日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

仕事帰りに南條館長

5時半起床。出かけて、一旦会社。資料を印刷したりして出かけて、途中、サンドイッチで朝御飯にしつつ、北浦和へ。お仕事。あれえ、ってなことがあったが、しかし、思い違いだったらしい。やれやれ。
昼飯後も仕事、打ち合わせ。終了後、また別の打ち合わせ。そして、六本木ヒルズへ移動。アカデミーヒルズの『MORI LIVING サロン』「現代の美術:今世界で何が起っているのかー中国からインド、そしてアブダビへ」へ、森美術館の南條史生館長の話を聞きに行く。森ビルの賃貸に住んでいる人向けのイベントなのだけれど、たまたま行けることになったので
アジアの最近のモダンアートの動向。主に中国について。北京にギャラリーがどんどん出来、海外からギャラリーが進出し、どんどん値段が高騰して飛ぶように売れて、そしてギャラリーの規模はどんどん大きくなっていき…そんな話を、実際のギャラリーの写真を沢山見せられながら聞いていると、なんだか圧倒される。特に、Ai Weiweiによるバウハウス的な建築が並ぶ『草場地村』という、ギャラリーがたくさん集まった地域にあるギャラリーは、『500平米でも小規模の部類』とか、もう半端無い。森美術館よりも広いギャラリーがぼこぼこ沢山ある。欧米や韓国のギャラリーはどんどん進出しているが、日本のギャラリーはほとんど無い、とのこと。東京画廊は古い建物のある地区にギャラリーが100以上集まっている『798』という地区の先駆者であるようだけれども
未整備な法律の抜け穴を潜って、まるで西部の開拓のように、既得権益を求めるように次々に出来ていくギャラリー…もうなんちゅうか、生命力そのものが日本とは桁違いなお話で、すごいもんですなあ、中国は。また、中国のアートはバブル過ぎてどうしようも無いだろ…と思っていたけれど、不動産の私有の無い社会で億単位のお金が動く動産としてのアートの意味とか、聞いていてなるほどなあ、と思うのだった。日本のバブル期だと海外から絵を買ってくるわけですけれど、中国だと一山いくらみたいなのをどんどん作っているわけですからねえ、まあ、すげえわ。
それでも、庶民は、アートには別に興味は無いらしい。外国人のギャラリスト、投機家、大金持ちの中国人だけのものであるらしい。海外からの買い付けがされていたアート業界において、中国国内の新興のお金持ちが『流出を許すな』的な愛国心からアートを買出し、価格が高騰し、海外からの投機が進み、さらに国内の金持ちが…というスパイラル。庶民による文化の下支え、的な側面とは無縁だ。実際、今でも表現の規制はあり、問題のあるギャラリーに突然警察が踏み込んで、公開を中止させたりすることもあると
『それでも面白いのは、国内で発表したら駄目だけど、海外に売ってもいいよ、ってところですね。シンガポールの場合、馬鹿正直に、問題のある表現をするアーティストの活動そのものを制限したりする』
南條さんはシンガポールビエンナーレのディレクターもやっているのだけれど、ああいう、雁字搦めな政体の国なので、表現への厳しい規制もあるらしい。作品の展示に難色を示されたり。そんなシンガポールビエンナーレの話も豊富だった。2006年は予算がたくさんついたけれど、今年はF1の誘致予算に圧迫され、予算が少ない、とのこと!
http://www.singaporebiennale.org/
そのほか、最近、勃興しだしているインドの現代美術。これは美術館・ギャラリーなどのインフラはまだまだ未整備で、アトリエに直接乗り込んで、青田買いをしているような状況らしい。インドの現代美術は最近注目されていて、現在銀座のエルメスでやっている展覧会もインドのアーティストだし
http://ginza.keizai.biz/headline/703/
今年末の森美術館の展覧会も、インドの現代美術を取り上げる
http://www.mori.art.museum/jp/exhibition/index.html
そしてアブダビ、ドバイ…と、中東の最近のアート事情まで。大変に興味深いお話でした。
ロブションの店で、パンを買って帰宅。途中、車内でお経を唱えている…というか、歌うような語るような、まさに節談説教をしているようなおっさんがいて、いいぞもっとやれとワクテカしたが、先が続かずがっかり。帰宅して、チンゲン菜ともやしの炒め物、冷奴。部屋の外から、喧嘩だが奇声を発しているだけだが、いつもでも聞こえてきて、まあ、夏だなあ、と