日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

光の館に12人で泊まる

光の館。十日町市、旧川西町。ジェームズ・タレルが陰影礼讃にインスパイアされて作った建物。2000年、大地の芸術祭の最初の年に作られた。この建物に、実は4年前の夏に1度、宿泊している
光の館に泊まる - 日毎に敵と懶惰に戦う
光の館、続き - 日毎に敵と懶惰に戦う
この時もとても楽しい体験だったのだけれど、若いご夫婦2人と、私1人という組み合わせだった。仲間内で、上限いっぱいの12人で泊まったらさぞ楽しいだろうな!とはその時から思っていたことで、だけれども週末の予約の大変さ、12人も集まるかしら?ということで、長年、考えていただけだったのだ。
ここしばらく、打てば響くような、イベントとあれば積極的にどんどん参加するような人達がTwitterで繋がっていき、光の館に是非、という人もおり、これなら光の館ツアーの参加者もすぐに集まるんじゃねーの?と思っていた矢先。4月13日に何気なく光の館のwebページを見たら、なんと、半年先まで一杯の週末の中で、5月28日の土曜日だけ、奇跡的に空いているではありませんか!これはもう、押さえるしかない。参加者などああとから集まるはず!そうして予約して、Twitterでつぶやいてみたところ

以前にすこし触れた、新潟県十日町の『光の館』宿泊ツアーですが、5月28日の土曜日が空いていたので仮押さえしてみました。移動手段はこれから考えますが、車でも良しですし、電車でも、路線バスを利用すればいけます。最大12人です。行きたい!という方、いらっしゃいますか?
http://twitter.com/#!/zaikabou/status/58080582902624256

案の定というかなんと言うか、3時間できっかり定員に達しまして(笑)その後、メンバーの変遷はいろいろあったものの、前日に急遽、体調不良で不参加になってしまった方の穴も1時間と経たずに埋まり。十日町に集まって自炊の買い出しをしましょう、的なアバウトな幹事のもと、お天気だけが気がかりだなあ、と思いつつ、5月28日の十日町駅に、先遣隊の8人がまず集まったのであります。
駅前のスーパー『リオンドール』で買い出し。何を作るか全く決めておらず、当初、カレーにしようか…的な弱気が覗いていたのだけれど、そのうち、ちらし寿司が良いのでは、そして手巻き寿司が良いのでは、と話が良い方向に導かれ、刺身をサクで山ほど購入。米は2kgで足りるかな?12人で14合、うーん、足りるんじゃないかな…(結局、もう少しあったほうが良かった気がした…)、さらに、自分は根曲がり竹のみそ汁用に味噌とサバの缶詰など。お菓子もたっぷり。日本酒は別の酒屋で買うからビールを買いましょう、と、350ml缶が16本。12人で足りる?足りるんじゃない?日本酒あれば…(結局、ぜんぜん足りなかったのでした)
買物をしているだけですっごい楽しくなってきた!次に駅前の酒屋へ。鶴齢の越淡麗の純米吟醸、久保田の生酒、そして鶴齢の純米吟醸の梅酒を購入。駅のロータリーに出ると私の知り合い2人が合流し、10人でタクシーに分乗して光の館を目指します。うむ、このへん、写真が沢山あってしかるべきところなんだけれど、ぜんぜん撮影しておらぬ!写真はこのへんで補完してくださいー
5/28-29 「光の館」に行ってきたよ。 #HoL0528 - Togetterまとめ
到着して午後4時、光の館についての説明を受けまして、注意事項を朗読、みんなで誓約書に署名。プログラムについての説明や、館内の設備、照明の説明などを順繰りに受けているうちに残りの2名も到着し、揃いました12人。さて、では、わらびのあく抜きでもしましょうか…と台所に出て、夕飯の支度をゆるゆるはじめて、回廊にテーブルを出したのが運の尽きというか、我ながら良くやった!というか。とたとたと2名ほど走ってきて、缶ビールを開けたぞ!いや、そうしたくなる気持ちはすっごいわかる。これは雨の翌日なんですけどね

