日毎に敵と懶惰に戦う

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東京都庭園美術館『建築の記憶』展

目黒で降りて、東京都庭園美術館に向かう。本日の目的は『建築の記憶』展。建築の写真の展覧会ということなので、これは興味惹かれる展示で、見に行かないわけにいかない。
入り口入って、『土方巽生誕80周年』うんぬんというイベントのご案内のほうにずりずりと興味を惹かれてしまうのだけれど、それ以上の案内がないので限定のイベントかしらんと興味をずりずりずりと引き戻して、建物の中へ。
今回の展示は、庭園美術館の建物を存分に使って、写真の初めから最近の建築に至るまで、建築の写真、写真、写真のオンパレード。最初の部屋にある、熊本城の写真、江戸時代の末期から明治時代初期にかけて撮影された、城のありのままの姿の写真が残っている、これがまずもって素晴らしい。決して万全な状態ではなく、あっちこっちが朽ちていたり、雨戸は外れていたり、瓦屋根の上に上階の戸板が落下していたり、無防備な風であるけれど、やはり威厳と言うか威容をきちんと留めているのだった。江戸城の写真もある。
そして次の部屋、これはもう、建築中のニコライ聖堂の上部から、明治21年にパノラマに撮影された周囲の写真が素晴らしい。軒を競うようにどこまでも並ぶ瓦屋根の建物、建物。100年以上前の東京の光景を、今になって体感できるなんて!手元に古地図があれば、対照しながら穴の開くほど眺めるのに!と悔しい思いをしながら、手元の現代の地図を拡げて写真を眺めること暫し。万世橋や、秋葉の原はすぐに確認できて、一人喜ぶ。ここから動きたくない気分。建築中の東京駅の写真もまた良い。そして、小川一眞撮影の、東宮御所の美しさ!
そして次の部屋。伊東忠太が沖縄に行った際、そして、建築の研究のため留学した中国で撮影した建物の写真、そして詳細なメモ帳が、これまた素晴らしい。首里城紫禁城の美しい姿が、写真に残されるばかりでなく、極彩色のイラストでその装飾、テクスチャが残されているのですね。それにしても写真を見ると、紫禁城首里城も、それぞれなりに朽ちている。朽ち方がまた、良い。
さて進んだ部屋。岸田日出刀の『現代の構成』が萌え萌えです。圧倒的に迫る鉄骨!鉄骨!この本、1ページだけ開かれておいてあったけれど、どのページをめくっても鉄骨オンパレードなのかしら…。ああ、欲しい。
2階に上がって、伊勢神宮やら、前川國男やら、伊東豊雄やら、鈴木理策が撮影した青森県立現代美術館やら、昔の写真に比ぶればインパクトは薄いものの、楽しめる展示でありました。

戻って、横浜のベイクウォーターなどをぶらぶらして、ヨドバシカメラで掃除機を買う。新生活フェアか何かで『2000ポイント贈呈!』ってやっていたけれど、1万ちょぼちょぼの掃除機にまで2000ポイントもサービスしたら商売あがったりじゃなかろーか。
帰宅して、また卵焼きを作ったのだけれど、温度が高すぎたのと卵を一度に入れすぎたのと、その他諸々で、出来損ないの伊達巻になってしまった。季節はずれの伊達巻。