日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

自転車で行く京都(今日はお寺は無しよ!)

生駒で朝仕事を終えて、通勤ラッシュになりかけの近鉄で京都駅に到着したのが8時。今日は代休を取っているので、京都観光をしよう。東京で見逃してしまった、京都国立博物館長谷川等伯展と、京都国立近代美術館の『マイ・フェイバリット』の2つの展覧会を見るのが目的なのだけれど、そこはそれ、それだけでは面白くない。折角の京都。今回は自転車で周遊してみようと思って、レンタサイクルにあたりをつけてきたのだった。
さて、とは言え、まずはひげも剃りたいし、着替えたいし、顔ぐらい洗いたい。あんまり汚くない男子トイレ無いかな…と探したら、よいところがありました。
ジェイアール京都伊勢丹
ここの3階は、JRの西改札口を出て正面、エスカレータをちょっと上ったところなのだけれど。トイレがあるという表示もされていないので、あまり人がやってこない。店舗はこの時間にはまだ営業していないので、近づく人もあまり無い。そして、ウォシュレットもあって、広くて綺麗で新しい!素晴らしい。ちょっと拝借して着替えさせていただき、身だしなみも整えた。穴場です。
地下街の喫茶店でモーニングを食べて、さて自転車を借りよう。今回、利用したのはこちら
レンタサイクル京都最大台数!京都駅徒歩2分|KCTP|レンタサイクル&サイクリングツアー 京都サイクリングツアープロジェクト
郵便局の裏手にあり、駅から徒歩5分くらいの店舗。自転車のグレードもいろいろ準備されている。すぐ近くにあるオムロン本社に吸い込まれていく社員と、入り口で辻立ちしている新入社員…いかにもな体育会系京都企業的な何かに圧倒されつつ自転車をレンタル。1000円で、3段変速の街乗り自転車、9時から19時まで。保証金とかはいらなかった。自転車で旅するのに便利そうな地図100円も購入。このお店、自転車で行く京都ツアーなんかも企画しているみたい。
さて、まずは、東本願寺を横目に国立博物館に向かいましょう。いちばん安く借りられる自転車、あまりスピードは出ないから遠出には向かないけれど、洛中あたりを風景を見ながら旅するには、ちょうどいい感じなんじゃないかな。そして京都国立博物館長谷川等伯展には、オープンの9時30分に到着したんだけれど…
http://tohaku.exh.jp/

オープン時点で、すでに30分待ち!凄いなあ。チケットを購入し、行列にならんできっかり10時ごろに中に。入り口付近は仏画が多く、お年寄りがじっくり見ているので、このへんは飛ばして中へ急ぐ。これが正解。今回の展覧会、ボリュームが多すぎるので、はじめから頑張ると疲れてしまう。で、最後のほうのお楽しみをぐったりと流し気味になって…はもったいない。実は最初のほうの絵はですね、自分的には、確かにうまいけどそれほど特徴は…という感じ。最初にぐっときたのは、園徳院の山水図襖。ああ、これが等伯だ、と感嘆。
肖像画も適当に流して、金碧画の部屋。国宝の楓図壁貼付と松に秋草図屏風、それぞれに迫力と構成の妙はあるんだけれど、やはりぐっとくるのは波濤図であり、その奇想に圧倒されてここで動けなくなってしまった。こりゃすごいや。あとは怒涛のごとし。超巨大な仏涅槃図と弁慶昌俊相騎図絵馬の大迫力、特に絵馬は、下から覗きこむように見るとその迫力たるや!ですね。いよいよクライマックスの水墨画に進み、竹林猿侯図屏風のふあふあしたかわいらしさにほお、っとなり、そのほか超絶技巧の水墨画の数々に度肝を抜かれっぱなしになる。でも、やっぱり、松林図屏風ですねえ…
上野の国立博物館で以前に観た際は、屏風として飾られていたけれど、今回は本来の制作意図を鑑みて、襖状に真っすぐに並べられている。いやね、最初に観たとき、なんだか照明も少し明るめだし、ちょっとしらっちゃけてるなあ、と思ったのよ。でも、じっくり見ていくと、新しい魅力を発見したようであり。これまでは幽玄の極み…みたいな見方をしていたんだけれど、違うんですね、これは。能登の荒波を前に、したたらんばかりの水気を含んだ霧の中に見え隠れする松の姿は、実に瑞々しくて明るいんだ。なんか、一連の水墨画の続き、ではなくて、一頭地抜けた境地のような気がしてきた。対面にある、いかにも幽玄ですよー、的な、月夜松林図屏風、これは等伯の作ではないんですけどね。この魅力の無さと比較すると、ますます際立って、松林図屏風が良く見える。いや、やっぱり凄いわ、これ。
その後、会場内を行ったり来たりして作品を眺めて…。確かに混んではいるんだけれど、ストレスを感じるほどではなく、ふっと途切れた時にじっくり向かい合うこともできた。うん、やっぱり、来てよかったよ等伯。感動した。お土産コーナーを覗いて11時をかなり過ぎたころに出てみれば、行列は100分になっていた

