日毎に敵と懶惰に戦う

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文化系女子にも大人気!鉛温泉でレトロすぎる湯治体験

見出しは演出です(コラコラ…
岩手県立近代美術館を出て盛岡駅まで歩き、在来線で花巻まで。夕暮れ迫るこの駅から、今日の宿泊地『鉛温泉藤三旅館』へはバスで向かいます。

http://www.namari-onsen.co.jp/
花巻から豊沢川をさかのぼっていく地帯には温泉地が数多くあるのですが、鉛温泉もその一つで、かなり上流のほうにある一軒宿。とは言え、花巻駅からの路線バスは比較的本数は多いし、新幹線の新花巻駅からは送迎の無料バスがあるし、花巻空港もわりと近い。
ところで花巻空港と言えばDC9のハードランディング事故であり、かつ、そのときのスチュワーデスと乗客が2ちゃんねらーのアドバイスを元に交際を始めて結婚した話があったような気がするけれど誰か覚えていませんか、って話が脱線…。以下、到着したのは夜だったですが、昼間の写真を織り交ぜながら紹介します。

日本秘湯を守る会の会員でもあるこの宿は、深さ1.25mもある『白猿の湯』が有名なんですが、しかし、この宿の魅力は、その自炊部のレトロさにあります。もちろん、普通の旅館でもあり、所謂温泉旅館的にも利用できるんだけれど、湯治を行うための自炊部も併設されている。この宿、楽天トラベルにも積極的に展開していて、その中で、自炊部のほうに泊まるプランも出しているんです。
http://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/9536/9536.html
私がこの宿に始めて泊まったのは4年くらい前で、自炊部に宿泊する、というのが面白そうだから…という気楽な気持ちで行ったら、その面白さに惚れて再訪することになったわけです。さて、ではさっそく、旅館部とかは入り口からして違う、自炊部に入ってみましょう


玄関はいると、すぐ右手が帳場。これがもう、本当に『帳場』としか言いようがない佇まいで、いきなり雰囲気があります。この帳場でチェックイン…いや、チェックインという言葉が似合わないんだけれど、とにかく宿帳を記帳。で、湯治宿なので、いたれりつくせりでセットになってるわけじゃない。楽天トラベルから申し込むと、とりあえず布団とテレビはセットになっているけれど、布団無しにすることも出来る。
今回は1泊2食、布団とテレビなど付いて6090円だったけれど、これはトップシーズンの料金で、このパックの料金は平日だと4500円くらいになります。ほいで、料金のうちに含まれていない浴衣は210円で借りました。もちろん、歯ブラシとか髭剃りとかも別料金です。館内は





もう、レトロとしか言いようがない。掃除はちゃんと行き届いているんだけれど、時代はついちゃっている。そして客室

もちろん、客室に鍵なんてありませんよ!室内にいるときは、室内から簡単な錠がかけられるけれど。そんだけ。人を疑うような環境じゃございません。そしてこれが室内

到着したときは、すでに夕食が運ばれていました。夕食は夕方の5時に一斉に配膳されるのです

え?冷めているんじゃないかって?そんな心配は無用!だって、電子レンジっていう文明の利器があるんですから!ここは自炊部なので、もちろん、宿泊客が自分で煮炊きをするための炊事場があるのです

ここに電子レンジがあるから、冷めていても大丈夫。炊事場には、コイン式のガスレンジもちゃんとあります

山菜のアク抜き?している人もいますね

さて、この建物は川に面しているんですけれど、川に面してロの字になっています。ということは、中庭があるわけですね。以前に泊まったときは川に面した部屋でしたが、この日は混雑しているので、中庭に面した部屋でした。その中庭の夜と昼


うーむ。まるで、ドグラマグラに出てくる開放治療の場のようですね。今にもそのあたりから、桂枝雀がぬっと出てきそうです。客室から中庭越しに見える向こう側など、なかなか、乙なもの

部屋にはテレビがあったので、この夜はカリ城なんか見てましたが…

このコンセントは危ないんじゃないの?なんて、細かいこと気にしちゃ駄目ですよ!

さて、お風呂です。この温泉には5つのお風呂があり、そのうち、湯治部の宿泊客が入れるのは3つ。しかしながら、見るべきお風呂は湯治部でも入れいる2箇所なので、大丈夫です。お風呂環境も万全です。まずは、深さ1.25mの『白猿の湯』


宿の1階から、さらに階段で下った場所にこのお風呂はあります。ここは混浴ですが、女性専用の時間もあるので、女性も安心して入れます。そしてもう一箇所、渓流に面した露天風呂

夜だとよくわかりませんね、実際は、夜でも川の流れが見えてきれいなのですが、わかりやすい昼間の写真


川沿いのすぐから、流れを見、音を聞きながら入る温泉は素晴らしいですね…。ちなみに、こっちは男女別れています。お風呂はもちろん、全部源泉かけながしです。さてこの旅館、もちろんトイレもレトロなのですが…

新聞紙までレトロじゃなくてもいいんでは…。というか、このセレクション、なにか主張を感じますが…
さてこの旅館、旅館部と自炊部は中で繋がっていて、旅館部の人は自炊部にある温泉にも入りに来るのですが、自炊部の人は旅館部には入れません

ああ、高いベルリンの壁…。旅館部はなんだか綺麗そうです

しかし、自動販売機の飲み物の値段は、旅館部は130円、自炊部は120円!リーズナブルな自炊部のほうが素敵です!
そんなこんなで夜は更けて。9時には帳場が閉まって、宿の中は薄暗くなります。自炊部の夜は早い。しかし、朝も早い。温泉の写真を撮りに5時に起きたら、すでにお風呂に入っている人が3人もいました…(まあ、タイミングを見計らって、いないときに撮影しましたが)。朝の7時になると、朝食の一斉配膳。別に、看守が独房の鉄格子をガンガン叩きながら食事を運んでくるわけではありません。ちゃんと丁寧に膳で運んでくれます。

朝食もなかなか立派ですね。ちゃんと部屋まで運んでくれて、こんな温泉に入れて、平日なら4500円。さすが東北。箱根あたりにあったら、いくら取られるか、わかったもんじゃありません。
さてこの宿、自炊するので、当然売店もあり

まあ概ね何でも売っていますし、そして、農閑期に湯治にやってくる年寄りの慰めにこんなイベントも

素人演芸大会!どんな演芸が繰り広げられるのでしょうか。みてみたいですが、この時期の予約は、早くからいっぱいになるそうです…。そんなこんなで楽しいレトロな宿、どうですか一泊、といわず、何泊も!

…え、表題の件ですか?いや、行きのバスに乗り合わせていた20台前半の女子2人の話に耳を傾けていたら、パヒュームとか川上未映子とかそういう話をしていたわけですよ。そして、どこに行くのかなあ、と思っていたら、その二人もここの旅館の自炊部に泊まったではありませんか!アンテナの鋭い文化系女子は、もうこの宿をチェックしてますよ!
なお、ネット環境ですが、手持ちのb-mobileがしっかり使えたので、おそらくAIR-EDGEは大丈夫だと思います。


以下、当日の携帯からの実況です