日毎に敵と懶惰に戦う

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江戸川で、ボートレースは舟券を買ってはじめて面白くなることを知る



CyberBuzzの案件で、江戸川ボートレースに行ってきました。新小岩の駅からタクシーで現地へ…と大変贅沢な行程。帰りならば勝ってタクシーも負けてオケラ街道もわかるんですが、行くときにタクシーとかいいんでしょうか(笑)。江戸川沿いを下っていって、どーん、と江戸川ボートレース

なぜか大魔神…。ところでこの大魔神、設定の等身大だそうで、4.5m。4.5mしかないんだね。映画の時代設定から、それぐらいでも凄く大きく感じたのかな。ゴジラの身長が初期は50mだったけど、その後、ビルの高層化に合わせてどんどん大きくなったことに今更得心…すみません、いきなり話が脱線。
さて本日は、100円を支払ってこの正面玄関から入らずに、脇の別の入り口へ。ボートレース江戸川には、2000円で全400席の特別観覧席『エグゼ』、4000円で全52席のプレミアラウンジ『遊』があります。6階にある『プレミアラウンジ』はとてもゆったりしていて、こんなところで舟券買ったら気が大きくなりそうだ…と思ったら…なんとさらにその奥に、カードキーが無いと空かない扉が!ワインセラーをわき目に見ながら7階に上ると、おおふ



なんじゃここはー、という豪華なお部屋が。笹川良一先生専用ルーム?ではありません。お金払っても普通は入れない『プラチナクラブ』というところで、最近になって、イベントなどで解放しだしたのだとか。今日はここでボートレース観戦、舟券も勿論ここで買えるという、なかなか得がたい体験をすることになりました。
さて、江戸川ボートレースは、全国で唯一、川で行われるボートレース。そのためにレースの条件面でも予想の要素となるんですが、それ以外でも面白いことがあって。屋形船からボートレース観戦なんて企画もあるんですね。上の写真にちょこっと小さく写っているこれ

午前中はこのプラチナクラブから観覧、第5レースを屋形船から見るって、面白そうなツアー、次は9月20日開催で、値段も相当お得だ
JTB店舗検索(条件で検索)
そして、川沿いにレース場があるので、川沿いにある一般道路をレース中は閉鎖して行われたり

レースに使うボートを、堤防を超えて運ぶためのクレーンがあったり

目の前に高速道路がどーんと見える景観と合わせて、自分のような趣味者(どんな趣味者だ)的にもなかなか興味深いボートレース場なのでありますよ。
さてさて、そんなこんなで、食べ物が出てきたり生ビール飲み放題だったりでうひゃあ、って感じですが、ボートレースに来たからには、舟券を買わなければはじまりません。競馬なら馬券、競輪なら車券、ボートレースなら舟券。ところでさっきから私、『競艇』といわずに『ボートレース』と言っていますが、最近は興行主のほうで『ボートレース』と呼んでほしいそうなので…そうしてます。
以前から、どうもボートレースって魅力がよくわからなくて。競馬にあるような『ロマン』というか、動物への夢の仮託みたいなものがないし、競輪のような、人が一生懸命漕いでいるなあ、という、人間への思い入れみたいなものもしにくい。確かに操船技術は高度なものだと思うんだけれど、レース展開的にも、飛び出しであらかた決まってしまうような印象で、イマイチ面白みに欠ける、と思ってたんですね。で、今回、実際に舟券を買うことで、その印象が大きく変わるわけです。
初心者の人向けにあるこんなサイトがあるので、はじめての方には是非ちょっと読んでほしいのだけれど
ボートレース初心者サイト『ビギナーズボイス』
ボートレースは一つのレースがボート6艇で行われるんだけれど、大きな特徴は、ボートとエンジン、そしてスタート位置が完全に抽選で選ばれる、ということ。選手が持ち込むのはプロペラだけ。馬と騎手に抽選要素なんかまったくない競馬や、自転車は持ち込み、スタートの枠順も興行主の思惑で指定される競輪とは大きく異なるところです。スタート位置、内枠か外枠かのレースへの影響度合いは、競馬や競輪の比では無いのに、それも抽選なんて!
そして、レース表を見ると

それぞれが乗ることになるボートの連対率、エンジンの連対率という、とても物理的なデータが。そして勿論、選手ごとの勝率連対率、江戸川での成績(江戸川は日本で唯一、流れのある川で行われるので、特に江戸川で強い選手がいたりする)、1枠〜6枠、それぞれのときのレース結果…などなど、とにかく数字の羅列。
さらに、『展示』と呼ばれるもの。競馬だったら、パドックで馬の毛並みが…今日の調子は…とか、競輪だったら並び順が…地域のしがらみが…今日は誰かの誕生日?(笑)みたいなことを見るところですが、ボートレースの場合は、同じように全力疾走していくので、見ただけではよく分からない。その後にタイムが発表されて、エンジンの調子を知るのです。さらにプロペラの調整確度が発表されたり、プロペラを交換した選手のインタビューが流れたり…。とにかく、データ!数字!データ!ファクト!のオンパレード。ボートレースって、こんなに数字が並ぶものだったんや。

