日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

早朝の大団円と、内海聖史と、大岡川を往く

なんとか3時前に起きて、『魔法少女まどか☆マギカ』の10回〜最終回までをリアルタイム試聴。ある意味、最後まで、予想通りのところに、物凄いクオリティで剛速球を投げてくるアニメだった。いい風呂敷の畳み方でした。テレビアニメをこれだけワクテカして待ったのは久しぶりだ。リアルタイムで素敵な体験をさせて貰ってありがとう。
目も覚めたので、朝飯にバナナと苺を食って、そのまま出社、7時には会社着。いろいろ作業、打ち合わせ、昼飯は変わらず弁当。午後は、フレックスで4時半には会社を出る。銀座線で渋谷まで
渋谷から歩いて、松濤にあるギャラリエ アンドウへ
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内海聖史個展『さくらのなかりせば』。会場の外からでも見える壁一面のピンク。ギャラリーの中に入ってみれば、ピンク色は壁一面に拡がるばかりではなく、部屋全体がピンクに包まれる。綿棒で打たれた点描が、いくら見ていても飽きない画面を作りだしている。内海さんが在廊しておられて、照明を明るくしたり暗くしたり、最後には自然光だけで見ると…。ハッと息を飲むほど、照明の明るさによって表情が変わる。
普段はイメージが固定されることが無いようにタイトルに具象名を付けないのだけれど、今回、この季節にピンクの作品にタイトルを付けないのも却って…ということで『桜のなかりせば』というタイトルになったと言う。それにしても、ピンクって本当に表情の豊かな色で、ごく白っぽいところから赤に近いところまで、本当に表情豊かなピンクの画面。それが、部分に注目した時、全体を俯瞰した時、それぞれで目の中に入ってくる色と点のバランスが変わり、ほんと、見飽きないんですね。しみじみ、良いもの見たわあ、と思いましたです。明日の19時までなので、是非。
渋谷駅の雑踏を通り抜けて、湘南新宿ラインで横浜、乗り換えて桜木町。中華料理屋で軽く晩飯食べてから、BankART School『大岡川を往く』に向かう。前回に続いて、なのだけれど
BankART School『大岡川を往く』 - 日毎に敵と懶惰に戦う
前回はBankART Studio NYK だったが、今回は大岡川沿いにある『AスタジオHINODE』、これは昔、オウム真理教が使っていた建物でしてね…。竜宮美術旅館の目の前にあります。竜宮美術旅館はこれですよ
今年の黄金町バザールは、とにかく日ノ出竜宮へ - 日毎に敵と懶惰に戦う
今回のお話は、大岡川桜まつり実行委員長の一ノ瀬成和さん。平戸桜木通り沿いにある、永野鰹節店のご主人でもある。大岡川の歴史にはじまって、大岡川に生きる生物、大岡川が次第に浄化されている様子、桜まつりの開催の様子。そんな色々な話の中でも、桜桟橋の活用を巡る部分が、やはり一番興味深かった。Eボートのレース、台船を出して様々な催しなど、桜桟橋を起点にして、川の上での活動を行っている様子。
河口に近いボードウォークは、整備に10億円かかっていると言う。しかし、北仲の再開発が順調に進んでいない現状、また、管理を任されている側が必ずしも利用に協力的で無い面、あるいは設備としても自由な利用を拒んでいるようなところがあり、有効活用されているとは到底言えない状況になっている。ワークショップが行われて有意義な意見も出されたのだが、それが活かされていないと言う。行政側としても、『安全第一』『事故が無いように』が最優先されることによって、使いようのない、つまらない整備が行われやすくなる。
一方、桜桟橋はそれなりに活用されている。一ノ瀬さんのように、地元で管理に関わる側でいろんな試みをしようとしている人達、あるいは、BPAの山崎さんのように、外部から少しずつ、いろんな働きかけをしていって、可能性を拡げようとしている人達。これは誰か一人だけの努力で何かができるものではなく、漠然としたみんなの思いで何かが変わるわけでもなく、いろんな人がいろんなアプローチで試みをしていくことで、少しずつこじ開けていくしかないのだなあ、と。大変だ、と思う反面、面白いな、とも思うのだった。
『横浜は運河の街というイメージを持っている』という言葉が印象深い。ある程度年配の方、それも高齢ではなく60をちょっと過ぎた人にとっても、今は高速道路や大通り公園になっている場所は運河として記憶の残る場所であり、そこに船が頻繁に行き交っていた記憶があるのですね。そういう、川の体験の記憶が残っている状態で、かつ、子供や若い人が楽しめるような川の体験を提供すること。それによって、大岡川周辺の活性化もされていければなあ、と。
利権関係やローカリズムの問題など、うーむ…という話も沢山出て。その他、今年の横浜トリエンナーレの話や、黄金町のアーティストの話や、北九州のいろんな話(笑)など、山野真悟さんも参加した講座後の懇親会の内容がとても濃くて、実に楽しかったのです。目の前の竜宮美術旅館が本日は明日の準備でcloseだったのだけれど、お店はカウンターを開けてくれていたので、そこから飲み物と食べ物をオーダーして利用いたしました

このカウンターなんかいいですね。でも、ここも、日ノ出町駅前の再開発で消えてしまうのだけれど…。街のDNAを残したまま、どうやって新陳代謝を進めて活性化させるか。23時半ごろまで過ごして、小雨の降りだした中を帰宅したのでした。