日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

沼津から修善寺、亀石峠を越えて熱海へ

沼津の宿で早めに目覚める。宿の名前を敢えて書いてないのではなく、思い出せないのです…。いい天気、自転車日和だ。布団を上げて部屋を片付けて下りてみたら、これから仕事に出掛ける人たちがロビーに大勢集まっていた。建設業のおっちゃんたちがよく使う宿なのかな。バンに大勢で乗ってどこかに向かってましたです。まだ7時、お疲れ様。私も出たいのだけれど、宿の人がおらず、お金が払えない…宿帳も何も書いてないし、このまま出てもわからないのではないか。しばらく呼んだら出てきたので、3500円ぽっきりを払って出立。
まずは腹ごしらえのため、沼津駅へ。通勤、通学の人達が自転車で大勢、駅に向かっている。

さて、朝飯はマクドナルドかな…

おや…?

あらあら、今日で閉店か!マクドナルドは店舗の整理をしていると聞いていたけれど、こんな駅前の商店街の店舗も閉めるとは。たしかに、立派なアーケードはあるものの、見事なまでのシャッター商店街であったが。店内に入ると、ふせんがいっぱい貼られておりました。


マクドナルドも、32年ともなると、愛着のある人が大勢いるのね…。

ヴェルタースオリジナルみたいな…
朝マックして、さて出掛けよう。まずはちょっと、漁港のほうまで。朝の漁港は、人が大勢いて騒がしく、賑やか


セリの様子を眺められるのですね、って、このあたり、5月1日のアド街に出てましたね。8時過ぎだと、もう閑散としていたけれど


ちょっと北に向かうと、海岸と、見事な松林と、そして富士山。沼津からの富士山は大きい

海岸に富士山の絵が描かれている

そして南に下れば、港の向こうの富士山

海なのに、湖みたいな貸しボートが…。沖に流されてしまったりしないんでしょうか。駿河湾は大丈夫なのか?

沼津は、マンホールの蓋も富士山ですね

さて、では、これから修善寺に向かう。元々、国道414号線を海岸線沿いに下って、伊豆長岡のあたりから内陸に入るつもりだった。だけど、朝、宿の親父に『自転車でこれから修善寺に向かうんですよ』と話したら、狩野川の土手を行くのがいいですよ、と言う。遠回りにはなるけれど、折角のオススメなので、言葉のままに従うことにした。狩野川の河口付近からは、富士山が実に見事に見える

そして土手の道は、綺麗に舗装されていて、実に良いサイクリングコースになっている。富士山がビルの間からぴょこんと顔を出したりするの、いいですね

遠足の小学生と沢山すれ違いつつ、遡上。途中、唐突に何度か道が途切れて、どういったものだかわからないなりつつも、概ね快適な道

河口から18kmほど遡ったところに、御役所の事務所と資料館があった

狩野川の治水、伊豆長岡から海へ抜ける放水路、そして昭和33年に大被害を出した狩野川台風についての資料館
狩野川台風 - Wikipedia
この資料館に、狩野川のサイクリングロードマップが貼ってあって、これがまた大層よくできた地図でしてな。これ欲しいなあ。沼津から修善寺まで、28kmのサイクリングロード

さらにさかのぼる。景色は概ね穏やか、お天気もよく、自転車が気持ち良い

で、修善寺橋。サイクリングロードはここまで

この橋は、修善寺の駅から温泉街に向かう時に渡る橋。温泉街に向かい、まずはちょっと早いけれど昼飯にしよう。前回訪れた
修善寺で美味さに唸る夜 - 日毎に敵と懶惰に戦う
同じ店、わらしなで天ざる。大根と、豆腐と、しいたけの天ぷらがとにかく美味いのよー

そして、前回食べ損ねたオムライスも食べちゃおうかな!このドミグラスソースが美味いのよー

なんか、脳みその回路がどっか、ぱーっと開ける感じ。あ、ちなみに上の写真、スプーンだけでいいのに箸を置いてありますが。これは写真を撮ろうとしたら、店の奥さんがわざわざ置いてくれたものです。わりとお節介な店です。ごちそうさま。ついでに風呂も入る。修善寺のお湯は、しっとりしていて、本当に飽きないお湯です


ちょっとお土産を買い、仕事の電話がかかってきてしまったので内心悪態をつきながら対応して、さて、修善寺の街を出る。一旦修善寺の駅まで下り、県道80号線をサイクルスポーツセンターのほうへ向かう。またしても登り、でもゆるゆるしてます

もちろん、やさしくしますとも…。途中で、県道から外れて、サイクルスポーツセンター方面へ

この交差点のところに大変良い神社があるのだが、どのように良いかを書くと個人的にいろいろアレなので、書かない。

ここからの登りはちょっときつくなって、ひいふうひいふう行っていると、あー、競輪学校だ!


ギャンブルレーサーで知るのみの競輪学校。中ではどんな地獄の特訓が行われているんでしょうか。そして、自転車のテーマパーク、サイクルスポーツセンター

土日だったら、ピストを借りて400mトラックを走れたりするみたいなんですけどねー。

自分で自転車持ち込んで、中の5kmロードを走ったりできるみたいだけれど、今はそんな気分には…(笑)しばらく休憩して出立。この先、山伏峠を通って網代に下りるルートと、亀石峠を通って宇佐美に下りるルートがあって。山伏峠経由のほうが網代に出られるので近道かもしれないけれど、山伏峠は510m、亀石峠は451m。亀石峠のほうがメジャーなルートらしいし、宇佐美から海沿いを走ってみたいし、亀石峠ルートにしておこう。