だから、スタート時の駆け引きは多少はあるものの、レース展開云々よりも、この数字を組み合わせでいかに予想するか、が肝だったんだね。それは、ぼんやりとレースだけ見ても面白くないのだわ。この数字を見て、予想して、舟券を買ってはじめて面白くなるに決まっています。そして、初心者にはちょっととっつきにくい印象を与えるんだね…。戸締り用心火の用心笹川良一先生と、やっさんの印象しかなかったけれど、これはイメージを改めねば。

だんだん買う票数が増えてるぞ…。ちなみにボートレースの場合、6艇なので、3連単で買っても組み合わせは120通りだけ。3連複だと20通り。2連単で30通りで、2連複で15通り。自分は3連複ばかり買って、5レース中4レースで的中、『わりと当たりやすくて堅実に買うと儲かるんだな!』と思ったわけですが。実際にお客さんが購入するのは、3連単が8割、2連単が1割、残りが連複などで、単勝複勝は殆ど買う人がいないらしい。確かに、いろいろ考えて予想していくと、連複では物足りなくなる。3連単を予想する楽しさ、当てる嬉しさに傾くのはわかるわー。それでも120分の1で当たるしね。まあ、最初は連複から行くと、当たる喜びか感じられるところもいい感じです。


一時レースを抜けて、プレミアラウンジにあるアート作品を鑑賞したり。水木しげる先生の生絵もあったよ。場内のほうに行ってみたり

川に面していて開放的であることもあるからかなあ、競輪場に比べて、明るい感じ、客層にも馴染めそうな感じがしました。花月園競輪は結構行ってたけれど、おっさんに話しかけられる率が尋常じゃなかったからなあ。いや、面白かったけど(笑)
おや、何か剥製のようなものが…

もしやこれは、あの伝説の。船の科学館の中、笹川良一先生の偉業を顕彰する『笹川良一記念室』にあった、笹川良一先生が外国の要人から贈られた剥製でしょうか!

…違いました、外れ舟券を食べてくれるらしい。いい加減、笹川良一先生のイメージから離れたほうが良さそうです…。
その後、またまたプラチナクラブに戻って。係りのおねえさんが『暑かったでしょ?なんか飲む?』というので、また生ビールをいただいて…。このおねえさんがそこそこトウは立っているんだけれど、大変手馴れた感じの働き者な方で、接客のなんたるかを心得ているというか、何と言うんでしょう、ワタクシ思いますに、ボートレース場の偉いさんが行きつけの平井あたりのスナックのママではないかと…あ、いや、すみません、勝手な妄想でござるよ。さあ、次のレース!(笑)

このレース、1枠の、鉄板の本命の選手がなんとターンで失敗。結局3着に沈むという波乱が。ボートレース場の人が『今頃、観客席は大騒ぎですよ』というので『住之江や尼崎だったらもっと大変でしょうねえ』『あー、大変でしょうねえ、凄いでしょうねえ…』などと、だんだん、みなさんほぐれてまいります。結局、レース途中で帰宅する人もいる中、自分と友人は、最終レースまでしっかり楽しんだのです。だんだん、面白くなっていくぞ。この数字の羅列をちゃんと読み取って予想するおっちゃん、凄いわ。パチンコとか行くよりも、小額掛けながらレース見て、B級グルメを味わったりするほうが、よっぽど健康的で良さそうだなあ。年取ったらそういう生活をするか…。
ボートレースは場外も結構あって、横浜も、寿町のすぐ脇にあるんですよね。あそこは福祉的な側面も、実は持ってるみたいです
公営ギャンブル場が福祉に貢献しうるなんてことがありうるだろうか - 関内関外日記
そんなわけで、ボートレースは見るだけよりも実際に舟券を買ったときに、面白さが数段上がる、それは競馬や競輪の比ではない、ということがよく分かった日でした。はじめての人の体験談は、こんなところでも読めるようです。
みんなのボートレース場体験談(PC)
みんなのボートレース場体験談(携帯サイト)
帰りも新小岩までタクシーで。場内で使えるグルメクーポンも使っていないし、またしばらくしたら来てみましょう。
なんか蛇足ばかり多いので、参考までに…。他に行った方…の中で、写真が綺麗で見やすくてよくまとまってるなあ、と思った記事
ドキドキの初体験 : ボートレース場VIPルームプラン体験! : IkukoDays