日毎に敵と懶惰に戦う

はてなダイアリーから引っ越しました。酒と食い物と美術と旅と横浜と建築と演芸と…

瀬戸芸島巡り。我慢できずに犬島再訪、そして豊島はアモーレ

起きて6時。ぼんやりと明るくなってきた瀬戸内の海を眺めるためにベランダに出る。朝から蒸し暑かったあの夏の日ではもうなく、涼しい風。ああ、素敵な風景

月がまだ見える

このまま、この風景を眺めて日がな一日過ごしたい気分…

だけれど、きょうは天気も良さそうだし、金曜日。各所が混雑してしまうかもしれず、早め早めに移動しよう。直島から豊島経由で犬島に向かう高速船が9時10分。ベネッセハウスからの宿泊者専用バスに乗れば、宮ノ浦の港には8時40分に到着する。高松からの始発フェリーは8時50分着。フェリーが到着する前に港に着けば、高速船の整理券は手に入るだろう。あわただしいけれど、今回は割り切るのです…
身支度を整えて、荷物を持って、歩いてパーク棟まで。

7時30分のレストランのオープンを待つ間、パーク棟の中にある作品を見る。宿泊者しか見れない作品が沢山あるのですね…ベネッセさんは商売上手だわあ…。杉本博司の写真、薄明かりの中に設置された作品の雰囲気がとても良い。須田さんの薔薇の花もとても素敵だ。海の見えるレストランで朝食。ベネッセハウスはいいお値段の宿にしては、どうにも従業員の人が…なのだけれど、このレストランにいた素敵紳士はプロの接客をわきまえた人だった。そして、朝食ブッフェは美味しゅうございました。

チェックアウトし、8時30分のバスで宮ノ浦へ。乗船券を引き換えて貰っている間に、高松からのフェリーが到着してしまったので、とにかく私は急いで高速船乗り場に。17日から整理券の配布が始まっていて、整理券を貰わないと犬島行きの高速船には乗れないのですよ…

高速船は豊島経由の犬島行きのはずなのに、若干殺気立ったおじさんが、豊島行きの人と犬島行きの人を仕分けして、犬島行きの人だけを先に船に載せている。増便されているのかな?乗りこむころにはすでに満員、9時10分発のはずが、8時50分には出航してしまった。何便も船が出るんでしょうね、80人定員の高速船にはキャパに限りがあります

瀬戸内国際芸術祭をめぐるための必須アイテム、乗船2日間フリー券と、作品鑑賞パスポート。合わせて8500円。なかなか良いお値段ではありますが、直島から犬島に行くだけでも、1800円かかるのですよ…。このチケット買わないと、さらに高いことになります。

高速船は予想通り、豊島に寄ることなく犬島へ。9時30分には到着。船を降りた途端、帰りの船の整理券を配布しだした。12時30分発の臨時豊島行きと、13時発の豊島経由直島行き。なんというかもう、どんどん先の予定を決めないと、ろくに島も巡れない状況ですね…。

今回は仕方ないけれど、本当であればもっとのんびり巡りたいものです。ほいでまあ、作品の鑑賞も、案内所のオープンも10時からなので、しばらくは海をながめて突然のんびり

時間になり、コインロッカーに荷物を預けて、まずは家プロジェクトから。直島で、空き家を作品に転用した事例はその後も継続されていて、犬島、豊島、男木島などでも展開されています。けれども、作品そのものはやはり、集落を巡るための理由にしか過ぎないのだな。集落の中を歩き回ることの楽しさ






犬島の人口は57人しかいないという。その島に、瀬戸内国際芸術祭の最中は、ひっきりなしに船で人が上陸する。精錬所も合わせて、この島は、別に芸術祭の期間に来る必要はないと思う。この期間をはずして、のんびり訪れたほうがいいのではないかな…。直島と豊島は宇野起点で巡ればそれほどの混雑に合わずに済むんだけれど、犬島は豊島から大混雑の高速船で来る以外は、非常に交通の便の悪い、岡山の宝伝港から渡るしかないんだよね…。
集落を巡った後は、精錬所へ。以前に訪れて
我慢できない大人の為の社会科見学 犬島アートプロジェクト「精錬所」 - 日毎に敵と懶惰に戦う
その素敵さに再訪してしまったのです。以前は解説のお兄さんの話を聞かずに写真を撮りまくる人続出で、お兄さんが相当不憫だったんだけれど、その後、ツアーではなく自由見学になったので、お兄さんを不憫がらずに済みます。そしてまたしても、写真を撮りまくるのだった…





撮りまくるのだった!





あーもー

一歩進むたびにシャッターチャンスが訪れる。凄い。先に進めない!


堪能した後は、インフォメーションセンターでいぬじまごはん。



これがまた大層美味いし、窓から眺める風景は最高だし、辛抱たまらん。行き帰りの船が凄かったことを除けば、島内が人でびっちりというわけでもないし、とても贅沢な時間を過ごせたのだった。オリジナルグッズのマスキングテープもとても素敵だったしなあ。ああ、また来たくなっちゃうんだろうなあ、犬島。コインロッカーから荷物を取り出して(獣の目をした女子が、すぐに空いたロッカーを確保!ロッカーも奪い合いです)


