日毎に敵と懶惰に戦う

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国立近代美術館『ヴィデオを待ちながら』

8時、実家で起床。どうにもはっきりしないお天気で、昼ごろには雨も止んだかな、と思ったら、小降りにはなったけれどまた降ってきて、止む気配がない。自転車で帰宅するのは諦めよう。
電車の乗って渋谷経由、半蔵門へ。半蔵門の駅を下りたら大変良い天気になっており、笑ってしまったけれど、とにかく皇居の周りを歩くのにいい天気で悪いことはない。マラソンする人たちを眺めながら、国立近代美術館へ。今日のお目当ては、企画展の『ヴィデオを待ちながら』。アートのための道具、手段としてのヴィデオが登場してから、おもに1970年代の作品群を紹介する企画展。
ベニヤで仕切られた展示スペース、無造作に置かれたモニター達。ものすごくストイックに並べられた映像作品を次から次へとシャワーのように浴びていく展覧会。若い鑑賞者が多く、熱心にメモをとっている人も結構おり、なんだろう、映像系の学生さんが学習の一環で訪れている感じ…そうなんですよ、なんというか、すごく教育的な展覧会なんだよね。気軽にヴィデオを使えるようになって以降の、アーティストたちとの映像との向かい合い。まず自分をとり、映像の見る側・見られる側の同時刻性を利用し、ヴィデオが切り取るフレームの意味に注目し、一方で身体性に立ち戻り、そしてテレビメディアへのメタ視線・いわゆるマッド作品的なものを織り込みつつ、新たな視線、展開へと。まるでメディアリテラシーの教材のように、次々と現れる作品たちを鑑賞していく展覧会なのです。
いや、これは面白いわ。ほんと、メディア系を専攻している学生、専門学校生は、見に来なきゃいかんと思った。
泉太郎の作品が、これらのふるい作品に混ざって点在しているのが、なかなか象徴的だ。なるほど、泉太郎の作品って、ヴィデオの登場以来、アーティストが試行錯誤してきた方法論を追体験しながら、パロディー的に再構築してるんだ。これまでって、なんか悪い冗談で面白いよね、みたいな見方しかしていなかったけれど、こうやって位置づけてみると見方が変わるね。
例の『事の次第』もあって
ICC『コネクティング・ワールド』 - 日毎に敵と懶惰に戦う

事の次第 [DVD]

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これ、暴力的なピタゴラスイッチ、というべき作品なんですが、30分間の作品で、編集でカットされている箇所が実は20箇所もあるのね。この展覧会の文脈で見ると、ぶつぶつとカットされて編集されていること自体が批評的な意味を持ってくるから、不思議だ。うん、とにかく、面白い展覧会だから、ヴィデオアートの興味のある人はぜひ行くべきだと思うよ。
youtubeに、主催者による紹介映像が上がってます。なんか、ナレーションもなくて、めちゃくちゃ淡々とした映像だけど(笑)コレクション展ももちろん眺めて。相変わらず素晴らしい品揃え。『眼のある風景』も見ることができて、大変満足でした。それにしても、戦争記録画153点を全部展示する展覧会、本当に早くやってくれないかなー。見たいなあ。見たいなあ。
それから、マラソンに励む人たちを見ながら東京駅方面まで。行幸地下ギャラリーの「アート アワード トーキョー 丸の内 2009」。小山登美夫賞の、寺村利規の作品がすごくいいっすね。はろるどさんの紹介が良いのでリンクさせていただきます
「アート アワード トーキョー 丸の内2009」 行幸地下ギャラリー - はろるど
東京駅から電車に乗って桜木町。近所の鶏肉屋でモモ肉の焼いたのとレバーのしぐれ煮を買って帰宅、晩飯にいたしまいた。