日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

じゅんさい沼でぬるぬると戯れる

村山の駅で新幹線を降りると、ホームにはどっからどう見てもid:kokoroshaさんな人とid:merecoさんな人ががが。うわあ、大変、はてな100傑と旅をするんだという覚悟がまだ出来ていません。そして新幹線からこの駅で降りたのは3人だけ。
今回誘っていただいたid:matsukazutoさんと駅前で待ち合わせます。コーディネートありがとうございます。今回は、以前からメレ子さんのプロフィールにある『夢はじゅんさい採り』を実現する旅に、ちょっと同道させて貰います。村山の駅から、車でじゅんさい沼へ。『じゅんさい沼』と聞いていたので、山奥にひっそりとある、オオサンショウウオでも住んでいそうな底なしの大沼なのかしら…と勝手に想像していたのですが。道沿いに広がる、のんびりした光景なのでした。
http://www.city.murayama.lg.jp/0180sangyoukeizai/kurashi/nousonseibi/junsai.htm

予約した時間まで少しあったので、じゅんさい沼併設のそばやで昼飯。甚だのんびりと出てきましたが、じゅんさい採りの予約時間に合わせてそばを出す配慮だったのでしょう、我々がじゅんさい採りをする人だと知らないはずなのに、なんというホスピタリティ! サンクチュアリ出版は、『最後のパレード』ではなく『じゅんさい沼の教え』という本を出すべきでした。そばは極太でそば粉の味がしっかりします。

さてじゅんさい採り。採る?どうやって?そもそもじゅんさいってどうやって生えてるんでしょうか。私はこの日まで知りませんでした。ジュンサイは多年生の浮葉植物で、沼の底から茎が伸びて、水面上に葉のみ顔を出しています。そして、茎の途中からまばらに芽が出てきて、放っておけばこれもまた水面に顔を出すのですが

これこのように、その若い芽を摘むわけですね。若い芽を摘む。大きくなってくるとちょっといがらっぽくなるので、とにかくなるべく若い芽のうちに摘んだほうが美味しい。若い芽のうちに摘んだほうが美味しい。葉だけ取らずに、茎から分かれている部分の根元から採ると美味しい。根元から採ると美味しい。繰り返しに特に意味はありませんが、とにかく、なかなか背徳的な食べ物です。出てきたばかりの若い芽は、勿論、寒天質の粘膜に厚く覆われているのですが、水面に顔を出した葉の裏や、茎も、すべてぬるぬるしています。
そして、水中にある若い芽を摘む、若い芽を摘む(しつこい)ことになるため、船の上から身を乗り出して作業することになるわけでして、万が一のためのライフジャケットを着込みます。この『万が一』というのも曲者で。本当に万に一つくらいしか起きない場合もあれば、10人に一人ぐらいは不幸な目に合うこともある、ということを人生の中で学んでいくわけで、『万が一』でくくらないで欲しいのですが、見分ける力も年の功。このじゅんさい沼の『万が一』は、10人に一人くらいの匂いがぷんぷんします…。ライフジャケットを着込むと、いよいよ船へ。舟と言っても

こういう小舟ですが…。なんか、水浸しになっている船もあって

『若干水漏れしている場合もありますので、適宜水を汲み出してください』って恐ろしいな!
沼は2つありまして、大きい沼のほうではプロの人(農家の人が副収入でやっているのかな?)がたくさん活躍していましたが

われわれは、お勧めされるままに、小さい沼のほうが沢山あるよ!って言われて小さい沼のほうへ。真偽のほどはいかに。でも、こっちの沼は私たち以外には誰もおらず独占。ちょっとくらいお痛しても何にも云われません。お痛って具体的に何なのか、よくわからないけど…

さて、さっそく船に乗り込みますよ!乗る時は結構怖いし、係りの人には『舫っているのを外すと岸から舟が離れます、それでそのまま落ちる人とかいて…』と聞いてさらに恐怖。けれど、いったん乗ってしまえばこんな感じ

…写真が誰だかについては特に触れませんが。とにかく、屈み込んで、水面から水中へと。じっとりとにらめっこしながら、ぬめぬめする茎を掻き分けて目的のブツを探すわけで、なかなかに地味な作業です…


でも、水の中に手を突っ込んで、そこらじゅうを這いずり回る源五郎の小さいの?みたいなのと戯れながら、じゅんさいを探す作業は妙に楽しい!よくわかんないけど楽しいです、これ。じゅんさいはとりあえず手を突っ込めばどこにでもある…というわけでもなく、宝探し感覚で楽しめます。おお、取れた!

夢中になって水面に屈み込み

ふと見上げると、夏の雲!

なんだかすっごく楽しい、これ。水中は大変生物が豊富な環境で、ちょっと飽きると、虫の写真を取り出したり、めだかを追いかけたり。じゅんさいは茎も葉の裏もぬるぬるしているので、触手マニアの方は、指に巻きつけたりしながら、あらぬ妄想にふけるのもお勧めです…。そうこうするうちに、結構採れたよ!

しかし、これだけ採るのでも大変なのに、普通に売っているじゅんさいとか、どれだけ熟練の技があればあんなにいっぱい採れるんでしょーか…。不思議。結局、1時間1000円のはずだったのに、楽しい時間が過ぎるのは夢のうち、30分近くオーバーしてしまいました。でも、すっごいアバウトなので(そもそも、時間になっても誰も呼びにきません…)、何も言われずに終了したのでした。
採ったじゅんさいは、そのままお持ち帰りができるようになっています。湯がいて山葵醤油で食べたり、鍋に入れたりすると良いみたい。じゅんさい採り、楽しいです。シーズンが本当に今だけですが、こっち方面にお出かけの際は、ぜひ、やっていただきたいと思います。この『大谷地沼』のじゅんさいは、沼の人が自画自賛するとおり、実際美味かった!

この後、コテージに泊まったりバーベキューしたりするのですが、それはまた改めて。
マツカヅトさんとメレ山さんの記事も上がっていたので、そちらもどぞー
2009-07-10 - ポンパドール・パラソル:野望編
夏雲湧く沼に船を浮かべてヌルヌルじゅんさいを堪能 - メレンゲが腐るほど恋したい