……この看板見たら、意味も無くこれ思い出してね…疲れてるのかな…
おちんちんランド - アンサイクロペディア
サイクルスポーツセンターから峠に向かうには一旦下らなければならず、こういう時が、一番、どっと疲れが出る時ではある…。そして下ってからは、しばらく、峠に向かってキツイ登りだよー!わぁい

そして亀石峠。標高451m。伊豆の東と西を分ける山の稜線に有料道路があるんだけれど、これは自転車専用自動車専用なので通れず。海に向かって峠を下るのみです


で、ねー。この下りが、10%のあんまり気持ちの良い下りだったんだけれど。途中でカーブを曲がり切れず、あわわっわっわ、と思う間に、なんとか止まって…しかし側溝に落ちたー。うううう。体にはダメージがないけれど、いや、今のところ無いだけで、1か月くらいあとに全身麻痺が起きて二度と立ち上がれない体にあるかどうかは現時点ではわからないけれどとにかく、なんか後輪に違和感が。ちょっと歪んでいるような気がする。もろいなー。って、俺が悪いんだけどな…。それでも走るのにはそれほど不自由がなさそうだったので、以降、安全運転で下り

…なんか、あんまりお近づきになりたくない感じのお寺。そして山を下っていったんだけれども、そろそろ宇佐美の街だぞ、ってあたりで、パシュー、というか、ピキャーって感じの凄い音が。これはやっちまったなー、という感じ。パンクです。さっきのダメージで弱くなったところからやられたみたいです…。仕方なく、iPhoneで調べて、宇佐美の街中の自転車屋まで歩き、修理。後輪の歪んだのは、ちょっとスポークを弄って治るレベルじゃないですね、という。とにかく横浜まで行かないといけないのでパンク修理をお願いした。自転車屋さんも、大森署の防犯登録ステッカーを見た時点で自体を悟ったらしく、預かったらどうとでもしますがそうもいきませんよね…と、修理してくれた。チューブごと替えないと駄目でした。3500円也
けっこう時間を食ってしまったので、おとなしく、135号線を熱海に向かおう

途中、網代のあたりで今日の宿を探そう…と楽天トラベルを見たんだけれど、楽天トラベル面白くないなー。最近、力落ちてませんか?じゃらんでも探したところ、安くて良さげなところを発見。しかし、なぜかログインしようとするとシステムエラー。仕方がないので、今日も直接電話して予約し、宿に行きました。国道から街中に向かうのがわけわからなくなりつつ、なんとか駅にたどり着き

さらに山を登ること数分、お宿はこちら
http://www.villa-group.com/momoyama/index.php
素泊まり4500円。割り切った感じのよいお宿。本館が4階建て、その上に別館があり、エレベーターがないので、ロビーから客室まで103段の階段を上るのがアレですが、部屋は広くてベッドは大きくて快適。部屋からは熱海の街が良く見える

手前に見えるのが、本館の屋上にある展望露天風呂。2つの風呂をそれぞれ貸し切りにして使うのでタイミングをはかるのが少し難しいけれど、いいお風呂

風呂上りに、ここでビールでも飲みながらぼんやりしたら気持ちよさそう!

とりあえず露天風呂で汗を流し(普通の風呂は本館の1階にあるので、遠い…)、さて晩飯を食べに出掛けよう。

本日は、かなり歩いて、中華料理屋の大一楼という店。熱海一の老舗中華らしい

とりあえず瓶ビールに餃子、ニラレバ注文。中華料理では、生ビールって頼む気にならないのよね。ビール飲みながら餃子とニラレバ、そして、この店名物だという揚げワンタン。揚げワンタンうまいなあ!ニラレバも良い。ビールもう1本。中華料理屋って、なんでこんなに落ち着くんだろう。接客の距離感がいいんだろうな。適当にぶっきらぼうで。そして、最後に韮麺

四川省の豚肉と漬物、そしてたっぷりの韮。最後に自家製のラー油を入れたら、また美味かった。うん、全体的に味の良い、結構なお店でした。ほろ酔い気分で歩く。おお、古い旅館。

フロントとロビー…と言いたくないな、帳場の感じからして雰囲気があって、こんどはこういう宿に泊まってみたい。あのね、熱海って、団体客的なバブルが崩壊して酷い状態…みたいなイメージがしばらく強かったと思うんですよ。でも街を歩いてみると、適度なアブラの抜け具合が、良い加減になってきているんじゃないかなー、と思う。賑わい、寂れた感じ、猥雑さ、いろんな要素が混然一体になっていて、そこに新しい芽吹きも感じられる。さっきみたいな古い宿も、飛び込みで安く泊まれるみたい。その他街を歩いていると、本日泊まれます、という安い宿がたくさんある。ネットでつまらないビジネスホテルなんか探さなくても、ふらっと熱海駅に降りれば、いくらでも面白い宿が、それも安く、あるんじゃないか。
気合い入れて旅館見つけて…みたいなときは、修善寺とか箱根の高い旅館をとりますけどね。仕事あがり、東京駅から、熱海行きの東海道線に、ふらふらと終点まで乗りたくなってしまって…。なんて時、ふらりと熱海を訪れる…なんてシチュエーションを考えるとさ。熱海は、今、とても面白い街なんじゃないかと思うんですよ。
駅に戻ってきたのが9時半ごろ、まだ電車にのればすぐに帰れるんだなあ。自転車をバラして東京方面に帰ろうとしている人がいました

またまた坂道を上り、階段を上り、お部屋へ。もう一度露天風呂に入って、通過していく新幹線を眺めて



ああ、いつもは、あの新幹線に乗って家路を急いでいるのだなあ。今日はこうして、温泉に入って新幹線を見下ろしている。次に新幹線に乗った時は、この熱海の夜を思い出してしまうのだろう。………おやすみなさい


本日の走行距離は77kmでした


沼津から修善寺、そして熱海へ - biking trip | EveryTrail