こんな回廊に、外の緑は美しく輝いていて、鳥の声がして、風が吹き抜ける。こんなところでさあ、ビール飲むなんて最高じゃないか!オーブンでさっそくつまみのソラマメが焼かれはじめて、みな続々、広い建物のはずなのに一か所に集まってビールを飲み始めたぞ。伊丹十三の『お葬式』に出てくる、伊豆の別荘みたいである。下拵えのために竹の子の皮をむき始めると、自分もやるぞ、と続々はじまって、やがて竹の子の皮むき大会に。みんなでこういうことするの滅茶苦茶楽しいなあ。
と、ここで、ビールが足りないのではないか疑惑がむくむく。1人1本少々って、よく考えたら足りるわけないのだ。もしかすると夕飯前にすでに尽きるのではないか。冷蔵庫の中には大びんが3本あるけれど、これでも足りない、買い出しに改めて行こうか、足はどうする…。というところへ。冷蔵庫にストックが3本あるなら、まだどっかに隠してあるのでは?誰かが言い出したころにみな拍手喝さい、建物の前の管理棟にまだ人が残っていたので言ってみると、はい、1ケースでも!と嬉しいお言葉。さっそく10本冷蔵庫に補充してもらうのでした。
そして管理の方、ワラビを水に晒していたり、竹の子をむいていたりするのをみて、ずいぶん料理するんですね、凄い!と、ちょっと待っててくださいね、と山へ。その間、私は先に風呂に入らせて貰っていたのだけれど、上がってみたら立派な山菜が届いていた。山に行って20分ほどで、山ウドと木の目を沢山持ってきてくれたのだと言う。この山ウドで酢味噌和えと炒め物を作り、こりゃまた実に美味い!素晴らしい…。ビールが進むなあ、もう日本酒開けちゃおうか?久保田の生酒美味いなあ。そんなうちにも刻々と時間が進みまして、でっかい炊飯器でごはんは炊きあがる。さて、ナイトプログラムまで1時間くらいしかないが、晩飯どうしよう…終わってから仕度すると遅いし…ええい、ままよ、と速効で仕度に入り、刺身が次々と切られ、もう、手巻きにするのももどかしく、とにかく刺身を食いながら酒を飲む、とかなり自堕落な感じになったのでした。
やがて、7時前。照明が変化し、あ、ナイトプログラムがはじめる、こりゃ大変!食べ物飲み物を乗せたテーブルが台所前から広間の近くに運ばれて、みな、思い思いに寝っ転がり…

刻々と

変わっていく

空の色を見ている。吹き抜ける風、鳥の声…ああ、とても幸せな時間…周囲はすっかり夜になっても



空の色は、まだまだ変化し続ける


一同、陶然と、豊かな時間を…

この1時間弱の変化を、1分間の動画に圧縮したもの。@ekuboさん作製そろそろ、変化が無くなったころで、宴会が再開。広間に食べ物飲み物が持ち込まれ、ようやくここで自己紹介がはじまり、あ、雨がパラついてきた。ナイトプログラムが終わるまで、よくぞ持ったなあ。天井を閉めて、と。酒もみんな空けちゃおう!手巻きずしに、美味しいおにぎりも出てきた!竹の子の味噌汁はいかがです?ワイン美味いなあ…………

ちょっと外に出て、小雨の降る、光の館をながめたり

………
うーん…なんか、知らない間に、自分は回廊のほうで寝ていたらしい…。広間いっぱいに、布団の海になっていた。

この間に何があったのか。引き続き、このへんで補完してくださいー
5/28-29 「光の館」に行ってきたよ。 #HoL0528 - Togetterまとめ
とにかく、3時過ぎにはじまる朝のプログラムは雨で微妙だけれど、布団に入っておやすみなさい…
………
お、起きたらもう7時だ!そして雨。強い雨脚。

けれど、雨の風情もまた、良い。こんどは朝ごはんの仕度。残り4合のご飯を炊いて木の芽を混ぜて、美味しい玉子焼きやら、炒り卵やら、アボカドのサラダやら、ワラビの炒め物やら、昨日の味噌汁やら、すごい、大家族の朝食だ!

楽しい時間はあっとゆう間に過ぎて、朝食が終われば片付け、布団もあげて、お会計を済ませて。今回、十日町駅からの交通費、宿泊費、食費、酒代、全部合わせて、一人9300円となった。9時20分ごろ、管理の方が来て、チェック。お皿を一つ割ってしまったけれど、これは弁償しまして。それ以外は特に問題なし。記念撮影をして、昨日呼んでおいたタクシーが迎えに来てますね、もう帰らなければ


一行は、十日町駅で、とりあえず解散となったのでした。これはね、また来たいよ。大勢で来るとすっごく楽しい。本当に、また来ます。1年に1回の恒例行事にしてもいいぐらい。