日毎に敵と懶惰に戦う

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ザガットサーベイの投票の季節がやってきた

この記事は、PRTIMESというところが運営している『ブログタイムズ』から依頼されたタイアップ記事みたいなもんではありますが、ザガットサーベイは昔から愛用しているグルメガイドなので、依頼されようとされまいと書くわけです。昔っから買ってるしね

ザガットサーベイ ZAGATSURVEY というガイドブックは、30年前にニューヨークで始まったレストランガイド。それまでの「有識者」によるグルメガイド…ミシュランしかり、ゴーミヨーしかりであるけれど、そういうガイドブックとは性格を異にして、素人の書く口コミ情報を基にして編集されているわけです。だから、当然、褒めているような評価ばかりでなく、辛口の評価がたくさん載っている。
http://www.chintai.net/zagat/
東京版は1999年から発行がはじまり、やはり、口コミの投票をたくさん集めて編集されている。食事、内装、サービスを30点で評価、そして概ねのコストが書かれており、その下に、投票した人たちによるコメントを、編集部が寄せ集めながら編集した文章が書かれています。こんな感じね

東京版のミシュランは…まあ、ホテルについての記載は少しふれたことはあるんだけど
ミシュランガイド東京 ホテル - 日毎に敵と懶惰に戦う
たしかに、あのミシュランが東京の店を評価した!みたいなニュース性はあったのだけれど。本として言うと、大振りな写真が掲載されて、当たり障りのない紹介文とコメントが書かれているだけなので「ふーん、この店が星2つかあ」とか「予算これぐらいなんだあ」くらいしかわからない、読み物としての価値が著しく低いように思うわけで。そこいくと、素人が口勝手に言った評価が集積されており、そして圧倒的な掲載点数を誇るザガット・サーベイは、読み物としても実用的で、非常に役に立つものになっているわけですな。ちなみに、ミシュラン東京の2009年版は掲載店数173、ザガット・サーベイ2009年の東京版は、1284店です。
まあ、ただ、掲載されている店は、おおむね高い店に偏ってはいる。2009年の東京版の平均のディナー価格は、一人8639円。ごくたまに贅沢するお食事レベル。ニューヨーク版の平均価格は4400円だそうなので、非常に高い。そして、この『高い店ばかり』の傾向、どうも近年、徐々に高まっている気がする。東京版の2001年のが手元にあるので、これをぺらぺらめくってみると、いきなり『スターバックス・コーヒー』と『タリーズ・コーヒー』が出てきたり、グローバルダイニング系の店が総登場で全部適度に貶されていたり、『いもや』が大絶賛されていたり、なんだかよくわかんない混沌があったような気がする。まあしかし、2001年版には『つばめグリル』がある一方、2009年版には『つばめグリル』は無いけど『つるとんたん』があったりするので、食事の値段の高い低いにかかわらず、要するに投票者がミーハーだ、というだけの問題もあるのだけれど…
ちなみに、記述の雰囲気を知ってもらうために、2001年版から記述を抜き出してみると

スターバックス・コーヒー』味19、内装17、サービス15、価格1000
店員は「平気で客を待たせる」し、「セルフにしては高い」のに「劇混み」なのは「アメリカン・ブランド」の成せる技、「日本のコーヒー店界に革命を起こした」カフェ。「種類が多い」コーヒーは「自分で好きに」アレンジでき、「全面禁煙」は「喫煙者にはキツイ」けれど、「とりあえずお洒落っぽい」から「緑の看板を見るとパブロフ状態で入ってしまう」人多数。「犬も歩けば…」というほど「増殖」し、「勢いはとどまるところを知らず」。

まあかように、実にミーハーな記述であるんだけれど、その当時のちょっとオサレな東京人の空気が的確に反映された評価に仕上がっていると思うわけです。ほいで、私も、この本を参考にいろいろ飯を食わせていただきました。ただ…どうも近年、特に高額店の評価において、辛口が抑えられている傾向が感じられて。たとえば、かの有名な「次郎」、ミシュランで三つ星を獲得した次郎ですが、2001年版の記述は以下のとおり

「寿司の真髄、これぞ寿司」。「寿司のすばらしさを教えてくれる」「素材に対してしっかりした仕事がなされている」「美しい姿」の寿司は、「最高」ランクを獲得した。ただ、銀座本店は地下だからか「空気が悪い」し、「どう食べるか店員に見られている」ことによる「ストレスを乗り越え」なければ「至福の世界」は広がらない。「常連向け」かも。

