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東京国立博物館『博物館に初もうで』『宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝』

毎年恒例となった、東京国立博物館。去年は冷たい雨が降っていたけれど、今年は大層晴れ晴れとして、よい気分。本日は無料入館日ということもあって、なかなかの入りとなっている。相変わらず、越後獅子風味の太鼓楽団も演奏中。本館の入り口正面には大きないけばなも飾られて、正月らしい。

本日のお目当ては、何と言っても、長谷川等伯の『松林図屏風』。最近、お正月の公開が定番になっているようだ。国宝中ではNo.1の人気を誇るらしく、毎年、公開のリクエストも多いそうな。というわけで、今年も見られるわけです。嬉しい!

本館二階奥の国宝室には、人だかりが出来ていた。やはり良いものは良い。しかし、ややしらっちゃけた印象を受けたのは、照明の当て方の問題なのかな?このほか、本館の展示では、円山応挙の『波濤図屏風』が素晴らしいですねえ。息を呑む、というか。荒々しくてうねるようで、飲み込まれるような、迫力のある波。
平成館では、企画展の『宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝』を開催中。近衛家伝来のお宝の数々。本当にお宝だらけ、国宝と重要文化財の目白押し。藤原道長の日記とか、歴代天皇の書を切り貼りしたものとか、もう、国宝だらけでございます。書ばっかりだから地味っちゃ地味なんだけれど、いや、地味じゃないな、書いてる面々が豪華絢爛過ぎる。とにかく、1000年前の人が書いたものがこれだけずらずらと並んでいると、それが書かれた当時に想いを馳せて、遠い旅が出来るのだった。んー、ほいで。江戸時代の、近衞家熙の書は、確かに端正で良いんだけれど、端正すぎる。神経質そうな感じがして、こんな当主はちょっといやだなー。
書以外にも、人形が膨大な数展示されていて、これは純粋に眺めるだけで面白いのでした。