日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

横浜美術館『セザンヌ主義』

6時に一度目が覚めて、また寝て、9時過ぎによたよたと起床。インスタントのとんこつラーメンで朝飯、横浜にちょっと出かけてから元町へ。ちょっとお茶してから横浜美術館へ。開催中の『セザンヌ主義』展は、大層な賑わい、大勢のお客さんが入っていた。
今回の展覧会、普段ならコレクション展を行っているスペースも一部使い、みっちりと圧縮陳列された作品の数には、おおっ、と圧倒されるのだけれど。そして、普段はがらんとしたモダンアートに足を運ぶ機会が多い身としては…特に横浜美術館では
横浜美術館『ゴス展』 - 日毎に敵と懶惰に戦う
横浜美術館『森村泰昌−美の教室、静聴せよ』 - 日毎に敵と懶惰に戦う
というような、あまり入場者数の多くない展覧会に行く機会が多い身としては、その混雑にもおお、っとびっくりするのだけれど。作品の質は…。実は今回の展覧会、『セザンヌ主義』と銘打っているのは、セザンヌの作品も確かに多いのだけれど、それに影響を受けた作家の作品がものすごく多いのだ。それをどんどん無定見…失礼、数で勝負、あいや、とにかくどんどん並べてみましょう、という企画のようなのだった。
肖像画、水浴、風景、静物と、セザンヌの作品の後に、セザンヌから強い影響を受けたパリの、そして日本の作家たちの作品が並んでいる。試行錯誤しながらさまざまな作品を制作していったセザンヌ、そして影響下の作家たちと、多くを並べることによって、絵画表現・技法というものに対する理解が深まる構成になっていて、それはなかなか、企画の人グッジョブではあるんだけれど…。突出した作品があまり無く、似たような絵がとにかく多数並んでいる…という展覧会で、最後のほうではちょっと疲れてしまった。
あ、勿論いい作品もいろいろあったし、須田国太郎の《水浴》なんか良かったし、キュビズムの展開なんか非常に面白いし、とにかく沢山並んでいるので、自分の好みのものだけ注意して見ればいいのかもしれないけど…。空いているときにいったほうがいいな。
今回の展覧会については、駄目だって意見、良かったって意見、それぞれに言及しながらの解説
横浜美のセザンヌ主義展にガッカリ!: いづつやの文化記号
http://ogawama.jp/blog/2008/12/post_642.html
「セザンヌ主義」 | 弐代目・青い日記帳
をあわせて読んでいただくと、非常にわかりやすいのではないかと。
まあそれにしても、よくこれだけ集めたね、ということについては感心しました。日本の美術館にはセザンヌ一杯あるんだねえ。多作な人なんだな。とは言え、地方の公立美術館がとりあえず名前で一通り集めましたよ、って水準の作品が多かったのだけれど…。なお、『地本の公立美術館が名前で一通り集めましたよ』ってのがどのようなことか知りたい向きは、横須賀美術館の常設展を見ると、大変理解が深まると思います。あと一部、横浜美術館のコレクションを、ちょっとこじつけで並べました、ってのもありましたな…。
コレクション展のほうでは、片岡球子の小特集陳列があったのと、写真展示室で『ゴム印刷』の作品がいくつか見られたのが面白かった。
桜木町のフライデーズで遅い昼飯を食べて、帰宅する。