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神奈川県立金沢文庫『運慶−中世密教と鎌倉幕府』

午後はTakさんなどと御一緒させていただき、金沢文庫へ。運慶の仏像が7点も揃うことで話題になっている『運慶』展に行ってきた。
http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/bunko/tenjiannai.htm

実は金沢文庫に行くの、近所なのにはじめて。今の横浜市において、最初に発展したのは鎌倉時代金沢だったわけでありまして、お隣の称名寺ともども、金沢文庫の歴史はとても古いのです。だからお宝も沢山あるのですね。今回は、運慶作の「大威徳明王像」が県内のお寺から見つかったことを契機に、運慶の展覧会が実現したわけで。今回展示されるのは
・国宝 大日如来坐像
・重文 毘沙門天立像
・重文 不動明王立像
・重文 帝釈天立像
・重文 厨子入大日如来坐像
・重文 大日如来坐像
・重文 大威徳明王坐像
他にも国宝、重文の資料が目白押し。これ以外お中では、鎌倉初期の舞楽面が力強い造りでとても良かったな。ただし、今現在は真如苑所蔵の重文・大日如来坐像はまだなくて、会期の後半だけ。逆に後半になるとなくなる展示もあるので、注意してください。
国宝の大日如来坐像からはじまり、運慶作の初期から後期までの作風の変遷がわかって良い。色鮮やかな『帝釈天立像』もすばらしいんだけれど、とにかく目を見張ったのが『毘沙門天立像』で、造形のバランスの良さが素晴らしい。今にも動き出しそうな躍動感があって、それでいてどっしりと落ち着いている。踏まれている餓鬼の暢気な感じが対照的で面白い。これはいいわー。
この『毘沙門天立像』は、葉山からさらに南に下った秋谷のあたりにある『浄楽寺』の所蔵。ほかにもこのお寺には運慶作が3点もあり、今回展示されている『不動明王立像』もあわせて5点。この2点が会期途中でお寺に帰り、3月には毎年恒例の公開が行われるということ。春の気候の良いころだから、自転車で行ってみたいなあ、と思ったです。
展示空間はそれほど広くないけれど、その空間にぎゅっと凝縮された良い展覧会だったと思います。あ、そして、金沢文庫に行ったら隣のお寺

称名寺にも必ず行ってください。大変素晴らしい古刹です。池に鯉やカモが多く、カワセミまで見ることが出来て(美しい!)猫もうろうろしていて、野生の王国みたいな境内がなんだか良かったのです