公式サイトを見ると、過去1週間の混雑具合が書かれているので、参考にするとよろしいでしょう。ただし、会期の後半に向かってどんどん混雑はましていますがね…。5月9日までです
さて、また自転車に跨って。清水寺はどうしようかな、と思ったけれど、制服姿の修学旅行生にうんざりしそうなのでパス。ちょっと高台寺の周辺の路地に足を踏み入れる。このあたり、今回参考にしたのがこの本でしてね

最近、エルマガの別冊を見るたびに買ってしまう病気でしてね…。なんでエルマガの本はなんでもかんでも外れが無いんだろう。エルマガめ…と悔しいほどです。横浜のこれも素晴らしかったし
横浜で美味いものが食いたいみなさんへ! - 日毎に敵と懶惰に戦う
さすが地元京都、これまた魅力的な店やら街やら紹介されています。オススメです。ほいでまあ、石堀小路の『田舎亭』って泊ってみたいなあ、と思いながら通りがかり

ちょうど、海外からの観光客がゆっくり出立するところだったのだろうか、宿のおばさんに祇園の行き方を聞きながら地図を広げていた。いいなあ。小路を抜けて

八坂さんも南禅寺も今回はスルーして、とりあえず覗いておこう、のこちら

一澤信三郎帆布。裁判は決着ついたんだっけ?まあ高いとは思うけれど、特に花柄のデザインが素敵であり。ペンケースを買いました。ベトナム土産をそろそろ引退させて、こっちにしてみよう。さらに北上、平安神宮方面に向かい、京都国立近代美術館

今回の企画展覧会
マイ・フェイバリット——とある美術の検索目録/所蔵作品から | 京都国立近代美術館
コレクションの中から、なんとも分類しにくい『その他』に分類されたものをどんどん並べていく展覧会。それぞれの質の高さも素晴らしいのだけれど、いや、並べ方が、プロの仕事を見た、って感じです。特にやなぎみわの映像作品と宮島達男と、あとなんだったっけな、暗い部屋に3つの作品をごそっと置いてある部屋ね。びっくりした。ほとんど悪乗りとしか思えない『お札』関連の作品をひたすら並べてみた部屋とか。森美術館六本木クロッシングを企画した人、ちょっと見習ってください。たいっへん、挑発的な素敵な展覧会でした。思えば、ウィリアムケントリッジも、椿昇も、今年面白いと思った展覧会は、みんな京都の企画だ。京都すごい
必見の展覧会『ウィリアム・ケントリッジ』。その他、DOMANI展、銀座など - 日毎に敵と懶惰に戦う
土曜日の日記前半戦、椿昇展は行ったほうが良い - 日毎に敵と懶惰に戦う
堪能したら、12時30分だ。そろそろお昼も食べたいけれど、ちょっと北に向かって足を伸ばそう。疏水沿いを走って一乗寺、伝説のお店へ

恵文社一乗寺店 オンラインショップ
ちょwこれは想像以上にやばい!ほんのチョイスも、雑貨のチョイスも、センスが半端ない…。ちょっと油断していたら、簡単に1万2万…ということになりそうなので、必死に自重しながら店内ふらふら。時間が経つのはあっとゆーま。なんとか我慢しました…。そしてさらに北に向かい、修学院から北山通り、高野川を跨いで

