日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

横浜トリエンナーレ2008 そのほかの会場編

今日は、横浜トリエンナーレのメインの3つの会場以外に行って来たので、そのご報告。最初に言っときます。三渓園は遠いけれど必ず行っとけ!ちなみに、メイン会場編はこちら
横浜トリエンナーレ2008 メイン会場編 - 日毎に敵と懶惰に戦う
というわけで、まずは三渓園から。馬車道からバスで25分、自転車で行っても、めちゃくちゃがんばって15分、普通に行くと30分くらいかかる。そんなこんなで入場。

三渓園は通常入園料500円なんだけれど、横浜トリエンナーレのチケットを持っていれば入れる。しかし、どうも、チケットの日付をちゃんとチェックしていない疑惑…。これは『そういうことになっている』のか『うっかり』なのか『あえてそういうことにしている』のかは不明。下手すると、トリエンナーレのチケット持ってると入場フリーになるのでは疑惑もあるけれど…、まあ、普通はしないよね、そういうことは。
ちなみに、三渓園に最初に入場したばあい、ここの500円のチケットを持って行って横浜トリエンナーレのチケットを購入すれば、500円割引してくれるらしい。で、広い敷地の中を通って

まずは中谷美二子の作品。滝がミストに覆われる『雨月物語』という作品で、これが洒落じゃなく、本当に霧で何にも見えなくなります…



幻想的な空間に包まれる作品。次に、ホルヘ・マキとエドガルド・ルドニツキーの作品

古い仏殿の中、暗闇の空間に入ると、20分あまりのパフォーマンスの間、外に出ることが出来ない。そのパフォーマンスの内容…は、ここでは伏せます。人が何かするわけじゃない。しかし、閉じてしばらくして闇に慣れてくる目、いや、慣れたからだけじゃない、少しずつ、ほんの少しずつ変化する光、ほのかに照らされる仏殿、闇の中に何かが浮かび上がり、そして、その光が潰え、やがて闇に何かが見えるような気がする。仏殿だった空間をうまく使った、インスタレーション
そして内藤礼

…ちなみにこのあたり、全体的に、最初の作品のモヤに包まれています。こちらも古い建物、横笛庵を効果的に使った作品。わずかに作り出される上昇気流と、そっと吹き込む風が、絹糸を翻弄している。静かに眺めていたくなる作品
そして、ティノ・セーガルの作品。場所は、この重要文化財に指定された、大きな古民家の中


その広間で、なにごとやあらん、男女が睦み合う静かなダンスが。この古民家、飛騨から移築されたもので、かつて『大家族制』が採られた地域に建てられていた民家であったとのこと。睦み合う男女の静かなダンスを、縁側に座った観客達が見るとも無くながめている。子供連れの、横浜トリエンナーレとは関係無く訪れた子供づれの親達は、そっと子どもの手を引き家の外に連れ出す。

あるいは軒先から、あるいは窓の桟越しに。まるで夜這いを眺める如くそのさまを眺める我々と、男女の関係は、快楽と、産めよ増やせよという村落、あるいは大家族共同体の衆人環視とが絡み合い、じめじめとして、しかし生命力に溢れた日本の農村の姿が、その共犯関係が浮かび上がってくる。あのね、これは凄いです。作家のティノ・セーガルさんが、どの程度、日本の村落に対する知識を持っているのかようわからんけれど、とにかく観客まで共犯関係に巻き込んだこの作品が凄い。見るべし。まあ、平日でもあのパフォーマンスを延々とやっているのかしらん?というのがなぞであるけれど
…あー、こうやって募集していたのか
http://komu-komu.air-nifty.com/blog/files/tino.pdf
なんか、私、勝手にいろんな意味を読み取りすぎかしらん?
これ以外に、キャメロン・ジェイミーの作品、これはお寺の本堂の中らしいのだけれど、30分以上の待ち時間…と聞いて、ちょっと草臥れたのでやめた。トリス・ヴォナ・ミシェルの作品は、大池の中の島の東屋で、かすかにスピーカーから漏れでる声を聞いていた。ともかく、三渓園は遠いけれど、横浜トリエンナーレの重要な一部なので行ったほうが良い。上手い具合に場所が生かされている
さて、自転車に乗って戻り、次に大さん橋の作品

これは横浜トリエンナーレの…というより、エルメスの作品だなあ。この移動式の『H BOX』の中で、映像作品が上映されている。5分〜20分くらいの8作品が順番に上映されるので、全部見たら大変だろう。しかも中が狭いので、いっぺんに入れる人数も少ない。平日の空いているときに、落ち着いて見たほうがいいんじゃないでしょうか…
そして、この日もメイン会場を再訪してから、運河パークにある『リングドーム』と『イエノイエ』


ちょっとこれは、建築系の人のほうが興味あるかしらん、という内容。そして、ランドマークプラザの『落っこちたら受け止めて』


高い天井の空間にうまく収まった、不安そうな少年の姿印象的な作品。
というわけで、サブ会場一覧。とにかく、三渓園はなるべく行ったほうがいいと思いました