた光ファイバーと相俟って、幻想的な空間が出現するわけであり。日暮れ時と夜明け時には、この光ファイバーがプログラムされた通りに暗くなったり明るくなったりして、刻々変化する空の色との組み合わせで、実に感動的な光のショーが繰り広げられるわけです。これは宿泊者しか見ることのできない、まさに宿泊者の特権。
時間になり、可動式の天井を開けて、寝転がって空を眺める。







じっと、天井を見上げて、だんだんに暗くなっていく空と、『あれ?変わったのかな?』と思うほどに微妙に変化する光を眺めていると、なにやら不思議な気分になってくる。そして、真っ暗になると、一面の星空が。

60秒間シャッターを開放しても、この程度にしか写らないけれども。
さて、ご飯。私は2000円の仕出弁当をお願いしていて、時間になったら車で運んできてくれたのだけれど

同泊の方は自炊で、材料を買い込んできて、広い台所で調理していた。ここのキッチンはなかなか立派な洋風のキッチンで、調理器具や食器類はずいぶんキチンと揃っているし、炊飯器やオーブンレンジ、ついでに食器洗い器まであるという、至れりつくせりっぷり。枝豆や茄子などご相伴にあずかりつつ、天井の上に星空の見える部屋で一緒に食事。
旅の話などに興じていると、外からどーんと大きな音。花火が上がっている。回廊に出ると、一つずつ打ちあがる花火、方向と距離からすると、信濃川沿い、下条のあたりだろうか?思いのほか良く見えて、嬉しいプレゼント。十日町の市街の方面からは、盆踊りの、なんだろう、民謡だろうか、も風に乗って聞こえてくる。

魚沼や頚城の盆踊りは、夜遅く始まる盆踊りで、そこで流れる音楽は、外に向かう明るさではなく、何かを抱えたような、内に向かう、そんな音。陰に籠ってと言ったら失礼だろうか、静かで、静かだけれども脈々と力強い死者への思い、聴いていると物悲しくなるような、そんな音なのだった。
さて、そろそろ、天井は閉じましょう
 
外に出ると、空一面の天の川、そして星、星、星。暗闇の中に浮かび上がる、光の館の建物も美しい。

廊下の光も美しい

風呂もまた、青い光ファイバーに包まれた、幻想的な空間なのだった

明日の朝、日の出のLight programは時間が早いので、そろそろ寝ましょう