紫竹のほうへ。わざわざ予約もした和菓子屋さん

[食べログ]アクセスが制限されています
実に商売っ気の無い和菓子屋で、店内に入ってしばらく待っていたら、ようやく店の人が出てきた。で、予約していた『旅奴』というお菓子だけ購入。店頭に商品見本だけ置かれており、店の奥から取り出してきて売ってくれる。こういう雰囲気、六本木の山田屋まんじゅうもおんなじみたいだなあ。和菓子屋の理想形態なのかもしれん…。さて店を出て、今度は南下。大徳寺の脇を抜けて…今回、お寺は、大徳寺の大仙院だけ寄ってみた。大徳寺って馬鹿みたいに広いのね…。そして大仙院は、案内の釣り書きが多すぎてちょっと萎えました…。大阪のおばちゃんの団体を案内している坊さんのぶっちゃけトークは面白かったけどね
さてもう3時、お昼にしましょう。こちらで

さらさ西陣へようこそ
銭湯をリノベーションしたカフェ



ランチがボリュームたっぷりで、実においしゅうございました…そして飯を食ったら風呂だ!すぐ近所に、銭湯好きで行かなきゃもぐり、みたいな銭湯があるそうな


登録有形文化財にもなっている『船岡温泉』、構えからして凄い。カウンターでの店の人とお客さんの話を聞いていると、地元の人に愛されている銭湯なんだなあ、ってのがよくわかる。そして中も凄い


サウナや檜の露天風呂に入っても410円ぽっきり。体が溶けていくようです…温泉じゃないんだけどね。お風呂もいろいろあったなあ。海外からの観光客がおっかなびっくり入っていたよ。よいお湯でした。さて、風呂からあがればもう4時半だ、ぼちぼち、引き上げ体制に入ろう。路地を抜けて

砂利にタイヤを取られながら、京都御所の中を通り


白川にて、なにやらドラマを感じさせる2人

南禅寺前では、坊さんが、若い衆を『俺の金や、乗れ乗れ!』とタクシーに乗せていた

ちょっとよーじやを覗いてから都をどりで賑やかな祇園を抜けて(写真を撮ってないな!)、路地をうろうろ走っていたら、小山登美夫ギャラリーの前を偶然通りかかる。
Tomio Koyama Gallery 小山登美夫ギャラリー – Tomio Koyama Gallery 小山登美夫ギャラリー
おかげで岡本太郎の版画が見られました。ギャラリーのお姉さんとの会話は、もっぱら、等伯展の混雑でした。そんなわけで、京都駅まで辿りつき、自転車を返して7時前。自転車で巡るのも良いもんですね

every trailにもupしてみました
Explore 京都自転車の旅 | AllTrails.com



さてさて、ここからは余禄。京阪で大阪に向かいたかったので、わざわざバスにのって出町柳まで。後ろに座った女性が『東京海上伊勢丹は最終で駄目だった…』とか携帯電話で話しているのを聞きつつ。出町柳から京阪特急に乗り、淀屋橋で降りて、大阪の心の店へ

お探しの店舗のページはありませんでした

久しぶりに来たら、ずいぶんリニューアルしている


そして、以前よりも親しみやすい店になっていた。詳しくはこのへん見てほしいんですけどね。というか、食べログに店登録したのは俺なんだけどね
『遊亀・淀屋橋』 - 酒無くして何の人生か - よっぱらい研究所@はてな
元々安かった日本酒が、ますます親しみやすい価格に。値段がおかしいです…

量は、3杯飲んで2合かな?ってとこだけど。ビールをたちまちのうちにあけて、純米活性にごり300円、さらに60%の純米吟醸生酒280円を頼んだら、一升瓶ごと渡されたり

近江の味は相変わらず美味いんだけど、なんと!今日は鮒ずしが無い!がーん、だな。なので、なんか変ったもの、とお願いしたら、山葵の茎のつくだ煮、辛しレンコン、ホタルイカの干したの…と、さらにお酒のすすみそうなものが出てきました。精米40%の生酒を追加して、はわー、幸せ…。そろそろバスに時間なのでお暇したけれど、絶対また来るぞ…
そして、帰りはOCAT(JRなんば駅)から、夜行バスで。

横4列の夜行バス、日によっては3500円で乗れる、JRの激安バス。青春エコドリーム号。その分狭いので寝れるかどうか…と思ったけれど、2階の最後尾で、座ったとたん熟睡、だって木曜日の朝5時に起きて、それから一睡もしてなかったんだもんね、そりゃ寝るわ…。翌朝、6時前の足柄サービスエリアで気がつくまで、まったく起きなかったのでした…