日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

部屋を探す

結局のところ、環境から変えないと駄目だと思うので、部屋を探すことにした。
条件はいくつかあるのだが、桜木町〜石川町〜元町中華街の一帯で、駅から近い、というのを絶対条件にしておいた。この一帯、野毛の上の方や山手方面にいけば静かな住宅街もあるが、歴史的建築物が多くそもそも物件の出物が少ない海の方面、馬車道から関内周辺、あるいは中華街周辺は古い変な物件ならあるのか、野毛から伊勢崎町一帯の歓楽街、阪東橋方面まで行くと風俗街、しかして黄金町はすっかり駆逐され、寿町はドヤ街、松影町にラブホテル、とにかく色合いがバラエティに富んでいて、物件を探すのも面白い。
関内の不動産屋。先週訪れて、ファイルを見せてもらって10件ほど選定しておいた。歓楽街の古い物件も面白そうなのでいくつか選んでみたが、いざ住むとなると、いろいろアレであり。また、戸部方面に割合いいものもあったが、徒歩圏内としてちょっと私の思惑と外れるのでこれもやめて。比較的無難なところをさらにいくつか選別、さらにオススメに従って、5件ほど廻ることにする。
最初に、馬車道駅から新港地区に向かって徒歩2分のマンション、5階建て7戸の3階。場所は自分的には最高、コンビニなどは不便かもしれないけれど、場所は最高。ミーハーだな、自分。しかし、水周りには不満は無いが、コンロが1つだけ、そしてなにしろ、部屋が変則的な形で狭い。やっぱり、場所だけで選んじゃ、いかんな。ここは止める。
次に、関内から16号線、羽衣町の少し裏手にある新しいマンション、築2年。なるほど、これは綺麗。占有スペースはさっきとあんまり変わらないが、形がすっきりしていて、住みやすそうだ。ま、ここもいいかもしれない、しかし家賃がちょっと高いな、と思いつつ。目の前に神社があった。
次に訪れたのが、桜木町駅から野毛方面、野毛坂の交差点を右折してすぐの小さなマンション。築30年。それはそれは古い変則的な建物で、階段を3階まで登った段階ではこれは…と思ったのだが。これがなかなか悪くない。まず、部屋が広い。奥の部屋は洋間6畳、手前の部屋がDK6畳。収納スペースもなかなか広く、室内もリフォーム済みで綺麗、風呂場が、ユニットバスではなく、広い。表通りに面してはいるが、裏側の部屋なのでそれほどうるさくない。部屋からの眺めは無いが、日当たりは悪くも無い。値段は納得できるもの。まずここなら、買い物にも便利だし、野毛に飲みにいくのも便利だし、中央図書館はすぐ近いし…。ああ、魅力的だ。検討に値する。しかし、あまり女子受けはしないな…。水周りの施設の古さはどうしたって否めないしな…。
桜木町から石川町へ。松影町、新築マンション。これがねえ。場所がすごい。ラブホ街のど真ん中。隣はラブホ。しかし、新築のマンション。分譲タイプであるとのこと。分譲するつもりだったのに、売れなくて賃貸になったのだろか。この人大丈夫だろうか、という感じのおばちゃんが現地の担当者になっていて、部屋を見せてもらう。新築、分譲向けにしては、やや普請の安さが気になったものの、やはり水周りその他、新しくて使いやすそう。11階建てなので、上の階は羨望も悪くない。部屋から根岸線を行く貨物列車が見えた瞬間、反射的に決めてしまおうかと思ったが、踏みとどまる。一旦建物に入ってしまえばラブホ街であることは気にならないし、そもそも治安うんぬんというものではないので、良い。石川町から徒歩2分なのも良い。元町中華街駅からも歩ける。そして、場所が場所であるから、この立地の新築にしては大変安い。少なくとも、羽衣町の築浅よりは圧倒的にこっちだな、と心に留める。駐輪場がきっちりあるのも良い。
次に、松影町の奥にある、マンション。歩いていく道すがら、ドヤ街が目に入り、うむむ、という感じである。マンションの入り口、防犯、監視という文字が激しく躍っている。外観は立派なのだが、一歩中に入ると、んんん?このマンション、出来たのが1989年。バブル真っ盛りだ。ちょっと不安。10階の部屋はとても広く、窓からも首都高速を走る車と山手方面の山がよく見えて大変素晴らしいのだが、間取りのセンスの古さ、バルブ期建築物特有の手抜き感が全体に溢れていて、とにかく、野毛の物件よりよほど古めかしい。野毛の物件の、風呂がタイル張りだったりするような、古いなりの良さがまったく感じられない…。それでも家賃が安いし、なにしろ広いし、一応候補には残すことにして、歩いて不動産屋まで戻ろう。
マンションを出て歩く。いやあ、さすがに、最後のマンションはやめておこう。見事にこれは、ドヤ街のど真ん中だ。自分はまったく構わないが、これでは人が尋ねてこれない。面白いことは面白いかもしれないが、しかしこれはさすがに、あれだ。住んでいる人も、ちょっとチラ見した限り、国籍含めたバラエティに富んでいる感じが、いろいろと、その。
というわけで、野毛と松影町の新築、二択になる。飲み屋買い物の便、広さを選ぶか。新しさ、設備を選ぶか。私の妄想は前者を選べと言っているが、冷静に考えると、やはり新築物件のほうが、魅力的であり。値段もほとんど変わらない、というか、初期費用の面から考えると、礼金0の新築物件のほうが良い。インターネットの環境も、新築のほうが勿論、ちゃんとしている。結局のところ、自分に持ち物を整理して身軽になる気があるのかどうか、という一点に話が絞られるような気がしてきて、最終的に、新築物件のほうにする。
『ちょっと、どこ連れてくの!』『いや、その…』『そっちはラブホしかないじゃない!そういうつもりなの!』『いや、違うんだよ、実は、ほら、ここが僕の住んでるマンション』『ああ、なあんだ……って、結局連れ込むつもりか!』……よし、ここにしよう。
というわけで、今月中には引っ越す予定です。