日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

恋する水門 水門ツアーに行ってきました

お招きに与って、水門ツアーに行ってきた。誘ってくださったのは、地上絵師、ハンディGPS片手に自転車を乗り回したりしている(なんと説明するのが一番良いのか…)石川初さん。
http://fieldsmith.net/bslog/
このたび、『恋する水門』という、水門本を出版された佐藤淳一さんのご案内で、江東内部河川と月島の防潮ラインの水門を巡るツアーに行ってきたのだ。
http://jsato.org/

恋する水門 FLOODGATES

恋する水門 FLOODGATES

企画してくださったのは、壁の写真で有名な杉浦貴美子さん
http://portal.nifty.com/2007/09/07/b/
http://wireplants.cocolog-nifty.com/blog/
集合場所(住吉駅)に行ってみると、おお、すごいことになっている。住宅都市整理公団、というかDPZでもお馴染みの大山さん
http://danchidanchi.com/
工場萌えでお馴染みの石井さん
http://d.hatena.ne.jp/wami/
ダムの萩原さん
http://damsite.m78.com/
団地界の勝ち組、最近はTシャツ製造業に身を転じたらしい(違)小林さん、スリバチ学会の方、そしてあの人やあの人も…その筋(どの筋だ)の方には堪らない豪華メンバーで、その筋(だからどの筋だ)で一旗上げたい方はこの場でテロ起こせばいいんじゃないだろうか、という情勢(どんな情勢だ)になっていた。うひゃあ。
佐藤さんが作成した超豪華水門ツアーガイドブック(カラー5枚、すばらしいクオリティ!)と、石川さん作成の年代を追った地図と水位図をいただいて、早速お出かけする。まず、最初に訪れたのが、扇橋閘門

この門は、2つの門の組み合わせになっていて、水門前後の推移を調整して船を通すためのもの。要するに、パナマ運河みたいなものなのだ。
隅田川と荒川に挟まれた地域には江戸時代に掘られた運河が沢山あるのだけれど、工業化に伴う地盤沈下もあり、その多くが0m地帯になっている。その0m地帯を流れる運河は、自然に任せれば、周辺の地盤よりも水位が高くなってしまう。そこで、この2つの川に挟まれた地帯の運河を2つに分けて、西側では潮位にあわせて変動する一方、東側では、ポンプで強制的に排水を行って、荒川の基準水位よりも-1.0mが保たれている。
で、この西側と東側を船が行き来しようとすれば、この水位の差をクリアしなければいけない。そのために設けられたのが、この扇橋閘門というわけなのであり。

うーん、勉強になる。この後も、水門に萌え萌えはもちろんするんだけれど、その地域の歴史的経緯や、防災についての勉強をたっぷりとしながら、の水門ツアーとなるのだった。
普通は入れない、この水門を制御する建物に入れていただき、両方の水門が見渡せるコントロールルームへ。

おお、制御室かっちょいい。丁度、私たちの到着を見計らったように、西側から東側へ向かう(つまり、水位の高いほうから低いほうへ向かう)プレジャーボートがやってきて

制御の実演を見せていただけることになった。歓声を上げて、いっせいにバルコニーに駆け出す立派な大人の皆さん…。船が通り過ぎて、閉じていく水門の写真とりまくり


水門が閉じられて、つまり両側の水門が閉じられると、真ん中に隔離地帯が出来て、その中に船がいる状態になる。そして、西側と同じだった水位が、東側に合わせて見る見るうちに下がっていく。


ちなみに、手前は大山さん。水門の色に合わせて、真っ赤な服でした…。水位が東側と同じになると、後扉が開かれて
 

プレジャーボートが出て行くのだった。開いたばかりの扉から水が滴ってくるので、傘を用意しておくのが通であるらしい。楽しそう。

今現在、この閘門を通る観光船は無く、通行するのはゴミの運搬船プレジャーボート、カヌーなどが主であるとのこと。楽しそうだなあ、船を借りて、運河を巡るツアーをやってみたいな。その後、東京都建設局河川部の方が、大変丁寧に説明してくださるんだけれども(カラー刷りの資料までいただいた)、そしてその説明の十分に興味深かったのだけれども、何しろ皆さんの関心の領域は大変に広いので。東京湾と周辺河川の地図の出来がすばらしいから手に入らないか…なんて話していたり、計器類

に萌え萌えして、アナログな針の動きがたまらん!とか、このフォントが良い!とか、記録用紙を使って何かできないかしらん、と考え出したり、解説してくれる職員の方が軽く苦笑気味であったけれどもこの際あまり気にしない…。そんな、扇橋閘門なのでした


さて、この閘門の次には、小名木川を下って、荒川との境にある新小名木川水門に行くはずであるのだけれど。何しろ参加する人たちが、興味関心が一筋縄ではいかない、一言も二言もある、多岐多種多様にわたる、正面だけ向いて歩けない、首都高運転したら危ない余所見駄目ゼッタイ…まあつまり、目の向く先が分散しすぎてしまって、中々前に進まない。
 
メゾネットの団地に喜び

クリストな工事中に喜び

運河に停泊する船に喜び
そのほか、ありとあらゆる構造物を見ては語りだし、写真を撮り出すので、先に進まない。わはははは。凄い。そもそも、小名木川沿いに、魅力的なものが多すぎるんだけれども。そしてなんとかどうやら、小名木川の終点、新小名木川水門にたどり着く

こっちは裏側。回り込んで

これは回り込む途中だけれど、水門って、生活環境に突如としてぬっと現れる、その違和感が凄い

あわわ、先生、どこから撮ってるんですかw

ちなみにこの水門、専門家(なんの専門家なんだ…)によれば、番号のフォントに影をつけたあたりに、日和った感があってあまりよろしく無いそうだ。

この先も、この問題ってのはちょくちょく出てくるのだけれど。つまり、土木構築物好きの視点から言えば、すべてまず構造ありきで作られた無駄の無さ、というのが、工場にしろ、鉄塔にしろ、ダムにしろ、水門にしろ、そういうものを好む人たちにとっての美しさ、萌え、なのではないかと。佐藤さんはじめ、皆さんが言っておられた。構造に規定される美学。団地好きも、『大勢の人を集住させる』という機能優先で作られた結果の建物に、萌えるという部分があるのではないか。また一方で、団地好きというのは、その土木構築物好きとも少し異なる部分があるのではないか…。
さて、時間もずいぶん押してしまった。ここから地下鉄に乗って、月島へと移動しよう。

3月28日追記

大山さんの記事があがってました。やっぱりうまいなー
 http://portal.nifty.com/2008/03/28/b/
その他、水門ツアーについてはこのあたり
 http://b.hatena.ne.jp/zaikabou/%e6%b0%b4%e9%96%80/