12時30分の豊島行き臨時便で、犬島よさらば。もちろん、この船も満員だった。船で訪れ、船で去る。一つ一つの島との出会いと別れが、一層感慨を深くする、瀬戸内国際芸術祭の旅。豊島の家浦港には12時50分くらいに到着する。豊島と言えば、かつて産業廃棄物問題を島ぐるみで乗り越えた島。今回は芸術祭の舞台の一つ。直島よりもかなり大きいのだけれど、直島は単独の自治体で人口3300人に対して、豊島は小豆島に役所がある自治体の一部で、人口は1000人。それこそ、これまでは観光客を受け入れて来なかった島に大勢の観光客が押し寄せることになったため、今回の芸術祭を巡って、一番、島の世論がいろいろ揺れているらしく。そのあたりをつぶやいている島の人も何人かいる
豊島・家浦港ウォッチ (@ieuraport_watch) | Twitter
てし (@teshimain) | Twitter
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ちょっと読んでみることをお勧めします。(正直言うと、一番上の方は、イマイチ性に合わないんだけれども)。でも、1泊2日でどやどやと訪れた観光客の身には、どの人もとても親切で、いろいろ話しかけたりしてくれたり、とても印象に残る島だった。家浦の港のインフォメーションでは数少ないコインロッカーが満杯なので、案内所で預かってもらい、さて。大本の予定では今日は宿に直行、明日、時間配分の関係で一部だけ巡るつもりだった。予定が変わったので、訪れるのをあきらめていたあたりを廻ろう。まずは、家浦の集落の作品


この、目がどうにかなってしまいそうなレストランも凄いけど、古い民家で見る瞽女小林ハルさんを描いた鉛筆画も凄かったなあ。その後、島を一周するバスの、反時計回りの便に乗り。満員ギュウ詰めのバスは無料。てっきり、今回のイベント用に設置されたバスだと思ったんだけれど、もともとはあんまり関係ない社会実験か何かの路線らしく。もっとも、バスには『歓迎 瀬戸内国際芸術祭』云々と書かれていたから、瀬戸芸の事務局も噛んでいるんだろうけれど。山を越えて甲生の集落へ。
浜辺で見た、キャメロン・ロビンスの作品が良い。打ち寄せる波が、静かな浜辺に小さな息吹を響かせる。


小さな集落の中を、看板を頼りに歩く…ああこれこれ、越後妻有でも体感したよくわかんないわくわく感

でも、妻有は田んぼの真ん中に…だったからね。島の路地を抜けて、というのはまた違う。そして楽しい。古い民家、生活の記憶





そして

公民館、風景の記憶。塩田千春



あわただしく、バスで集落を出る

まるでスタンプラリーのように、作品から作品を巡り、その間に見かけた島の風景にハッとなりながら、急ぎ足で立ち去る。それは勿体ないと思いつつ、でも、せわしない旅が続く。この期間が終わったら、どこかの島をゆっくり訪れたいよね。続いて、横尾忠則の作品。すっごくイヤゲモノ!



さすが横尾忠則。こういうの見ると、大竹伸朗ってごちゃごちゃしているようで、凄くsophisticateされてるよなあ、って思う。いや、どっちが良い悪いじゃなくてね。集落を歩いて

また家浦へ。イル・ヴェントを再訪、少しお茶して休憩してから、荷物を受け取り、さて、本日の宿泊先『アモーレ テシマ リゾート』に向かおう。いや、その、うん。ちょっとアレな名前だなーとは思ったんだけれど、豊島に宿泊を決めた際、手っとり早く確保できたので…。なんだろう、アモーレの鐘が午前2時をお知らせしちゃったりなんかするんだろうか。午前2時って。丑三つか。
じゃらんのページには『車で送迎あり』と書かれていたので電話してみたら、シーズン以外はしてないんですよ…。とのお返事。えええ。この大盛況がシーズンじゃなくて何時シーズンなのだ。いやわかってる、本来のシーズンって夏の海水浴季節で、それ以外は観光で来る人はいないよね、普通は…。歩こうかと思ったが、インフォメーションセンターで聞いたら、タクシー使ってみたら?とのことだったので、タクシーを呼ぶ。船のタクシーが現れたらどうしよう(実際、水上タクシーは絶賛営業中なのです)という不安は杞憂で、ちゃんと緑ナンバーのタクシーが現れて、これは歩いたらエライことだ…みたいな道を通り抜け、浜辺の『アモーレ テシマ リゾート』に到着。うーん、アモーレだ。相当の年代物だ
フロントで大声で呼んでいるとおばちゃんが現れて、2人でやってるもんで、迎えに行けなくてすみませんね…と物凄く恐縮した様子。じゃらんに出ちゃってるからなあ…。書き変えて貰えないんだろうか。おそらく、本来ならば、今頃の時期は管理人みたいなものなんだろうな。ほいで通されたお部屋は、うん、まあ、その、コンテナハウスみたいな、ちょっと広くて古いビジネスホテルというかなんというか、カーテンを閉めてると陰々鬱々としそうな…。ベネッセハウスにはちょっとしか滞在せず、こっちに早く着いてしまったのは何故だ…
疲れていたので、そしてやること無いので少し昼寝して、晩飯はバーベキュー。海を見ながらのバーベキュー、沈む夕日、素晴らしかったです風景。部屋からカメラを持っていくのを忘れた、というか、持って行ったはいいが充電中でバッテリー抜いてあって写真撮れませんでしたが(笑)
夜、なんとなーく妙な方向のうちに、ちょっと話がまとまり、明日は高松宿泊の予定だったけれど、土日の瀬戸内国際芸術祭は目も当てられない混雑になりそうだし。明日は豊島男木島をサッと廻ってから早めに高松に戻り、そのまま、琴平の温泉に行きたいね、ということに。日曜日は金毘羅詣でにしよう。楽天トラベルで探したらうまい具合に良さげな温泉宿が案外安く予約できた。おかげで、この日の宿に到着後の写真がまったく無いことからもご推察いただけると思うテンションはずいぶん持ち直して、そして今日も疲れたので、早めにおやすみなさいなのです…