2009年版

名人と誉れ高い小野二郎氏の銀座にある寿司屋は、「完璧に仕事がされた寿司はまさに芸術品」「次元が違う」と評価は揺るぎなく、「技術と値段は最高峰だがサービスは微妙」「最低限のサービスはこの味あってこそ。他点が同じ接客をしたら客は来ないだろう」とか。六本木ヒルズの「次男が営む店」は店主の「話が軽快で、興味が深い」とも。豊洲に3番目の支店あり。

という感じで…うーん、特に2009年版のほうが記述が甘い、ということもないか。まあ、どうせ行けない鮨屋の評価、どうでもいいんだけど…。いやしかしね、どうも、記述内容に変遷があるような気はしているんです。2006年版と2007年版について、以前触れた記事ですが
どうしたんだザガット - 日毎に敵と懶惰に戦う
ZAGATSURVEY 2007 - 日毎に敵と懶惰に戦う
あくまで印象なんですけどね。その後、またちょっと変化してきたのかもしれないな
で、まあ、忌憚のない素人の意見なんて、ネットにいくらでも転がっているでしょ、食べログ見ればいいじゃん、と言われればごもっとも。しかし、紙の本にびっちり書かれた店の評価をペラペラとめくりながら読むと、読み物としても面白いし。なによりもその一覧性とほどよい掲載店数から、ぱらぱらっとめくりながら面白そうな店を探す、という楽しみはあると思うのです。編集部がちゃんと監修しているので、素人の評価を取り入れつつ、それなりにまとまった内容にもなっているし。
でさて、この『素人による評価』がどのように行われているかと言うと。以前は紙による投票も行われいて、私も一度、紙で投票したことがあるんだけれど、今はネットからの投票だけになっているみたいです。こちら
http://www.zagat.com/japan/
登録するとすぐに投票できて、東京と横浜のレストランの一覧が出てきます

ここから、地域や料理などで検索して、評価したい店を探します。もちろん、あらかじめ登録されていない店を自分で登録することも可能。登録ボタンを押すと

このような画面が表示されるので、味、内装、サービスを0〜3で評価。価格を記入。そして、その店に対する評価コメントを400字以内で記入します。未登録店の場合の画面はこんなかんじ

このコメントがいろいろ抜き出されて、本に乗るわけね。で、いろんな店を評価した後、自分で評価した店の一覧を表示できるので

この画面で、点数を調整したり、コメントを書き直したり。そして店の登録を終われば送信。すると、この評価がまとめられた2010年のザガットサーベイが、投票者全員に漏れなくもらえる!という、なかなかのサービスの良さ。皆様の評価こそがこの本の元手です、ってのがはっきりしているわけですね。

記入画面のインターフェースはなかなか使いやすいし、ストレスなく書ける。0点から3点の評価だと、もう少し尺度がほしいなあ…という気分になってくる。まあしかし、素人のつける点数の厳密さにはあんまり期待ができないので、そこはそれ、コメント欄に思いの丈をぶつけてください!ってわけなんでしょう。
でねえ、こうやって、およそ5000人分の評価を元に本を作るみたいなのだけれど。ネットで投票しやすくなったことで、以前に比べてさらにミーハーな評価になっているのかなあ、って気はします。平均点数が妙に高くなったり。一人当たりの評価店数が減っているということはないのかな。多数の店に行きながら、バランスよく点数をつけたり、コメントを書いたりする人が減っている感じが、本から感じられるんだけれど。まあともかく、大勢でどんどん投票してこその本ではあるので、この一年それなりに外食したぞ、って方、キッチン・カロリーでも、二郎でも、いもやでも、どんどん投票されるがよろしかろうと思います。全部が全部の投票が有効になっているのか、あるノウハウの元、適度に取捨選択されているのか、それはよくわからないけれども。
投票は6月28日まで。投票した人には漏れなく、2010年のザガット・サーベイが郵送されてきますよ!
ほいで、このザガットサーベイ、関西版に加えて、長野版なんてのがあるんですね。長野県のレストランやホテルを評価しているらしい
ザガット・サーベイ - Wikipedia
こんど長野に出張したら、ちょっと手にとって見ようと思います


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