日毎に敵と懶惰に戦う

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池田町ワイン城

池田駅で下りると、駅前にこんなオブジェがあったりして、ああ、ここはワインの町なのだ、と印象付けてくれる

そして、駅からもよく見えるランドマークに向かう


これが池田の通称ワイン城。なんだかふざけた外観ですが、地下にはワインの貯蔵庫もあるし、ちゃんと働いている建物なのですよ。屋上に上れば、遠くまで一望できる十勝の大地

この建物にはワインショップやレストランがあるんですが、昼飯をレストランですませて、びっくり

すべて北海道の食材を使っているという、この立派な昼ごはんは、なんと680円!北海道恐るべし…。ワインをつけても880円でした。あとから見学ツアーで説明してくれた人によれば、暫く前までレストランを町営でやっていたけれど、民間に委託したらすごく良くなって、さすがですねえ…なんて言ってましたが
その後、ワイン城の見学ツアーに参加。参加者は 5人だけだったので、ブドウ・ブドウ酒研究所の方が、ワイン畑からはじまって、大変丁寧に解説してくれました。


こちらは、寒冷地用に交配して開発された、「清舞」「山幸」という品種。寒さに強いように、元から使われていた品種に、山ブドウを交配。おかげで寒さに強くなったけれど、交配のもとになった品種「清見」は、それほど寒さに強くない品種


だから、冬の寒さをしのぐために、土に埋めなければいけないのだ、とのこと。このあたりのブドウ作りは、同じような気候のドイツに学んでいて、赤字に苦しむ町がワイン作りで再生するまで…という題材で作られたプロジェクトXが、建物のなかでずっと放映されていた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88X%E5%85%A8%E6%94%BE%E9%80%81%E4%BD%9C%E5%93%81%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88
第178回ですね。
説明してくれた方は、ワイン作りはとにかくブドウです、ということを、口をすっぱくして解説してくれたのだった。その後、ブドウを搾る機械、酵母を混ぜる様子、貯蔵タンクなどを見せてくれた後、貯蔵庫へ

赤ワインは、樽の中で熟成された後、瓶詰めにされて、さらにゆっくりと熟成が進むのですね。池田町のワインは、元々、山ブドウで作るワインから出発していて、酸味のある本格的な赤ワインへの志向が強い。解説してくれたお兄さんの言葉にも、そういう思いがあふれ出んばかりだった。昨今はワインブーム、ポリフェノールブームで赤ワインも楽しまれているけれど、それ以前なんかだと、圧倒的に飲みやすい白ワインが…とくに見学に来る若い女性には…人気だったろうから、忸怩たる思いがあったのかもしれないなあ。
見学ツアーのあとは、『山幸』という品種を使ったワインを試飲させてもらいました。山ブドウが強く出ており、非常に酸味の強い、珍しいワイン。ワインだけで楽しむんじゃないんです、食事と合わせてこその赤ワインです、とここでも強調されました。
実際、池田町の人たちは、食事のときによくワインを飲むらしい。町民用の安価なワインもあって、売店でも売られていた

10リットルで6821円。安い。ここの売店で、山ブドウから作られた赤ワインと、28年モノのブランデーを購入したのでした
ワイン上のすぐ脇には観覧車があったのだけれど、動いていなかった。お客さんが来たときだけ動かすのかなあ…

あと、このワイン城の敷地内には、ドリカムの吉田美和が池田町の出身ということで、舞台衣装を展示したギャラリーがあったりします